第25条の2〔非常警報設備に関する基準〕


令第二十四条第五項の総務省令で定める放送設備は、非常ベル又は自動式サイレンと同等以上の音響を発する装置を附加した放送設備とする。

 

2 非常警報設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。

 

一 非常ベル又は自動式サイレンの音響装置は、次のイからハまでに定めるところにより設けること。

 

イ 音圧又は音色は、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。

  • (イ) 取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で90dB以上であること。
  • (ロ) 非常ベル又は自動式サイレンの音響装置を、ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合にあつては、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること。
  • (ハ) 令別表第一(二)項ニ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物のうち、遊興のためにヘッドホン、イヤホンその他これに類する物品を客に利用させる役務の用に供する個室があるものにあつては、当該役務を提供している間においても、当該個室において警報音を確実に聞き取ることができるように措置されていること。

ロ 地階を除く階数が五以上で延べ面積が3,000㎡を超える防火対象物にあっては、出火階が、二階以上の階の場合にあっては出火階及びその直上階、一階の場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階の場合にあっては出火階、その直上階及びその他の地階に限つて警報を発することができるものであること。

この場合において、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には、当該設備を設置した防火対象物又はその部分の全区域に自動的に警報を発するように措置されていること。

 

ハ 各階ごとに、その階の各部分から一の音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けること。

 

二 防火対象物の十一階以上の階、地下三階以下の階又は令別表第一(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物に設ける放送設備の起動装置に、防災センター等と通話することができる装置を付置すること。ただし、起動装置を非常電話とする場合にあっては、この限りでない。

 

二の二 非常警報設備の起動装置は、次のイからニまでに定めるところにより設けること。

  • イ 各階ごとに、その階の各部分から一の起動装置までの歩行距離が50m以下となるように設けること。
  • ロ 床面からの高さが0.8m以上1.5m以下の箇所に設けること。
  • ハ 起動装置の直近の箇所に表示灯を設けること。
  • ニ 表示灯は、赤色の灯火で、取付け面と15°以上の角度となる方向に沿って10m離れた所から点灯していることが容易に識別できるものであること。

三 放送設備は、次のイ及びロ又はハ並びにニからヲまでに定めるところにより設けること。

 

イ スピーカーの音圧又は音色は、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによる。

  • (イ) 次の表の上欄に掲げる種類に応じ、取り付けられたスピーカーから1m離れた位置で同表下欄に掲げる大きさであること。
種類
音圧の大きさ
L級
92dB以上
M級
87dB以上92dB未満
S級
84dB以上87dB未満
  • (ロ) スピーカーを、ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合にあっては、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること。
  • (ハ) 令別表第一(二)項ニ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物のうち、遊興のためにヘッドホン、イヤホンその他これに類する物品を客に利用させる役務の用に供する個室があるものにあっては、当該役務を提供している間においても、当該個室において警報音を確実に聞き取ることができるように措置されていること。

ロ スピーカーの設置は、次に定めるところによること。

  • (イ) スピーカーは、階段又は傾斜路以外の場所に設置する場合、100㎡を超える放送区域(防火対象物の二以上の階にわたらず、かつ、床、壁又は戸(障子、ふすま等遮音性能の著しく低いものを除く。)で区画された部分をいう。以下(ロ)において同じ。)に設置するものにあってはL級のもの、50㎡を超え100㎡以下の放送区域に設置するものにあってはL級又はM級のもの、50㎡以下の放送区域に設置するものにあってはL級、M級又はS級のものを設けること。
  • (ロ) スピーカーは、(イ)に規定する場所に設置する場合、放送区域ごとに、当該放送区域の各部分から一のスピーカーまでの水平距離が10m以下となるように設けること。ただし、居室及び居室から地上に通じる主たる廊下その他の通路にあっては6㎡以下、その他の部分にあっては30㎡以下の放送区域については、当該放送区域の各部分から隣接する他の放送区域に設置されたスピーカーまでの水平距離が8m以下となるように設けられているときは、スピーカーを設けないことができるものとする。
  • (ハ) スピーカーは、階段又は傾斜路に設置する場合、垂直距離15mにつきL級のものを一個以上設けること。

ハ スピーカーの音圧又は音色及び設置は、次に定めるところによること。

  • (イ) スピーカーは、階段又は傾斜路以外の場所に設置する場合、放送区域ごとに、次の式により求めた音圧レベルが当該放送区域の床面からの高さが1mの箇所において75dB以上となるように設けること。

P=P+10log10(Q/4πr2+{4(1―α)/Sα}

Pは、音圧レベル(単位 デシベル)

pは、スピーカーの音響パワーレベル(単位 デシベル)

Qは、スピーカーの指向係数

rは、当該箇所からスピーカーまでの距離(単位 メートル)

αは、放送区域の平均吸音率

Sは、放送区域の壁、床及び天井又は屋根の面積の合計(単位 平方メートル)

  • (ロ) スピーカーは、階段又は傾斜路以外の場所に設置する場合であって、当該放送区域の残響時間が3秒以上となるときは、当該放送区域の床面からの高さが1mの箇所から一のスピーカーまでの距離が次の式により求めた値以下となるように設けること。

r=(3/4)√(QSα/π(1-α))

rは、当該箇所からスピーカーまでの距離(単位 メートル)

Qは、スピーカーの指向係数

Sは、放送区域の壁、床及び天井又は屋根の面積の合計(単位 平方メートル)

αは、放送区域の平均吸音率

  • (ハ) スピーカーは、階段又は傾斜路に設置する場合、垂直距離15mにつきL級のものを一個以上設けること。
  • (ニ) スピーカーを、ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合にあっては、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること。

ニ 音量調整器を設ける場合は、三線式配線とすること。

 

ホ 操作部及び遠隔操作器の操作スイツチは、床面からの高さが0.8m(いすに座って操作するものにあっては0.6m)以上1.5m以下の箇所に設けること。

 

ヘ 操作部及び遠隔操作器は、起動装置又は自動火災報知設備の作動と連動して、当該起動装置又は自動火災報知設備の作動した階又は区域を表示できるものであること。

 

ト 増幅器、操作部及び遠隔操作器は点検に便利で、かつ、防火上有効な措置を講じた位置に設けること。

 

チ 出火階が、二階以上の階の場合にあっては出火階及びその直上階、一階の場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階の場合にあっては出火階、その直上階及びその他の地階に限つて警報を発することができるものであること。

この場合において、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には、当該設備を設置した防火対象物又はその部分の全区域に自動的に警報を発するように措置されていること。

 

リ 他の設備と共用するものにあっては、火災の際非常警報以外の放送(地震動予報等に係る放送(気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)第十三条の規定により気象庁が行う同法第二条第四項第二号に規定する地震動についての同条第六項に規定する予報及び同条第七項に規定する警報、気象業務法施行規則(昭和二十七年運輸省令第百一号)第十条の二第一号イに規定する予報資料若しくは同法第十七条第一項の許可を受けた者が行う地震動についての予報を受信し又はこれらに関する情報を入手した場合に行うものをいう。)であつて、これに要する時間が短時間であり、かつ、火災の発生を有効に報知することを妨げないものを除く。)を遮断できる機構を有するものであること。

 

ヌ 他の電気回路によつて誘導障害が生じないように設けること。

 

ル 操作部又は遠隔操作器のうち一のものは、防災センター等に設けること。

ただし、第六号において準用する第十二条第一項第八号の規定により総合操作盤が設けられている場合にあっては、この限りでない。

 

ヲ 一の防火対象物に二以上の操作部又は遠隔操作器が設けられているときは、これらの操作部又は遠隔操作器のある場所相互間で同時に通話することができる設備を設けており、かつ、いずれの操作部又は遠隔操作器からも当該防火対象物の全区域に火災を報知することができるものであること。

 

四 配線は、電気工作物に係る法令の規定によるほか、次のイからホまでに定めるところにより設けること。

  • イ 電源回路と大地との間及び電源回路の配線相互の間の絶縁抵抗は、直流250Vの絶縁抵抗計で計って値が、電源回路の対地電圧が150V以下の場合は0.1MΩ以上、電源回路の対地電圧が150Vを超える場合は0.2MΩ以上であること。
  • ロ 配線に使用する電線とその他の電線とは同一の管、ダクト若しくは線ぴ又はプルボックス等の中に設けないこと。ただし、いずれも60V以下の弱電流回路に使用する電線であるときは、この限りでない。
  • ハ 火災により一の階のスピーカー又はスピーカーの配線が短絡又は断線しても、他の階への火災の報知に支障がないように設けること。
  • ニ 操作部若しくは起動装置からスピーカー若しくは音響装置まで又は増幅器若しくは操作部から遠隔操作器までの配線は、第十二条第一項第五号の規定に準じて設けること。
  • ホ 非常警報設備の電源は、第二十四条第三号の規定の例により設けること。

五 非常電源は、第二十四条第四号の規定に準じて設けること。

 

六 第十二条第一項第八号の規定は、非常警報設備について準用する。

 

3 非常警報設備は、前二項に定めるもののほか、消防庁長官が定める基準に適合するものでなければならない。

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