第32条の2〔共有する基準〕


少量危険物の貯蔵及び取扱いのすべてに共通する技術上の基準は、次のとおりとする。

 

(1) ためます又は油分離装置にたまつた危険物は、あふれないように随時くみ上げること


(2) 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所においては、当該危険物の性質に応じ、遮光又は換気を行うこと


(3) 危険物は、温度計、湿度計、圧力計その他の計器を監視して、当該危険物の性質に応じた適正な温度、湿度又は圧力を保つように貯蔵し、又は取り扱うこと


(4) 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合は、危険物の変質、異物の混入等により、当該危険物の危険性が増大しないように必要な措置を講ずること


(5) 危険物が残存し、又は残存しているおそれがある設備、機械器具、容器等を修理する場合は、安全な場所において、危険物を完全に除去した後に行うこと


(6) 可燃性の液体、可燃性の蒸気若しくは可燃性のガスが漏れ、若しくは滞留するおそれのある場所又は可燃性の微粉が著しく浮遊するおそれのある場所においては、火花を発する機械器具、工具、履物等を使用しないこと


(7) 危険物を保護液中に保存する場合は、当該危険物が保護液から露出しないようにすること


(8) 危険物その他の物品との接触又は混合により発火するおそれのある危険物は、それらに近接して置かないこと。ただし、接触又は混合しないような措置を講じた場合は、この限りでない。


(9) 危険物を加熱し、又は乾燥する場合は、危険物の温度が局部的に上昇しない方法で行うこと


(10) 危険物を詰め替える場合は、防火上安全な場所において行うこと


(11) 吹付塗装作業は、防火上有効な隔壁で区画された場所等安全な場所において行うこと


(12) 焼入れ作業は、危険物が危険な温度に達しないようにして行うこと


(13) 染色又は洗浄の作業は、可燃性の蒸気の換気をよくして行うとともに、廃液をみだりに放置しないで安全に処理すること


(14) バーナーを使用する場合は、バーナーの逆火を防ぎ、かつ、危険物があふれないようにすること


(15) 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所において工事を行う場合は、工事を行う者に火災予防上必要な指示を与えるとともに、事故防止のために必要な措置を講ずること


(16) 危険物を容器に収納し、又は詰め替える場合は、次によること

  • ア 固体の危険物にあっては危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第 55 号。以下危険物規則という。)別表第3、液体の危険物にあっては危険物規則別表第3の2の危険物の類別及び危険等級の別の項に掲げる危険物について、これらの表において適応するものとされる内装容器(内装容器の容器の種類の項が空欄のものにあつては、外装容器)又はこれと同等以上であると認められる容器(以下この号において内装容器等という。)に適合する容器に収納し、又は詰め替えるとともに、温度変化等により危険物が漏れないように容器を密封して収納すること
  • イ 内装容器等には、見やすい箇所に危険物規則第39条の3第2項から第6項までの規定の例による表示をすること

(17) 危険物を収納した容器を積み重ねて貯蔵する場合は、高さ3m(法別表第1第4類の危険物のうち第3石油類及び第4石油類を収納した容器のみを積み重ねる場合にあっては、4m)を超えて積み重ねないこと

 

少量危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備のすべてに共通する技術上の基準は、次のとおりとする。

 

(1) 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所には、見やすい箇所に危険物を貯蔵し、又は取り扱つている旨を表示した標識並びに危険物の類、品名及び最大数量を掲示した掲示板を設けるとともに、移動タンク(危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクのうち車両に固定されたタンクをいう。以下同じ。)以外の場所にあつては、防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること

 

(2) 危険物を取り扱う機械器具その他の設備は、危険物の漏れ、あふれ又は飛散を防止することができる造とすること。ただし、当該設備に危険物の漏れ、あふれ又は飛散による災害を防止するための附帯設備を設けたときは、この限りでない。

 

(3) 危険物を加熱し、若しくは冷却する設備又は危険物の取扱いに伴って温度の変化が起こる設備には、適切な温度測定装置を設けること

 

(4) 危険物を加熱し、又は乾燥する設備は、直火を用いない構造とすること。ただし、当該設備が防火上安全な場所に設けられているとき又は当該設備に火災を防止するための附帯設備を設けたときは、この限りでない。

 

(5) 危険物を加圧する設備又はその取り扱う危険物の圧力が上昇するおそれのある設備には、圧力計及び有効な安全装置を設けること

 

(6) 引火性の熱媒体を使用する設備は、その各部分を熱媒体又はその蒸気が漏れない構造とするとともに、当該設備に設ける安全装置は、熱媒体又はその蒸気を火災予防上安全な場所に導く構造とすること

 

(7) 電気設備は、電気工作物に係る法令の規定によること

 

(8) 危険物を取り扱うに当たつて静電気が発生するおそれのある設備には、当該設備に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設けること

 

(9) 危険物を取り扱う配管は、次によること

  • ア 配管は、その設置される条件及び使用される状況に照らして十分な強度を有するものとし、かつ、当該配管に係る最大常用圧力の 1.5倍以上の圧力で水圧試験その他の方法において漏えい等の異常がないものであること
  • イ 配管は、取り扱う危険物により容易に劣化するおそれのないものであること
  • ウ 配管は、火災等による熱によって容易に変形するおそれのないものであること。ただし、当該配管が地下その他の火災等による熱により悪影響を受けるおそれのない場所に設置されるときは、この限りでない。
  • エ 配管には、外面の腐食を防止するための措置を講ずること。ただし、当該配管が設置される条件の下で腐食するおそれのないものであるときは、この限りでない。
  • オ 配管を地下に設置する場合は、配管の接合部分(溶接その他危険物の漏えいのおそれがないと認められる方法により接合されたものを除く。)について当該接合部分からの危険物の漏えいを点検することができる措置を講ずること
  • カ 配管を地下に設置する場合は、その上部の地盤面にかかる重量が当該配管にかからないように保護すること

(10) アセトアルデヒド若しくは酸化プロピレン又はこれらのいずれかを含有する危険物を貯蔵し、又は取り扱う設備には、燃焼性混合気体の生成による爆発を防止するため不活性の気体又は水蒸気を封入する措置を講ずるとともに、当該設備は、銅、マグネシウム、銀及び水銀又はこれらを成分とする合金で造らないこと