第5 加圧送水装置等


加圧送水装置等は、令第12条第2項第5号及び第6号並びに規則第13条の6第2項第2号及び第4号並びに規則第14条第1項第5号、第8号、第11号の2及び第13号の規定によるほか、次による。 

 

1. 増圧給水装置における消防法令の適用範囲


常用の給水装置において、増圧のために用いられている増圧給水装置(ブースターポンプ)は、特定施設水道連結型スプリンクラー設備の加圧送水装置として、消防法令の適用は受けない。ただし、常用水道を使用する場合は作動せず、特定施設水道連結型スプリンクラー設備の作動時のみ作動する増圧給水装置(ブースターポンプ)は除くものとする。

 

2. 設置場所


屋内消火栓設備の基準(第4.1)を準用する。なお、消防法令の適用を受けない増圧給水装置(ブースターポンプ)にあっても同様に措置することが望ましいこと。

 

3. 加圧送水装置及び付属装置


(1) ポンプを用いる加圧送水装置及び付属装置は、次によること。なお、消防法令の適用を受けない増圧給水装置(ブースターポンプ)にあっても同様とすること。

  • ア ポンプの吐出量 

(ア) 規則第13条の6第2項第2号及び第4号に規定する最大の放水区域とは、ヘッドが4(4未満の場合は当該数)以上設置されている居室とすること(図1、2及び3) 

 

ケース1、ケース2


最大の放水区域の考え方 特定施設水道連結型スプリンクラー設備
図1 最大の放水区域の考え方

 

ケース1(共用室で4つのヘッドを設置する場合)又はケース2(水源から最も遠い個室で1つのヘッドを設置する場合) 

 

ケース1とケース2の場合を計算し、最も圧力が必要となる場合に有効に放水する性能を求めること

 

ケース3


最大の放水区域の考え方 特定施設水道連結型スプリンクラー設備
図2 最大の放水区域の考え方

 

ケース3(共用室で4つのヘッドを設置する場合)の場合を計算し、有効に放水する性能を求めること 

 

ケース4、ケース5


最大の放水区域の考え方 特定施設水道連結型スプリンクラー設備
図3 最大の放水区域の考え方

 

ケース4(共用室で4つのヘッドを設置する場合)又はケース5(水源から最も遠いキッチンで1つのヘッドを設置する場合) 

 

ケース4とケース5の場合を計算し、最も圧力が必要となる場合に有効に放水する性能を求めること

 

(イ) 末端の放水区域に設けられるヘッドにおいても必要量が確保されていること 

  • イ ポンプの全揚程 

ポンプの必要全揚程の算定は、次によること 

(ア) 配管の単位摩擦損失水頭は、使用する配管の種類及び呼びに応じ、第9章「配管の摩擦損失水頭の基準」によること。

なお、摩擦損失計算は水道法令の規定によるウェストンの式の計算でも差し支えないものであること 

 

(イ) 摩擦損失計算は、最大の放水区域のいずれの部分においても、ヘッド1個あたり15ℓ 毎分(内装制限を準不燃材料以外の材料でした場合にあっては、30ℓ 毎分)の水量が流れるものとして行うことができる。なお、末端の放水区域に設けられるヘッドにおいても必要揚程が確保されていること 

  • ウ ポンプの設計

ポンプの設計にあたっては、他の給水用具(水栓等)を閉栓した状態での作動を想定すること

 

4 制御盤


屋内消火栓設備の基準(第4.4)を準用する。なお、消防法令の適用を受けない増圧給水装置(ブースターポンプ)に用いる制御盤にあっても同様に措置することが望ましいこと

 

5 起動表示


屋内消火栓設備の基準(第4.6)を準用する。なお、消防法令の適用を受ける加圧送水装置に限り適用するものであること

 

6 警報装置の表示


屋内消火栓設備の基準(第4.7)を準用する。なお、消防法令の適用を受ける加圧送水装置に限り適用するものであること