第27条〔取扱いの基準〕


法第十条第三項の危険物の取扱いの技術上の基準は、第二十四条及び第二十五条に定めるもののほか、この条の定めるところによる。

 

2 危険物の取扱のうち製造の技術上の基準は、次のとおりとする。

  • 一 蒸留工程においては、危険物を取り扱う設備の内部圧力の変動等により、液体、蒸気又はガスが漏れないようにすること。
  • 二 抽出工程においては、抽出罐かんの内圧が異常に上昇しないようにすること。
  • 三 乾燥工程においては、危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱し、又は乾燥すること。
  • 四 粉砕工程においては、危険物の粉末が著しく浮遊し、又は危険物の粉末が著しく機械器具等に附着している状態で当該機械器具等を取り扱わないこと。

 

3 危険物の取扱のうち詰替の技術上の基準は、次のとおりとする。

  • 一 危険物を容器に詰め替える場合は、総務省令で定めるところにより収納すること。
  • 二 危険物を詰め替える場合は、防火上安全な場所で行うこと。

 

4 危険物の取扱のうち消費の技術上の基準は、次のとおりとする。

  • 一 吹付塗装作業は、防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行うこと。
  • 二 焼入れ作業は、危険物が危険な温度に達しないようにして行うこと。
  • 三 染色又は洗浄の作業は、可燃性の蒸気の換気をよくして行うとともに、廃液をみだりに放置しないで安全に処置すること。
  • 四 バーナーを使用する場合においては、バーナーの逆火を防ぎ、かつ、危険物があふれないようにすること。

 

5 危険物の取扱のうち廃棄の技術上の基準は、次のとおりとする。

  • 一 焼却する場合は、安全な場所で、かつ、燃焼又は爆発によつて他に危害又は損害を及ぼすおそれのない方法で行うとともに、見張人をつけること。
  • 二 埋没する場合は、危険物の性質に応じ、安全な場所で行うこと。
  • 三 危険物は、海中又は水中に流出させ、又は投下しないこと。ただし、他に危害又は損害を及ぼすおそれのないとき、又は災害の発生を防止するための適当な措置を講じたときは、この限りでない。

 

6 第二項から前項までに定めるもののほか、危険物の取扱いの技術上の基準は、次のとおりとする。

 

一 給油取扱所(第十七条第三項第一号から第三号までに掲げるもの及び顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所を除く。)における取扱いの基準

  • イ 自動車等に給油するときは、固定給油設備を使用して直接給油すること。
  • ロ 自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること。
  • ハ 自動車等の一部又は全部が給油空地からはみ出たままで給油しないこと。
  • ニ 固定注油設備から灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定されたタンクに注入するときは、容器又は車両の一部若しくは全部が注油空地からはみ出たままで灯油を容器に詰め替え、又は車両に固定されたタンクに注入しないこと。
  • ホ 移動貯蔵タンクから専用タンク又は廃油タンク等に危険物を注入するときは、移動タンク貯蔵所を専用タンク又は廃油タンク等の注入口の付近に停車させること。
  • ヘ 給油取扱所に専用タンク又は簡易タンクがある場合において、当該タンクに危険物を注入するときは、当該タンクに接続する固定給油設備又は固定注油設備の使用を中止するとともに、自動車等を当該タンクの注入口に近づけないこと。
  • ト 固定給油設備又は固定注油設備には、当該固定給油設備又は固定注油設備に接続する専用タンク又は簡易タンクの配管以外のものによつて、危険物を注入しないこと。
  • チ 自動車等に給油するときその他の総務省令で定めるときは、固定給油設備又は専用タンクの注入口若しくは通気管の周囲で総務省令で定める部分においては、他の自動車等が駐車することを禁止するとともに、自動車等の点検若しくは整備又は洗浄を行わないこと。
  • リ 第十七条第二項第九号の総務省令で定める空地には、自動車等が駐車又は停車することを禁止するとともに、避難上支障となる物件を置かないこと。
  • ヌ 第十七条第二項第九号ただし書に該当する屋内給油取扱所において専用タンクに危険物を注入するときは、可燃性の蒸気の放出を防止するため、総務省令で定めるところにより行うこと。
  • ル 自動車等の洗浄を行う場合は、引火点を有する液体の洗剤を使用しないこと。
  • ヲ 物品の販売その他の総務省令で定める業務は、総務省令で定める場合を除き、第十七条第一項第十七号の建築物(屋内給油取扱所にあつては、建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分)の一階(総務省令で定める部分を除く。)のみで行うこと。
  • ワ 給油の業務が行われていないときは、係員以外の者を出入させないため必要な措置を講ずること。
  • カ 顧客に自ら自動車等に給油させ、又は灯油若しくは軽油を容器に詰め替えさせ、若しくは車両に固定されたタンクに注入させないこと。

 

一の二 第十七条第三項第一号から第三号までに掲げる給油取扱所における取扱いの基準は、前号(イ、ハ及びトを除く。)の規定の例によるほか、総務省令で定めるところによること。

 

一の三 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所における取扱いの基準は、第一号(カを除く。)の規定の例によるほか、総務省令で定めるところによること。

 

二 第一種販売取扱所及び第二種販売取扱所における取扱いの基準

  • イ 危険物は、次条に規定する容器に収納し、かつ、容器入りのままで販売すること。
  • ロ 第一種販売取扱所及び第二種販売取扱所においては、塗料類その他の総務省令で定める危険物を第十八条第一項第九号で定める室で配合する場合を除き、危険物の配合又は詰替えを行わないこと。

 

三 移送取扱所における取扱いの基準

  • イ 危険物の移送は、危険物を移送するための配管及びポンプ並びにこれらに附属する設備(危険物を運搬する船舶からの陸上への危険物の移送の取扱いを行う移送取扱所にあつては、危険物を移送するための配管及びこれに附属する設備。ロにおいて同じ。)の安全を確認した後に開始すること。
  • ロ 危険物の移送中は、移送する危険物の圧力及び流量を常に監視し、並びに一日に一回以上、危険物を移送するための配管及びポンプ並びにこれらに附属する設備の安全を確認するための巡視を行うこと。
  • ハ 移送取扱所を設置する地域について、地震を感知し、又は地震の情報を得た場合には、直ちに、総務省令で定めるところにより、災害の発生又は拡大を防止するため必要な措置を講ずること。

 

四 移動タンク貯蔵所(積載式移動タンク貯蔵所を除く。)における取扱いの基準

  • イ 移動貯蔵タンクから危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクに液体の危険物を注入するときは、当該タンクの注入口に移動貯蔵タンクの注入ホースを緊結すること。ただし、総務省令で定めるところにより、総務省令で定めるタンクに引火点が40℃以上の第四類の危険物を注入するときは、この限りでない。
  • ロ 移動貯蔵タンクから液体の危険物を容器に詰め替えないこと。ただし、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める容器に引火点が40℃以上の第四類の危険物を詰め替えるときは、この限りでない。
  • ハ ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物を移動貯蔵タンクに入れ、又は移動貯蔵タンクから出すときは、総務省令で定めるところにより当該移動貯蔵タンクを接地すること。
  • ニ 移動貯蔵タンクから危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクに引火点が40℃未満の危険物を注入するときは、移動タンク貯蔵所の原動機を停止させること。
  • ホ ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物を移動貯蔵タンクにその上部から注入するときは、注入管を用いるとともに、当該注入管の先端を移動貯蔵タンクの底部に着けること。
  • ヘ ガソリンを貯蔵していた移動貯蔵タンクに灯油若しくは軽油を注入するとき、又は灯油若しくは軽油を貯蔵していた移動貯蔵タンクにガソリンを注入するときは、総務省令で定めるところにより、静電気等による災害を防止するための措置を講ずること。

 

五 積載式移動タンク貯蔵所における取扱いの基準は、前号ロからヘまでの規定の例によるほか、総務省令で定めるところによること。

 

7 アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、アセトアルデヒド、酸化プロピレンその他の総務省令で定める危険物又は第四類の危険物のうちメタノール若しくはエタノール若しくはこれらを含有するものの取扱いの技術上の基準は、前各項に定めるもののほか、当該危険物の性質に応じ、総務省令で定める。