第4 自家発電設備


自家発電設備は規則第12条第1項第4号ロの規定によるほか、次による。

 

1 機器


自家発電設備回路にキュービクル式の変電設備及び配電盤等を設ける場合は、規則第12条第1項第4号イ(ニ)の規定の例並びに第3.1.(1)及び(2)の例により設けること

 

2 設置方法


(1) 自家発電設備の結線は、図6-2によること 

  • 自家発電設備の結線方法
高圧の自家発電設備で供給するもので自動切替装置を設けた例
図6-2 高圧の自家発電設備で供給するもので自動切替装置を設けた例
高圧の自家発電設備で供給するもので自動遮断器等でインターロックして設けた例
図6-2 高圧の自家発電設備で供給するもので自動遮断器等でインターロックして設けた例
低圧の自家発電設備で供給するもので低圧幹線に自動切替装置を設けた例
図6-2 低圧の自家発電設備で供給するもので低圧幹線に自動切替装置を設けた例
低圧の自家発電設備で供給するもので低圧分岐回路に自動切替装置を設けた例
図6-2 低圧の自家発電設備で供給するもので低圧分岐回路に自動切替装置を設けた例

 

【略号の名称】

 

(2) 自家発電設備の周囲には、別表6-4により保有距離をとること

 

(3) 自家発電設備回路にキュービクル式の変電設備及び配電盤等を設ける場合は、第3.2.(2)の例により保有距離をとること 

 

(4) 起動信号を発する検出器(不足電圧継電器等)は、高圧の自家発電設備を用いるものにあっては、高圧側の常用電源回路に、低圧の自家発電設備を用いるものにあっては、低圧側の常用電源回路に設けること 

 

(5) 自家発電設備を設置した室には、非常電源を付置した換気装置を設けること 

 

(6) 消防用設備等の作動中に停電した場合は、当該消防用設備等に対して自家発電設備の電圧が確立した時点で瞬時に電力が供給できる装置を設けること 

 

(7) 消防用設備等の常用電源及び非常電源として使用する気体燃料を用いる常用防災兼用ガス専焼発電設備(以下「ガス専焼発電設備」という。)の設置方法は、(1)から(6)までによるほか、次による。 

  • ア 一般社団法人日本内燃力発電設備協会において、主燃料の安定供給の確保に係る評価を受け、認められたものについては、自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第2第2号ただし書において準用する同基準第2第1号(13)ロの規定に適合しているものとして取り扱うものとする。
  • イ 自家発電設備の基準第2第2号に規定する「非常電源用の燃料」(以下この号において「予備燃料」という。)を設置する場合は次のとおりとすること 

(ア) 予備燃料は屋外(地上)に設置すること。ただし、屋外(地上)に設置できない場合にあっては、安全対策を講じた上で、31メートル又は10階以下の建物の屋上に設置できるものであること。

 

(イ) 気体の予備燃料を保有するガス専焼発電設備で、連結送水管(加圧送水装置を設けるものに限る。)の電源を供給するものにあっては、予備燃料の保有量を2時間以上連続して運転できる容量にボンベ1本(7㎥)を加えたものとすること。また、「ヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の設置指導基準」(平成2年11月制定)に基づき設置する緊急離着陸場又は緊急救助用スペースの夜間照明設備に電源を供給するものにあっては、予備燃料の保有量を4時間以上連続して運転できる容量にボンベ1本(7立方メートル)を加えたものとすること 

  • ウ ガス供給配管系統をガス専焼発電設備以外の他の機器等と共用する場合は、他の機器等によりガス専焼発電設備に支障を与えない措置が講じられていること
  • エ 緊急ガス遮断装置は専用とし、常時保安状況を監視できる場所(防災センター等が設置されている場合は当該防災センター等をいう。)から遠隔操作できる性能を有すること
  • オ 緊急ガス遮断装置の点検時等に安定的に燃料の供給を確保するため、図6-3の例によりバイパス配管を設置すること
  • カ 点検等によりガス専焼発電設備から電力の供給ができなくなる場合には、防火対象物の実態に即して次に掲げる措置を講じる必要があること 

(ア) 非常電源が使用不能となる時間が短時間である場合 

  1. A 巡回の回数を増やす等の防火管理体制の強化が図られていること
  2. B 防火対象物が休業等の状態にあり、出火危険性が低く、また、避難すべき在館者が限定されている間に点検等を行うこと
  3. C 火災時に直ちに非常電源を立ち上げることができるような体制にするか、消火器の増設等により初期消火が適切に実施できるようにすること 

(イ) 非常電源が使用不能となる時間が長時間である場合 

 

(ア)に掲げる措置に加え、必要に応じて代替電源(可搬式電源等)を設けること 

  • キ ガス専焼発電設備が設置されている部分には、ガス漏れ火災警報設備を設置すること。また、ガス漏れ火災警報設備等の検知部は、ガス専焼発電設備の設置されている部屋、キュービクル内(エンクロージャーを含む。)、ガス供給管の外壁貫通部及び非溶接接合部付近に設けるものとし、作動した検知部がどこの部分であるか防災センター等で確認できる措置が講じられていること。ただし、ガス事業法(昭和29年法律第51号)等によりガス漏れ検知器の設置が規定されており、作動した検知部がどこの部分であるか防災センター等で確認できる措置が講じられている部分を除く。 
  • ク 切替え信号により負荷の切替えを行う場合のガス専焼発電設備の出力算定については、負荷の切替えを行う前の出力算定及び負荷の切替えを行った後の出力算定を第4.3の例によりそれぞれ算定し、大なる出力を有するものを設置すること
緊急ガス遮断装置のバイパス配管 
図6-3 緊急ガス遮断装置のバイパス配管

3 出力算定


自家発電設備の出力算定は、次による。 

 

(1) 自家発電設備に係る消防用設備等の全てに所定の時間電力を供給できる出力容量以上であること。ただし、次のいずれかに適合する場合は、この限りでない。 

  • ア 同一敷地内の異なる防火対象物の消防用設備等に対し、自家発電設備を共用する場合で、防火対象物ごとに必要とされる消防用設備等の負荷の総容量を計算し、その容量が最も大きい防火対象物に対して電力を供給できる出力容量がある場合
  • イ 消防用設備等の種別又は組み合わせ若しくは設置方法等により同時使用があり得ない場合で、その容量が最も大きい消防用設備等の群に対して電力を供給できる出力容量がある場合 

(2) 自家発電設備は、全負荷同時起動ができるものであること。ただし、逐次5秒以内に順次電力を供給できる装置を設けた場合は、この限りでない。

 

(3) 自家発電設備を一般負荷と共用する場合は、一般負荷の容量を加算し消防用設備等への電力供給に支障を与えない出力容量であること

 

(4) 消防用設備等の使用時のみ一般負荷を遮断する方式で次に適合するものにあっては、前(3)にかかわらず、当該一般負荷の容量は加算しないことができる。

なお、この場合、一般停電時(一般負荷のみ起動時)と火災停電時(一般負荷を遮断した後の消防用設備等の起動時)の2種類の出力算定を行い、支障がないことを確認すること 

  • ア 火災時及び点検時等に、電源が遮断されることによって二次的災害の発生がないものであること
  • イ 回路方式は、常時消防用設備等に監視電流を供給しておき、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、泡消火設備等のポンプを用いる設備及び排煙設備のいずれかの起動時に一般負荷を自動的に遮断するものであること
  • ウ 遮断した一般負荷の復旧は、手動で行う方式とすること
  • エ 一般負荷を遮断する場合の操作回路等の配線は、耐火配線又は耐熱配線とすること(図6-4)
  • オ 一般負荷の電路を遮断する機器は、発電設備室、変電設備室及びポンプ室等の不燃材料で区画された部分で容易に点検できる位置に設けること(図6-4)
  • カ 前オの機器には、その旨の表示を設けておくこと
一般負荷を遮断する場合の操作回路等の耐火配線又は耐熱配線
図6-4 一般負荷を遮断する場合の操作回路等の耐火配線又は耐熱配線

(5) 自家発電設備に必要とされる出力の算定に当たっては、発電機出力及び原動機出力をア及びイに示す方法によりそれぞれ求め、当該発電機出力及び原動機出力の整合をウに示す方法により図るものとする。さらに、この結果に基づき、適切な発電機及び原動機を選定し、当該組み合わせによる発電機出力を自家発電設備の出力とするものとする。

ただし、総務省消防庁監修の自家発電設備の出力算定ソフトウェアによるもの又は国土交通省等において示している自家発電設備の出力算定の方法のうち、本算定方法と同様の手法により行われているものにあっては当該方法によることができるものとする。 

  • ア 発電機出力の算出 

発電機出力は、次式により算出すること

G=RG・K 

G :発電機出力(キロボルトアンペア) 

RG:発電機出力係数(キロボルトアンペア毎キロワット) 

K :負荷出力合計(キロワット) 

 

この場合における負荷出力合計及び発電機出力係数の算出は、次によること 

 

(ア) 負荷出力合計(K)の算出は、別記1によること 

 

(イ) 発電機出力係数(RG)は、次に掲げる4つの係数をそれぞれ求め、それらの値の最大値とすること。この場合における各係数の算出については、別記2によること 

 

なお、負荷出力合計が大きい場合、より詳細に算出する場合等にあっては、別記3に掲げる算出方式によることができること 

 

RG1:定常負荷出力係数と呼び、発電機端における定常時負荷電流によって定まる係数 

RG2:許容電圧降下出力係数と呼び、電動機などの始動によって生ずる発電機端電圧降下の許容量によって定まる係数 

RG3:短時間過電流耐力出力係数と呼び、発電機端における過渡時負荷電流の最大値によって定まる係数 

RG4:許容逆相電流出力係数と呼び、負荷の発生する逆相電流、高調波電流分の関係等によって定まる係数 

  • イ 原動機出力の算出 

原動機出力は、次式により算出すること 

E=RE・K 

E :原動機出力(キロワット) 

RE:原動機出力係数(キロワット毎キロワット) 

K :負荷出力合計(キロワット) 

この場合における負荷出力合計及び原動機出力係数の算出は、次によること 

(ア) 負荷出力合計(K)の算出は別記1によること 

(イ) 原動機出力係数(RE)は、次に掲げる3つの係数をそれぞれ求め、それらの値の最大値とすること。この場合における各係数の算出については、別記4によること

 

なお、負荷出力合計が大きい場合、より詳細に算出する場合等にあっては、別記5に掲げる算出方式によることができること 

RE1:定常負荷出力係数と呼び、定常時の負荷によって定まる係数 

RE2:許容回転数変動出力係数と呼び、過渡的に生ずる負荷急変に対する回転数変動の許容値によって定まる係数 

RE3:許容最大出力係数と呼び、過渡的に生ずる最大値によって定まる係数 

  • ウ 発電機出力及び原動機出力の整合 

自家発電設備として組み合わせる発電機及び原動機は、前ア及びイにおいて算出されたそれぞれの出力を次式に示す整合率(MR)で確認し、当該値が1以上となっていることが必要であること。また、適切な組み合わせとしては、当該値を1.5未満としておくことが望ましいこと 

 なお、整合率が1未満の場合にあっては、原動機出力の見直しを行い、当該出力の割増を行うことにより、1以上とすること

自家発電設備として組み合わせる発電機及び原動機出力の整合率(MR)算出式

 

別記2及び別記4による場合は、 MR=1.13 × (E/G・Cp)

 

MR :整合率 

G  :発電機出力(キロボルトアンペア) 

cosθ:発電機の定格力率(0.8) 

ηg :発電機効率 

E  :原動機出力(キロワット) 

Cp :原動機出力補正係数

発電機出力G(kVA) 原動機出力補正係数Cp
62.5未満 1.125
62.5以上300未満 1.060
300以上 1.000

(注)原動機出力補正係数は、発電機効率ηgを標準値(0.9) として計算を行っていることから、小出力発電機において 誤差が大きくなるので、その効果を補正するものである

  • エ 自家発電設備の出力の算出結果については、様式1から様式4までの計算シートに記入すること。ただし、第4.3.(5)のただし書により出力算定した結果については、当該所定の様式に記入することができること 

(6) 既存の自家発電設備で消防用設備等に係る負荷出力の変更があった場合等は、本算定方法により出力の見直しを行い、その結果に基づき適正なものに改修する等の措置を講じること