第14 特例基準


閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分のうち、次のいずれかに該当するものについては、令第32条又は条例第47条の規定を適用し、それぞれ当該各項に定めるところによる。 

  • 1 屋内消火栓設備の基準(第12.1((6)を除く。)又は7)に適合するものについては、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しないことができる。
  • 2 耐火構造の壁及び床又は特定防火設備である防火戸(建基令第112条第1項に規定する特定防火設備である防火戸をいう。以下同じ。)若しくはこれと同等以上のもので区画された金庫室等については、ヘッドを設置しないことができる。
  • 3 物入、押入又はSK室のうち、床面積が1平方メートル未満の部分については、ヘッドを設置しないことができる。
  • 4 冷蔵室又は冷凍室で次のいずれかに適合するものにはヘッドを設置しないことができる。 

(1) 不燃材料の壁、床及び扉で区画された床面積が100平方メートル以下のもので次に適合するもの 

  1. ア 収容物は、不燃性の物品又は生鮮食品等出火のおそれが少ないものであること
  2. イ 冷蔵室又は冷凍室の温度に異常が生じたときに、防災センター等に当該異常を表示し、かつ、警報を発する装置が設けられていること。
  3. ウ イによる移報用電気配線は、規則第12条第1項第5号の規定の例によること 

(2) 耐火構造又は準耐火構造の壁、床及び特定防火設備である防火戸で区画されたもので次に適合するもの 

  1. ア 収容物は、不燃性の物品又は生鮮食品等出火のおそれが少ないものであること
  2. イ 火気使用その他出火危険がないこと
  3. ウ 区画に用いる特定防火設備である防火戸は、スプリンクラー設備の有効範囲内であること
  4. エ 冷蔵室又は冷凍室の壁、床及び天井の断熱材及びその押えが、次のいずれかに適合すること 

(ア) 壁体及び天井の断熱材料に、石綿、ロックウール又はグラスウールその他の不燃材料を使用し、かつ、これらの押えを不燃材料でしたもの 

 

(イ) 断熱材料を、コンクリート若しくはモルタル(塗厚さが2センチメートル以上のものに限る。)又はこれらと同等以上の防火性能を有するもので覆い、かつ、当該断熱材料に着火のおそれのない構造としたもの 

  • 5 駐車場にいたる傾斜路(スロープ)で、次に該当するものについては、ヘッドを設置しないことができる。 

(1) 壁、床及び天井を耐火構造とし、かつ、壁及び天井(天井のない場合にあっては屋根)の仕上げを不燃材料としたものであること 

 

(2) 駐車の用に供する部分とは、随時閉鎖することができ、かつ、感知器の作動と連動して閉鎖する防火戸により区画されていること 

 

(3) 煙の充満するおそれが少ないものであること 

 

(4) 屋内消火栓設備又は補助散水栓の有効範囲内であること 

  • 6 直接外気に開放されている車寄せ等の部分(規則第13条第3項第6号に該当する部分を除く。)で、次に該当するものについては、ヘッドを設置しないことができる。 

(1) 通行・運搬の用途のみに供されるものであること 

 

(2) 主要構造部が耐火構造であり、かつ、壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の仕上げを不燃材料としたものであること

 

(3) 屋内消火栓設備又は補助散水栓の有効範囲内であること 

  • 7 第5節の放水型ヘッド等を用いるスプリンクラー設備が設置された高天井の部分に隣接する部分で、当該部分の床面が当該放水型ヘッド等により有効に包含される場合は、ヘッドを設置しないことができる。
  • 8 仮設建築物で、屋内消火栓設備の基準(第12.2.(1)から(4)まで)に適合するものについては、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しないことができる。
  • 9 自動警報装置は、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動する放送設備(音響装置を付加したものに限る。)により警報を発することができる場合にあっては、規則第14条第1項第4号の規定にかかわらず音響警報装置を設けないことができる。
  • 10 規則第13条の2第4項第1号ロの規定により、その下面にヘッドを設けなければならないとされるダクト等のうち、次に適合するものについてはその上部にヘッドを設けないことができる。 

(1) ダクト等を取り付ける床又は壁が不燃材料で造られていること 

 

(2) ダクト等(ダクトにあっては被覆材料を含む。)が不燃材料で造られ、かつ、その上部に可燃物が存置されていないこと 

  • 11 流水検知装置の技術上の規格を定める省令第12条の規定に基づき基準の特例を受けている予作動式流水検知装置(湿式等)を用いるスプリンクラー設備にあっては、水源の水量等を算定する際は規則第13条の6第1項に規定する「乾式又は予作動式の流水検知装置」として取り扱わないことができる。
  • 12 「火炎伝走防止用消火装置の構造、材質、性能及び設置の基準」(昭和59年大阪市(消)告示第44号)により、厨房設備に付属する排気ダクト及びフードに火炎伝走防止用消火装置が設置され、かつ、レンジ及びフライヤー等厨房設備を包含するように消火装置が設置されている場合にあっては、当該装置の有効範囲内について、ヘッドを設置しないことができる。
  • 13 ガス充てん所の製造施設のうち、屋内消火栓設備の基準(第12.13又は14)に適合するものについては、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しないことができる。
  • 14 令第12条第1項第1号に掲げる防火対象物のうち、その一部に住宅の用途に供される部分が存するものであって、次に適合する場合にあっては、住宅部分に閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備を設置しないことができる。 

(1) 主要構造部が、準耐火構造であること 

 

(2) 防火対象物全体に、消火器及び自動火災報知設備が令第10条及び第21条の技術上の基準に従い設置されていること。また、住宅部分の居室(押入等の収納設備を除く。)に、規則第23条第4項第1号ニに掲げる場所を除き、煙感知器が設置されていること 

 

(3) 自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動する消防機関へ通報する火災報知設備が令第23条の技術上の基準に従い設置されていること 

 

(4) 住宅部分(階段及び通路等の共有部分を除く。以下同じ。)の同一階及び上階に住宅部分以外の部分(以下「非住宅部分」という。以下同じ。)が存しないこと。ただし、住宅部分と非住宅部分が同一階の場合で、それぞれの部分が準耐火構造の壁及び床で区画され、その開口部に防火設備(随時開くことができる自動閉鎖装置付きのもの又は随時閉鎖することができ、かつ、煙感知器の作動と連動して閉鎖するものに限る。)が設置されている等、有効に防火措置がされていると認められる場合はこの限りでない。 

  • 15 可動式ブース(天井及び壁に囲われたブースで、防火対象物の床や壁に固定(工具等で容易に取り外すことができるものを除く。)されておらず、人が出入りして利用するものをいう。以下同じ。)で、次に該当するものについては、ヘッドを設置しないことができる。 

(1) 可動式ブースの床面積が3㎡以下であること 

 

(2) 可動式ブースの天井及び壁が不燃材料で仕上げられていること 

 

(3) 可動式ブース外部から当該ブース内で発生した火災を目視等で確認できること

 

(4) 可動式ブース内で火災が発生しても確実に消火できることが消火実験等により確認されている住宅用下方放出型自動消火装置(「住宅用下方放出型自動消火装置の性能及び設置の基準について」(平成6年3月9日付け消防予第53号。消防庁予防課長通知)に定める基準に適合するものに限る。以下同じ。)が設置されていること 

 

(5) (4)の住宅用下方放出型自動消火装置は、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型の点検基準(該当する点検項目に限る。)に準じた点検が定期的に実施され、適切に維持管理されていること 

  • 16 消火器具の基準(第4.6)に適合するものについては、住戸ごとにそれぞれ別の防火対象物とみなし令第12条の規定を適用することができる。