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誤報対応時に気になったCRE(終端抵抗)の中身

CRE 終端抵抗 ニッタン
ブラックボックスに包まれたCREのアタマ…。

Aokipediaに…ではなく、Wikipediaでブラックボックスについて調べてみると以下のような書き出しとなっています。🌐✨

 

ブラックボックス (Black box) とは、内部の動作原理や構造を理解していなくても、外部から見た機能や使い方のみを知っていれば十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念。転じて、内部機構を見ることができないよう密閉された機械装置を指してこう呼ぶ。』

 

ワケも分からず『しーあーるいー、しーあーるいー』とニッタン社製の抵抗であるCREを呼び、使用しておりましたが、コイツのアタマであるブラックボックスの中身って一体…と思いましたから、以下に分解した結果を紹介させて頂きます。( `ー´)ノ🔎🧠

空き回線の警戒窓が発報…⁉


誤報調査の依頼がありましたので、現地に行きますと受信機防排煙の警戒窓が発報していました。🎆

 

発報 空き回線 受信機
受信機の防排煙警戒窓三つ目が発報…⁉
歴史ある説明書で感知器発報の場合と確認
歴史ある説明書で感知器発報の場合と確認…!

当該警戒窓には何も記載が無いことから “空き回線” であると見て間違いないのですが、それなら本来は発報しないはずです。🚨

 

✍(´-`).。oO(警戒窓の文字が消えていたり脱落していたりするパターンもありますが…、、このタイプでそれは無いかと…。。)

 

受信機を開けて、内部の状況を見てみましょう。👀♪

CRE(終端抵抗)で空き回線処理が…


端子台間にニッタン社のCRE(終端抵抗)が接続
端子台間にニッタン社のCRE(終端抵抗)が接続。

“終端抵抗” について詳しくは前ブログ “自動火災報知設備の配線工事方法~感知器編~” をご参照頂きたいのですが、要は感知器回路の最後尾だよ!という合図となる電気的な壁です。✋🤖⚡

 

その電気的な壁がスタート地点である受信機の端子台に直接接続されているという事は、使用しない空き回線に対して行う処理であり、感知器が接続されていない回路ですから、本来発報するはずがないのです。((((;゚Д゚))))💡

 

しかし、空き回線や感知器等に異常のない回線で誤報することもあり、その際は受信機の基盤が故障しているという事で、受信機交換のご提案をさせて頂くのですが、一つ気になることが…。🎡


ニッタン社のCREの仕組みって…


一般的な感知器の終端抵抗は “抵抗まる出し” なのですが、ニッタン社さん独自の終端抵抗であるCREは見た目通りブラックボックスに包まれており『もしかしたら…このブラックボックスの中で導通して発報したんじゃないの‥?』という疑いの念が生じました。💭

 

ニッタン社独自の終端抵抗であるCRE
左上:一般的な感知器抵抗 右:ニッタン社のCRE
CRE 終端抵抗 ニッタン
CRE君、貴方も抵抗なんですよね…⁉

本来、端子台の+と-の間の壁となる終端抵抗が、逆に+と-を繋げて短絡させて発報させている張本人だとしたら…このCRE氏への疑惑を晴らすためにも、中身を知っておく必要がありそうです。🕵✨

ブラックボックス壊してみた


ニッパーでCRE(終端抵抗)のアタマをパツン
ニッパーでCRE(終端抵抗)のアタマをパツン…!
CRE 中身 樹脂 終端抵抗
透明の樹脂みたいなもので覆われていました…。

ブラックボックスを丁寧に取り除く
ブラックボックスを丁寧に取り除いていきます…。
コンデンサと小さい抵抗が現れました
コンデンサと小さい抵抗が現れました…!!

抵抗とコンデンサが…!


無惨に分解されたCRE(終端抵抗)
無惨に分解されたCRE(終端抵抗)…。

いやシンプル!…わざわざブラックボックスに入れなくてもいいのではないかと思いますが、色々事情があるのでしょう。💰

 

そして、分解する前にニッタン社さんのホームページを見ておれば普通にCREの機器図と回路図があってコンデンサと抵抗で構成されているという情報は得られたのですが、やはり人間という生き物は未知の事柄に対して厳しい対応をしてしまう様です。🙈🙊🙉

 

いずれにせよ『コイツは電流を通す可能性がある』という重大な事実が分かりました。🔋

 

以下に、その理由を軽く述べていきます。💬


CREの回路


ブラックボックス内の回路は、以下の通り構成されていました。🔌

 

CRE(終端抵抗)の回路図
CRE(終端抵抗)の回路図。

分解したときは『直列かな…⁉』と思いましたが、機器図にはしっかり並列の回路図が載っていましたので助かりました。📃笑

 

通常、終端抵抗は10kΩなどの容量のものを使用していますが、CRE回路の抵抗については20Ωと数値が小さい代わりに4.7µFというコンデンサが接続されています。💎

 

コンデンサには静電容量というものがあり、直流だと一定量の電荷を食べてすぐお腹いっぱいになり、壁になるんです。🍳

 

その為、コンデンサには直流は通さないという性質があることは、電験三種などの “お勉強” でもお馴染みでして、過渡現象辺りに触れたことがある方は理解が早いかと思います。📖✨


コンデンサが壊れると…


CRE コンデンサ 導通 短絡
CREのコンデンサが壊れると…。

ところが直流を通さないコンデンサは壊れやがりまして、不良品で無くても経年劣化等で故障することが報告されており、要は寿命がある部品になります。👼

 

そして、コンデンサという電気的な壁が崩壊してしまうと、断線ではなく、その回路が導通することとなります。⚡

 

よって、受信機内において+と-を接続しているような状態になり、短絡が起こると結論付けられます。(;´Д`)💔

 

つまり今回の誤報は、CRE(終端抵抗)の劣化という不具合でも起こり得る症状であるという訳です。📦


復旧レバーを下げたら…⁉


ところがどっこい、復旧レバーを下げたら火災発報していた警戒窓の赤いランプが消灯してしまいました。((((;゚Д゚))))💣

 

受信機警報窓の赤いランプ表示
受信機警報窓の赤いランプ表示が…。

もし、CRE(終端抵抗)の劣化に伴う導通で短絡していたのであれば、復旧しても再び発報するはずです。🚨

 

その為、本件は受信機の基盤不良による誤報であった可能性が高いと言えそうです。💯

 

✍(´-`).。oO(思い返せば、過去に(7)項 学校や(12)項 工場の誤報調査・改修工事の際に…、、CREを交換したら治ったという案件は経験していましたね…。。)

 

やはり、何事もブラックボックスに包まれたままでは、思考が捗らないみたいです、また一つ学びを得ました。📺✨


まとめ


  • 誤報調査時に受信機防排煙の空き回線に設定されており感知器がついていない警戒窓が発報していた。✅
  • ニッタン社製のCREという静電容量を検出するタイプの終端抵抗のブラックボックス部分で導通したのではないかと疑い、分解して中身の構造を確認した。✅
  • CREはコンデンサと抵抗の並列回路から成っておりコンデンサの絶縁不良で導通した可能性も考えられたが、受信機の復旧レバーを下げたら通常監視に戻ったので基板の故障である可能性が高いと結論付けられた。✅

参考資料


ダウンロード
ニッタンCRE終端器.pdf
PDFファイル 22.5 KB
ダウンロード
ニッタンCRE機器図.pdf
PDFファイル 31.2 KB

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コメント: 1
  • #1

    tmhr (水曜日, 19 6月 2019 12:34)

    いつも、参考になる記事をありがとうございます。終端抵抗にも「通常」の抵抗と、CREなるものがあることは、初めて知りました。この「通常」と「CRE」の使い分けは、何か理由があるのでしょうか。CREの方が信頼性が高い?のでしょうか・・・