第9 ヘッドの設置方法


ヘッドは、令第12条第2項並びに規則第13条の2第13条の3及び第13条の5の規定によるほか、次により設ける。この場合において、規則第13条第3項第6号に規定する場所は、直接外気に開放されている面からおおむね5m未満の部分が該当するものとする。

 

1 設置位置


  • (1) ヘッドの水平方向(傾斜した天井等に取り付ける場合にあっては、横方向)に散水障害となるものがあり、当該散水障害となるものの下端以上の位置に取り付ける場合にあっては、当該ヘッドのデフレクターの位置が次の表に適合するように設けること。ただし、当該ヘッドの放水圧力における散水形状から判断し、散水障害とならないと認められる場合又は散水障害を受ける部分に別個にヘッドを設置する場合は、この限りでない。
H(cm) D(cm)
10以下 75以上
10を超え15以下 100〃
15を超える 150〃

 

H:散水障害となるものの下端から、ヘッドのデフレクターまでの垂直距離

 

D:散水障害となるものの側面からヘッドの中心までの水平距離

 


  • (2) パーティーション等の簡易間仕切の上部は、ヘッドとの間に垂直距離60cm以上の間隔を持たせること。ただし、散水障害を受けるおそれのある部分に別個にヘッドを設置する場合は、この限りでない。
  • (3) 小区画型ヘッドを同一の宿泊室等に2以上設置する場合は、ヘッド相互の設置間隔が3m以下とならないように設けること。ただし、当該ヘッドの放水圧力における散水形状から判断し、隣接するヘッドの感熱部を濡らすおそれがないと認められる場合、被水防止措置を講じたヘッドを用いる場合又は遮水のためのたれ壁などを設けた場合は、この限りでない。
  • (4) 常時開放式の防火戸の付近にヘッドを設ける場合は、当該防火戸と接触するおそれのない位置に設けること。
  • (5) ヘッドは、換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離れた位置に設けること。ただし、当該換気口等の吹出し方向が、火災の感知に障害とならないように固定されている場合又は自動火災報知設備等の作動により空調設備を自動停止できる場合は、この限りでない。
  • (6) ヘッドは、地震時にヘッドの感熱部が天井ボードと接触、衝突しないように、感熱部を天井ボードより下方に設けること。
  • (7) 押入又は3.3㎡以下の物入(以下この節において「押入等」という。)のヘッドの設置については、原則として押入等の上段部分に1個以上設置すること。ただし、壁及び天井が不燃材料で造られ、かつ、押入等の開口部が面する室内に設けられるヘッドで有効に包含されているものにあっては、ヘッドを設置しないことができる(図1-3-1)。
押入等のヘッドを省略できる場合 スプリンクラー設備
図1-3-1 押入等のヘッドを省略できる場合
押入等のヘッドが省略できない場合 スプリンクラー設備
図1-3-1 押入等のヘッドが省略できない場合
  • (8) 天井面下部に給排気ダクト、ケーブルラック、ルーバー等(以下「ダクト等」という。)散水障害となるものがある場合、日本消防検定協会の特定機器評価を受けた感熱開放継手を、当該評価結果に基づき設置するときは、ダクト等の下部に開放型ヘッドを設置することができる。
  • (9) 規則第13条の3第2項第1号に規定する「宿泊室等」には、宿泊室、病室、談話室、娯楽室、居間、寝室、教養室、休憩室、面会室、休養室等が含まれるものであること。

2 種別の異なるヘッドの設置


閉鎖型ヘッドのうち種別の異なるヘッド(放水量、感度の種別等)は、同一区画(壁等で区画された部分をいう。)内に設置しないこと。