救助・脱出について


建物内において火災が発生した際、もし “避難階段を用いて避難階に避難できなかった場合” を想定した設備や仕組みがあります。

 

まず、一時的な避難場所としての “屋上広場” などが挙げられます。

(´-`).。oO(屋上広場も防災なんですねえ…。)

 

また、消防隊が建物内に進入するために設けられた “消防隊進入口 や、“非常用の昇降機” なども仕組みの一つです。

 

これらは、消防隊の救助活動などが円滑に行えるように、あらかじめ建築物に設置しておくこととされているものです。

 

以下にそれらの詳細について記していきます。


◆ 屋上広場など


2階以上の階にあるバルコニーまたは開放廊下などの周囲には、安全上必要な高さ1.1m以上の手すり壁・柵または金網などを設けることとされています。

(´-`).。oO(1.1 mは結構低いよ…。)


◆ 非常用進入口


  1. 建築物の高さが31m以下で、3階以上の階には “非常用進入口” を設けます。
  2. 進入口は、道または道路に通ずる幅員4 m以上の空地(公園・広場など)のいずれかに面する各階の外壁面に設けます。
  3. 進入口またはその周辺には、赤色灯を設けること。または赤色反射塗料による正三角形の表示を行います。

◆ 非常用の昇降機


  1. 高さが31 mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けることとなっています。
  2. 非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置数が31 mを超える階の最大床面積に応じて定められています。
  3. 非常用エレベーター乗降ロビーで構成され、それぞれ構造が定められています。

非常用エレベーター


  • エレベーターのかご、出入口の寸法およびかごの積載荷重が定められています。
  • かご呼び戻し装置(乗降ロビーおよび非常用エレベーターのかご内に設けられた通常の制御装置の機能を停止させ、かごを避難階またはその直上階もしくは直下階に呼び戻す装置)を設けます。
  • 避難階またはその直上階もしくは直下階の乗降ロビーおよび中央管理室のいずれにおいても操作できることと決まっています。
  • かごのドアスイッチ機能を停止させ、かごの戸を開いたまま昇降できる装置を設けます。
  • かご内と中央管理室で通話ができることとされています。
  • 予備電源を設けることになっています。

乗降ロビー


  • 避難階以外の各階に設け、屋内と連絡します。
  • 床面積は、非常用エレベーター1台につき、10 ㎡以上とすることとされています。
  • 窓・排煙設備出入口を除き “耐火構造” の壁および床で囲むことになっています。
  • 特別避難階段の階段室に通ずる出入口、昇降路の出入口以外の出入口は、常時閉鎖式特定防火設備または随時閉鎖および煙感知による自動閉鎖ができ遮煙性能を有するものとすることと定められています。
  • 天井および壁は、仕上げ及び下地ともに不燃材料とします。
  • バルコニーとして乗降ロビーを開放するか排煙用の窓または排煙設備を設けます。
  • 予備電源のある照明装置を設けること。
  • 屋内消火栓連結送水管の放水口および非常用コンセント等の消防用設備などを設置できることと定められています。