第3 設置場所及び設置方法


漏電火災警報器の設置場所及び設置方法は、令第22条第2項及び規則第24条の3の規定によるほか、次による。 

 

1 漏電火災警報器を設置してはならない場所


漏電火災警報器は、次に掲げる場所に設置してはならない。ただし、防護措置を施したものを設置する場合は、この限りでない。 

  • (1) 可燃性蒸気、可燃性ガス、可燃性粉じん等が多量に滞留するおそれのある場所
  • (2) 火薬類を製造し、貯蔵し、又は取り扱う場所
  • (3) 腐食性の蒸気、ガス等が多量に発生するおそれのある場所
  • (4) 湿度の高い場所
  • (5) 温度変化の激しい場所
  • (6) 振動が激しく、機械的損傷を受けるおそれのある場所
  • (7) 大電流回路、高周波発生回路からの影響を受けるおそれのある場所

 

2 電気の引込線を共用し、かつ引込線の接続点から負荷側の配線が需要家財産である場合


同一敷地内に管理について権原を有する者が同一の者である建築物が2以上近接している場合(令第8条又は第9条の規定により1の防火対象物とみなされる部分が2以上ある場合を含む。)において、当該建築物が電気の引込線を共用し、かつ、引込線の接続点から負荷側の配線が需要家財産であるものは、当該共用する引込線に1個の漏電火災警報器を設置すれば足りる(図2-3-1)。

 

同一敷地内に管理について権原を有する者が同一の者である建築物が2以上近接している防火対象物の配置例
図2-3-1 防火対象物の配置例
同一敷地内に設置対象物が2以上ある場合における漏電火災警報器の設置例
図2-3-1 同一敷地内に設置対象物が2以上ある場合における漏電火災警報器の設置例

3 高周波による誘導障害が発生するおそれがある場合


高周波による誘導障害が発生するおそれがある場合は、次に掲げる措置を講じるものとする。

 

(1) 誘導防止用コンデンサを、受信機の変流器接続用端子及び操作電源端子に入れること 

 

(2) 変流器の二次側配線は、次によること 

  • ア 配線にはシールドケーブルを使用するか、配線相互間を密着して設けること
  • イ 配線こう長をできる限り短くすること
  • ウ 大電流回路からできる限り離隔すること 

(3) その他必要に応じ静電誘導防止、電磁誘導防止等の措置を講じること

 

4 変流器の定格電流値


変流器の定格電流値は、次による。 

  • (1) 警戒電路に設ける場合は、当該警戒電路における負荷電流(せん頭負荷電流を除く。)の総和としての最大負荷電流値以上とすること
  • (2) 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号)及び「電気設備の技術基準の解釈」(2013 0215 商局第4号)(以下「電気設備技術基準省令等」という。)に定めるB種接地工事における接地線(以下「B種接地線」という。)に設ける場合は、当該警戒電路の定格電圧の数値の20%に相当する数値以上の電流値とすること

 

5変流器の設置位置


変流器は、防火対象物に電力を供給する電路の引込部の外壁等に近接した電路又はB種接地線に図2-3-2の例により設けるものとする。

 

変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例①
変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例②
変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例③
変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例④
変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例⑤
変流器の設置位置例 漏電火災警報設備
図2-3-2 変流器の設置位置例⑥

6 変流器を屋外の電路に設ける場合


変流器を屋外の電路に設ける場合は、屋外型のものを設けるものとする。

ただし、防水上有効な措置を講じた場合にあっては、この限りでない。

 

7 受信機及び変流器が互換性型のもの


受信機及び変流器が互換性型のものにあっては、表示された型式の変流器と、非互換性型のものにあっては同一製造番号のものとそれぞれ組み合せて設置するものとする。 

 

8 音響装置を別置する場合の当該音響装置


音響装置を別置する場合の当該音響装置については、漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令(平成25年総務省令第24号)に適合すること。

なお、日本消防検定協会の品質評価を受けたものについては、当該省令に適合するものとして取り扱って差し支えないこと。

 

9 変流器又は受信機の金属製外箱


定格電圧が60Vを超える変流器又は受信機の金属製外箱は、原則として接地工事を施すものとする。

 

10 受信機の設置場所


受信機は屋内の点検の容易な場所に設けるものとする。

 

11 検出漏えい電流設定値


検出漏えい電流設定値は、警戒電路の負荷電流、使用電線、電線こう長等を考慮し、変流 器を警戒電路に設けるものにあっては、100mAから400mA、B種接地線に設けるものにあっては、400mAから800mAを標準として、誤報が生じない範囲内に設定するものとする。