第2 水源


水源は、令第27条第3項の規定によるほか、次による。

ただし、3.(2)にあっては、令第27条第3項第1号中「地盤面の高さから4.5m以内の部分」の規定は適用しない。 

 

1 種類


2 水量等


屋内消火栓設備の基準(第3.2)を準用するほか、1個の消防用水の有効水量は40㎥以上とすること。

 

3 構造


その設置場所に応じ、次の(1)から(3)までに定めるところによるほか、水槽等を用いる場合は、屋内消火栓設備の基準(第3.3)を準用する。

なお、全ての消防用水は、法第21条の規定に基づく指定消防水利とすることが望ましいこと 

 

(1) 地盤面下4.5m以内の部分に設けるものは、原則として吸管投入孔を次により設けること。

ただし、吸管投入孔が設けられない場合は採水口及び配管とすることができる。 

  • ア 吸管投入孔を設ける場合は、次によること 

(ア) 大きさは、直径60cm以上の円が内接することができるものとすること 

 

(イ) 設置個数は、1個の消防用水ごとに、その規定水量が60㎥以下のものにあっては1個以上、80㎥以上のものにあっては2個以上とすること 

 

(ウ) 空調用蓄熱槽にあっては、水温の低い部分に設けること 

 

(エ) 取水部分の水深が0.5m以上であること 

  • イ 採水口及び配管を設ける場合は、次によること 

(ア) 採水口は、消防用ホースに使用する差込式又はねじ式の結合金具及び消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令(平成25年総務省令第23号。以下「結合金具規格省令」という。)に規定する呼称75Aのめねじに適合する単口形のものとすること。

なお、一般社団法人日本消防放水器具工業会の自主認定を受けたものについては、結合金具規格省令に適合するものとして取り扱って差し支えないこと 

 

(イ) 採水口の設置数は、1個の消防用水ごとに、その規定水量に応じ、次表によること 

規定水量 20㎥

40㎥以上

100㎥以下

120㎥
採水口の数 1個以上 2個以上 3個以上

 

(ウ) 採水口は、地盤面からの高さが0.5m以上1m以下の位置に設けること 

 

(エ) 配管は、規則第12条第1項第6号ニ((ロ)を除く。)、ホ((ロ)を除く。)及びト並びに第9号の規定の例によるほか、次によること 

  • A 配管は、採水口1個ごとの単独配管とすること
  • B 管径は、管の呼びで100mm以上とすること
  • C 管長は、配管等の摩擦損失水頭と落差の合計が4.5mとなるまでの長さとすること。この場合における配管等の摩擦損失水頭は、次によること

(a) 配管の単位摩擦損失水頭は、使用する配管の種類及び呼びに応じ、第9章「配管の摩擦損失水頭の基準」によること 

 

(b) 流量は、1,100ℓ毎分とすること 

 

(c) 採水口の摩擦損失水頭は、2mとすること 

 

  • D 吸水口には、ろ過装置を設けること
  • E 空調用蓄熱槽にあっては、吸水口を水温の低い部分に設けること
  • F 腐食防止措置は、屋内消火栓設備の基準(第5.6)を準用すること 

 

(2) 地盤面下4.5mを超える部分に設けるものは、加圧送水装置及び採水口等を、次により設けること 

  • ア 設置場所 

加圧送水装置の設置場所は、令第11条第3項第1号ホの規定の例によるほか、屋内消火栓設備の基準(第4.1)を準用すること 

  • イ 加圧送水装置 

加圧送水装置には専用のポンプ及び電動機を用いるものとし、規則第12条第1項第7号ハ(ハ)、(ホ)から(チ)まで、ニ及びヘ並びに第9号の規定の例によるほか、次によること 

 

(ア) ポンプの吐出量 

ポンプの吐出量は、1個の消防用水ごとにその規定水量に応じ、次の表に定める量以上の量とすること

規定水量 20㎥

40㎥以上

100㎥以下

120㎥
採水口の数 1,100ℓ/min

2,200ℓ/min

3,300ℓ/min

(イ) ポンプの全揚程 

ポンプの必要全揚程を算定する際には、次によること 

  • A 採水口における吐出圧力が、0.1㎫以上となるものとすること
  • B 配管等の摩擦損失水頭は、(1).イ.(エ).C.(a)及び(c)によるほか、採水口1個あたり1,100ℓ毎分の水量が流れるものとすること 

(ウ) 付属装置 

呼水装置を、規則第12条第1項第3号の2の規定の例により設けるものとするほか、屋内消火栓設備の基準(第4.2.(3).エ)を準用すること 

 

(エ) 水中ポンプ 

屋内消火栓設備の基準(第4.2.(3).オ)を準用すること 

 

(オ) 制御盤 

屋内消火栓設備の基準(第4.4)を準用すること 

 

(カ) 起動装置 

加圧送水装置は、次のいずれの方法によっても起動できるものとすること。なお、採水口の位置からの遠隔操作により起動することもできるものとして差し支えないものとする。 

  • A ポンプ制御盤における直接操作
  • B 防災センター等からの遠隔操作 

(キ) 起動表示 

屋内消火栓設備の基準(第4.6)を準用すること 

 

(ク) 警報装置の表示 

屋内消火栓設備の基準(第4.7)を準用すること 

  • ウ 採水口は、次によること 

(ア) (1).イ.(イ)及び(ウ)の例によるほか、採水口は、結合金具規格省令に規定する呼称65の差し口に適合する単口形のものとすること。なお、一般社団法人日本消防放水器具工業会の自主認定を受けたものについては、結合金具規格省令に適合するものとして取り扱って差し支えないこと 

 

(イ) 採水口は、採水口の位置において開閉弁の操作が行える構造とすること 

 

(ウ) 採水口の直近には、加圧送水装置の起動方法等を明示した標識を設けること 

  • エ 配管 

配管は、(1).イ.(エ).E及びF並びに、規則第12条第1項第6号(イ、ニ(ロ)、ホ(ロ)及びヘを除く。)及び第9号の規定の例によるほか、屋内消火栓設備の基準(第5(2、3、7及び8を除く。))を準用することとし、次によること 

 

(ア) 配管は、専用とすること 

 

(イ) 管径は、採水口が2個以下の場合にあっては管の呼びで100mm以上、

 

3個以上の場合にあっては同じく125mm以上とすること 

  • オ 連絡装置 

各採水口と防災センター等との間で直接通話することのできる連絡装置を設けること。

なお、当該連絡装置について、非常電話と兼用する場合は「非常電話」又は「連絡装置」と表示し、連絡装置のみの場合は「連絡装置」と表示すること 

  • カ 非常電源及び配線 

非常電源及び配線は、規則第12条第1項第4号、第5号及び第9号の規定の例により設けるものとするほか、第6章「非常電源の基準」によること

 

消防用水、連結散水設備及び連結送水管の非常電源回路等は、それぞれ図6-17、18及び19の例により、非常電源から電動機の入力端子までを耐火配線、操作(起動)回路、表示灯回路及び連絡装置を耐火配線又は耐熱配線とすること。

図6-17 消防用水(加圧送水装置を用いるもの)の非常電源回路等
図6-17 消防用水(加圧送水装置を用いるもの)の非常電源回路等
  • キ 総合操作盤 

規則第12条第1項第8号イ、ロ又はハに掲げる防火対象物に設置されるものにあっては、総合操作盤を同条第1項第8号の規定の例により設けるものとするほか、第7章「総合操作盤の基準」によること 

 

(3) 地盤面より高い部分に設けるものは、採水口及び配管を、次により設けること 

  • ア 採水口の位置において、正圧となるもの 

(ア) 採水口 

(2).ウの例によること 

 

(イ) 配管 

(2).エの例によるほか、取水口には、ろ過装置を設けること 

  • イ 採水口の位置において、傾斜地等により負圧となるもの 

(ア) 採水口 

(1).イ.(ア)、(イ)及び(ウ)の例によること 

 

(イ) 配管 

 

(1).イ.(エ)の例によること