第3 受信機


受信機は、規則第24条第2号、第6号から第8号まで及び第24条の2第1号の規定によるほか、次による。 

 

1 温度若しくは湿度が高い場所又は衝撃、震動等が激しい場所その他受信機の機能に影響を与える場所には設けないものとする。 

 

2 操作上障害とならないよう、図2-1-1の例により有効な空間を確保するものとする。

自立型の場合 受信機の保有空間
図2-1-1 自立型の場合
壁掛け型の場合 受信機の保有空間
図2-1-1 壁掛け型の場合

【注】

1 背面又は側面に扉等がないものは、受信機の操作に支障のない範囲内で背面又は側面の空間を省略することができる。 

 

2 操作上及び点検上支障にならない場合は、図中の数値以下とすることができる。 

 

3 地震等の震動による障害がないよう堅ろうに、かつ、傾きのないように設置するものとする。 

 

4 受信機を設置した場所には、見やすい箇所に、受信機を設置した場所である旨(「火災受信所」等)が表示されていること。 

 

5 規則第24条第2号ホ(ロ)に規定する「室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所」とは、次に掲げる場所をいう。 

  • (1) ダンスホール、ディスコ、ライブハウス、コンサートホール、パチンコ店舗等で室内の音響が大きいため、他の音響が聞き取りにくい場所
  • (2) カラオケボックス等で、壁、防音設備等により室外の音響が聞き取りにくい場所 

6 規則第24条第2号ホ(ロ)に規定する「当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること」とは、次に適合するものとする。 

 

(1) 任意の場所で65デシベル以上の警報音を確保すること 

 

(2) 暗騒音(店内BGM等やパチンコ台による音響)が65デシベル以上ある場合は、次のいずれかの措置又はこれと同等以上の効果のある措置を講ずること 

  • ア 音響装置の音圧が、当該場所における暗騒音より6デシベル以上強くなるよう確保されていること。
  • イ 自動火災報知設備の作動と連動して、音響装置の音以外の音を自動的に停止又は低減(音響装置の音圧が暗騒音より6デシベル以上強くなるよう確保されているものをいう。以下同じ。)し、又は常時人がいる場所に受信機又は火災表示盤等を設置することにより、音響装置が鳴動した場合に音響装置以外の音を手動で停止又は低減できるものであること。ただし、常時人がいる場所に火災が発生した際の音響装置以外の音の停止方法、避難誘導及び火災通報等のマニュアルを掲示したものに限る。 

(3) (2)の「これと同等以上の効果のある措置」とは、現場の状況に応じ、次のような措置を組み合わせることにより対応するものをいう。 

  • ア 警報音について、聞き取りやすい音色を選択すること
  • イ 従業員によるマイク放送(音圧は(1)の例による。)及び拡声器等を用いた迅速な避難誘導を実施すること。
  • ウ 音以外の手段により、補完的に火災を報知すること(自動火災報知設備の作動と連動して、フラッシュライトを点滅させる等) 

7 規則第24条第2号トに規定する「受信機のある場所相互間で同時に通話することができる設備」とは、次に適合するものとする。

 

(1) 機器は、次のいずれかであること 

  • ア インターホン
  • イ 非常電話
  • ウ T型発信機
  • エ 構内電話で非常用の割り込みができる機能を有するもの又はこれと同等のもの 

(2) 次の機能を有すること 

  • ア 1の送受機を取り上げる方式又は選局スイッチを操作する方式等簡易な方法により、自動的に他の機器への発信が可能なものであること 
  • イ 1の送受機の発信により、他方の機器への呼出し音が鳴動すること。なお、表示装置が設けられているものは、当該表示が有効に点灯するものであること。 
  • ウ 常用電源の停電時にも使用できるものであること。ただし、乾電池式のインターホンにあっては、電池交換の表示又は警報がでるものに限る。 

(3) 受信機の付近で容易に操作できる位置に設けること。

 

8 1棟の防火対象物は、原則として当該棟に設置する受信機で監視するものであること。ただし、次のいずれかに該当するものについては、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 同一敷地内に2以上の棟がある場合で次に適合するよう措置されているときは、各棟の受信機を、当該敷地内で火災対応を速やかに行うことができる棟に集中して設置することができる(図2-1-2)。 

  • ア 各棟には副受信機を設置すること(受信機を設置する棟を除く。)。ただし、無人の棟等で次に適合する場合は設置しないことができる。 

(ア) 火災発生位置が、現場で容易に確認できる状況であること。

 

(イ) 副受信機を設けない棟には、当該棟の見やすい位置に受信機の設置場所を掲示すること。

  • イ 受信機と副受信機の間に、7の例により相互に通話できる設備を設置すること。
  • ウ 受信機においては、当該受信機により警戒する棟が明確に表示されていること。
同一敷地内に2以上の棟がある場合の受信機設置位置
図2-1-2 同一敷地内に2以上の棟がある場合の受信機設置位置

(2) 同一敷地内に2以上の棟がある場合で次に適合するときは、当該敷地内で火災対応を速やかに行うことができる棟に設置する1の受信機で当該敷地内の棟を管理することができる。なお、鳴動方式は全棟一斉鳴動とすること 

  • ア 「立入検査実施規程」(昭和55年12月22日消防長達第9号)第2条第9号に規定する検査対象物の業態が、令別表第1(7)項に掲げる用途に区分されるものであること。
  • イ 当該敷地内の全ての棟が規則第24条第5号ハ又は第5号の2ロに規定する規模でないこと。

9 放送設備が設置されている防火対象物にあっては、放送設備の操作部に近接して受信機を設けるものとする。

 

10 表示窓には、警戒区域、名称等を適正に記入するものとする。

 

11 受信機の付近には、予備電球、予備ヒューズ、取扱説明書、受信機回路図及び予備品交換に必要な特殊工具等の付属品を備えるものとする。

 

12 受信機の1の移報端子に複数の防災関連機器等を接続しないこと。また、接続した移報端子には接続機器名称等を表示するとともに、適正な接続、配線工事等を行うこと。