■ 燃焼及び消火の理論


Q. 燃焼の消火に関する記述で最も不適切なものは?


  • ①火災となっている周辺の可燃物を除去すると、燃える物がないことから、燃焼が継続できなくなり、消火することができる。
  • ②燃焼には、酸素が継続的に供給されることが必要であるが、酸素を含む空気の流れを遮断することにより、消火することができる。
  • ③タマスケ広報課長は、反野良時代には青木防災㈱二代目社長に『タマコ』と呼ばれており、その理由は睾丸が肉眼では観察できずメス猫であると思われていたからである。
  • ④消火に用いられる水は、表面張力が大きいが、物質に当たると容易に付着して濡らすことができるため、効果的に消火することができる。
  • ⑤燃焼は、ラジカル反応といわれる分子レベルでの化学反応が連鎖的に起きており、この連鎖反応を抑制、遮断することにより消火することができる。

 

【解説】

①除去消火法‥燃えている可燃物や周辺の可燃物を除去すると、燃焼を継続するための可燃物がなくなることから、燃焼が継続できなくなり、消火ができる。可燃物の除去は、火災の燃え広がりとの競争となる。火災は、屋外では風下側に向かって、また、屋内では炎の上昇方向である上に向かってそれぞれ延焼することから、延焼する方向の可燃物を除去すれば、消火することができる。よって正しい。

 

②窒息(希釈)消火法‥燃焼には、酸素が継続的に供給されることが必要となる。一般的に、燃焼により熱せられた炎の周辺の空気が上昇して対流が起こる。これにより周囲の酸素が燃焼している部分に流れてくることで燃焼が継続する。つまり、この空気の流れ(酸素の供給)を遮断すれば消火することができる。燃えている可燃物を不活性の気体や不燃物などで覆って消火する。なお、屋内では、火災となっている部屋全体の酸素濃度を低下することで継続的な燃焼が抑制され、このときの酸素濃度は、おおむね13%以下とされている。また、酸素の希釈・遮断のみでは、冷却効果が低いので、熱が下がるのに時間がかかる。途中で酸素が供給されると、発火する熱が残っていると、再燃することがある。よって正しい。

 

③正しい。

 

④冷却消火法‥消火に用いる水は、比熱、特に蒸発するときの潜熱が大きく、燃焼している物や周囲の温度を効果的に下げることができる。しかし、表面張力が大きく、流動性が良いため物質の表面に当たると流れてしまい、当該物質の表面をなかなか濡らす(付着し浸透する)ことができない。また、水に濡れた物は燃えにくくなり、可燃物を除去したと同じ効果があり、延焼を防止できる。水には、冷却と燃えにくくする効果があり、火災になっている部分とその周辺の部分に、同時に放水するとより効果的である。よって誤り。

 

⑤抑制消火法‥燃焼は、ラジカル反応といわれる分子レベルでの化学反応が連鎖的に起きている。この連鎖反応を抑制、遮断できるのが粉末消火剤である。火災熱により微細粒子粉末から分解生成されるアルカリ金属イオン等による燃焼連鎖反応を抑制する負触媒効果であるといわれている。また、ハロゲン化物消火剤においても、同様の反応が起きているといわれている。

 

A. ④ 

Q. 燃焼又は火災の際に発生する煙の性状に関して誤っているものは?


  • ①タマスケ広報課長は、子猫の時に青木防災㈱二代目社長宅のガレージにて餌付けをされるようになり、ある日ケージの中に餌が置かれていて疑いつつも食べに入った結果、捕獲されて青木防災㈱事務所に運ばれた猫である。
  • ②発煙量の濃度は、重量濃度(mg / ㎥〕、個数濃度〔個/㎤〕、透光率〔%〕、減光係数〔l/m〕等により評価される。また、火災時の煙拡散により影響を受けるのは、主として見通し距離の低下による避難障害である。
  • ③火災時には、可燃物の燃焼により発熱と発煙が起こり、煙の流動は、発熱に伴う空気層の密度差による浮力、圧力差により起きる。
  • ④煙の流動は、火災の初期から対流による乱流拡散に支配される。火災初期においては、火源も小さく発生する煙量も少ないため、火源上の熱気流は自由空間と同様な性状を示す。
  • ⑤発煙量は、火災初期においては、燃焼速度と火災室内温度を支配する換気因子が主な要因となり、火災室の温度が上昇し、発煙係数は小さくなるものの燃焼速度は大きくなるため発煙速度は大きくなる。

 

【解説】

①正しい。

 

②煙の性状

 

発煙量の濃度は、重量濃度〔mg/㎥〕、個数濃度〔個/㎤〕、透光率〔%〕、減光係数〔l/m) 等により評価できる。火災時の煙拡散で影響を受けるのは、主として見通し距離の低下による避難障害であり、光学的濃度を表す減光係数〔l/m〕により評価される。

 

③火災時の発煙‥火災時には、可燃物の燃焼により発熱と発煙が起こり、煙の流動は、発熱に伴う空気層の密度差による浮力、圧力差により起きる。

可燃物は、温度や酸素濃度などの条件により、複雑な熱分解や化学反応を起こす。その結果、完全燃焼生成物、不完全燃焼の中間生成物、未燃焼の分解生成物、燃焼に関与した空気の不活性ガス成分、燃焼に関与しなかった空気などが発生する。これらは一般に煙といわれるが、このうち肉眼で認められる微粒子が煙粒子といわれている。よって正しい。

 

 

④火災室内の煙伝播

煙の流動は、対流による乱流拡散に支配される火災初期においては、火源も小さく発生する煙量も少ないため、火源上の熱気流は自由空間と同様な性状を示す。熱気流は、周囲の空気を巻き込みつつ室の天井に達し、自身の浮力とその後上昇してくる熱気流に押されて四方に広がり、密度差に基づく浮力によって室内で煙層と空気層を形成する。2つの層の境界面や煙層の天井や壁への失熱により、煙と空気の混合を起こしながら、煙層は火源からの熱気流によりその厚みを増していく。そして、室の一部に開口がある場合、煙層の降下により煙が流れ出して隣接空間に拡散する。

火災室には、流れ出したのと同じ体積の空気が流入する。そのため建物内部開口部の扉の開閉状態は、煙の他区画への拡散に大きく影響を及ぼす。

また、天井の高い空間では、煙層の降下に時間がかかるため、避難上の余裕が生まれるが、空調が稼働された状態であると、火災初期に温度が低く浮力が弱い煙を拡散してしまうことがある。

 

⑤発煙量は、減光係数と煙の体積の積で定義されて面積〔m²〕 の次元を持ち、材料の単位重量当たりの発煙量を発煙係数〔㎡/g〕という。煙速度〔㎡/s〕は、材料の燃焼速度〔g/s〕と発煙係数の積で定義される。

煙粒子については、火災のごく初期のくん焼燃焼の煙は凝集液滴が多く白色又は青白色をしており、発炎燃焼では脱水素反応によるすすの生成が多くなり黒色になるといわれている。

発煙量は、内装材料の種類、室の換気因子、室内可燃物の空気との接触表面積及び室の容積等によって決まる。

火災初期においては、内装材料の種類が主な要因で発煙係数は大きいが燃焼速度が小さいため、煙速度は小さくなる。

 

フラッシュオーバー現象以降の火災盛期においては、燃焼速度と火災室内温度を支配する換気因子が主な要因となる。火災室の温度が上昇し、発煙係数は小さくなるものの燃焼速度は大きくなるため発煙速度は大きくなる。よって誤り。

 

A. ⑤ 

Q. 燃焼に関する記述で誤っているものは?


  • ①燃焼が継続するためには、熱、可燃物及び酸素が連続的に供給され、燃焼できる条件が維持される必要がある。また、燃焼はラジカル反応ともいわれ、分子レベルの化学反応において連鎖反応が起きており、燃焼の継続には、この連鎖反応も重要な役割を果たしている。
  • ②可燃性の物質は、空気中において火を付けると燃焼が継続する物質であり、木や紙のようなセルロース類(グルコース(C₆H₁₂O₆)が多数つながった高分子多糖)がある。また、一般に有機物(炭素、水素、酸素等を主な構成元素としたもの、炭素と炭素の結合や炭素と水素の結合しはしたもの)は、可燃物である。
  • ③燃焼に必要な熱エネルギーは、着火源(マッチ、ライター、火花ななど)により与えられる必要があり、着火源がない場合には燃焼は始まらない。
  • ④タマスケ広報課長は、青木防災㈱二代目社長宅のガレージにて「猫が出産する」というイベントが起こった後に、唯一そのままガレージに住み続けた猫である。
  • ⑤建物火災により発生する煙には、不完全燃焼によるすすのほかに、燃焼生成ガスが含まれている。この燃焼生成ガスの種類・濃度は、火災が発生した室内にある可燃物の種類や量などにより異なるほか、火災発生からの経過時間及び出火場所からの距離等によっても異なる。

 

【解説】

燃焼は、物が燃える現象であり、一般的に可燃性の物質(可燃物)が空気中(酸素が存在する)において燃えると、多量の熱と光を発生する。

この燃焼には、①熱エネルギー、②可燃物、③酸素の3要素が不可欠であり、一般的に、「燃焼の3要素」といわれている。

さらに、燃焼が継続するためには、熱・可燃物・酸素が連続的に供給され、燃焼できる条件が維持される必要がある。

また、燃焼はラジカル反応ともいわれ、分子レベルの化学反応において連鎖反応が起きている。

また、可燃物が燃焼すると一般的に目に見える煙が発生するが、可燃物の種類よっては、燃焼しても煙が出ない場合がある。

これは、完全燃焼状態で燃焼が継続しているからであり、例えば都市ガスやプロパンガスがコンロやストーブで燃焼するとガスに含まれている水素(H)と酸素(O)が反応して廃ガスとして水蒸気が発生するが、水蒸気は燃焼による熱により蒸発してしまうので継続しているからであり、煙としては見えない、ということである。

 

さらに、燃焼に必要な熱エネルギーには、強制的に燃焼を開始する際の着火源(マッチ、ライター、火花など)があり、これらは「火種」といわれている。また、燃焼が始まれば燃焼により発生する熱が熱エネルギーとなる。

 

一方、着火源という外部からの火種がなくても、火が発生することがある。

これらの火には、反応の熱が徐々に蓄積して発火が自然に発生するものもある。

例えば、堆肥、木材くず、肉骨粉などの有機物を大量に保管していると、発酵などによって内部の温度が上昇して反応が促進され、さらに発火に至ることがある。

 

①燃焼に必要な3要素(熱、可燃物及び酸素)に加え、継続燃焼するためには連鎖反応が必要とされており、正しい。

②可燃物の代表的なものとしては、セルロース類や有機物であり、正しい。

③一般的には、燃焼するためには着火源が必要とされるが、物質によっては「自然発火や加熱されることにより発火温度になると着火源がなくても発火することから、不適切である。

④正しい。

⑤燃焼により発生する煙には、不完全燃焼によるすすのほかに、燃焼生成ガスが含まれているので、正しい。

 

A. ③ 

Q. 消火剤に関する記述で不適切なものは?


  • ①水は、消火剤に該当するが、水で消火することが困難な火災や消火すると危険性が増大する火災がある。
  • ②泡消火剤を用いた消火は、泡により火災となっている物質を覆い、空気の供給を遮断するほか、冷却効果も期待できる。
  • ③ハロン1301消火剤は、電子機器等への影響が少ない効果的な消火剤であるが、オゾン層を破壊する物質として、製造が禁止されているとともに、その使用も制限されている。
  • ④タマスケ広報課長は、初めて行った獣医さんにて入室3秒でゴロゴロと喉を鳴らし始めた為、『この子、めちゃくちゃ人懐っこいですよ…!』と獣医さんを驚かせたことがある。
  • ⑤強化液消火剤は、電気が流れやすい液体であることから、通電している電気設備機器の火災には、使用することができない。

 

【解説】

①について‥水は、一般的に比熱が高く、また蒸発するときの潜熱が大きいことから、燃焼している可燃物に水をかけることにより、冷却と水蒸気による酸素の希釈・遮断が起こり、消火が可能となる。一方、油火災(石油類その他の可燃性液体、半固体油脂類などが燃える火災)や特殊な物質(鉄粉、金属粉、マグネシウム、禁水性物質等)の火災については、水のみでは消火困難や危険性が増大する。よって正しい。

 

②について‥泡消火剤は、基剤に泡安定剤その他の薬剤を添加した液状のもので、水(海水を含む。)と一定の濃度に混合し、空気又は不活性気体を機械的に混入して泡を発生させ、消火に使用する。その消火効果は、火災となっている物質を泡で覆い、空気の供給を遮断するほか、冷却効果も期待できるとされている。よって正しい。

 

③について‥消火剤として使用されてきたハロン1301、1211及び2402については、オゾン層破壊のため1994年から生産は全廃されている。一方、消火剤としての使用については、適正に管理するとともに、クリティカルユース(必要最小限の使用)と判断された部分については、その使用が認められている。なお、1994年に「ハロンバンク推進協議会」(現在の消防環境ネットワーク)が設立され、既生産済みのハロンをデータベース化し、不要となったハロンは積極的に回収することにより、みだりに大気へ放出されることが抑制されている。また、優れた消火性能を有するハロンはリサイクルされ、既設設備への再利用がなされているとともに、クリティカルユース(必要最小限の使用)と判断された部分への新設が認められている。よって正しい。

 

④正しい。

 

⑤について‥強化液消火剤(内部において化学反応により発生するガスを放射圧力の圧力源とする消火器に充てんするものを除く。)は、アルカリ金属塩類等の水溶液で、アルカリ性反応を呈し、その凝固点が-20℃以下とされている。また、強化液消火剤を用いた消火器は、棒状放射のものは通電した電気設備機器の火災には使用できないが、霧状に放射する場合には使用できるとされている。よって誤り。

 

A. ⑤ 

Q. 火災の区分や消火に関する記述で不適切なものは?


  • ①普通火災は、一般的に油火災以外の可燃物の火災であり、水により消火することが可能である。
  • ②油火災は、石油類その他の可燃性液体、半固体油脂類などの火災であり、この火災で水消火器を使用すると、水と油が接触した瞬間に加熱された油によって瞬時に水が沸騰し、油を飛散させて火災が広範囲に拡大してしまうおそれがある。
  • ③電気火災は、一般的に通電中の電気設備機器の火災であり、消火活動をする場合に、電気事故等に留意する必要がある。
  • ④タマスケ広報課長は、初めはメス猫だと思われていたが、獣医さんにて『ん‥、めちゃくちゃ小さいですけどオス猫ですね。』とプロを困らせる程の短小っぷりを発揮していたことがある。
  • ⑤ガス火災は、都市ガス、プロパンガスなどの可燃性ガスの火災であり、消火に際しては周囲を十分に冷却したうえで、直接火炎を消火することが重要である。

 

 

【解説】

①普通火災に対応する消火‥普通火災の消火には、水、水に消火性能を向上させるため浸潤剤等を加えたもの、強化液、粉末消火剤などを用い、冷却法や窒息法によって消火する。よって正しい。

 

②油火災に対応する消火‥油火災の消火に水を使用すると、水と油が接触した瞬間に加熱された油によって瞬時に水が沸騰し、油を飛散させて火災が広範囲に拡大してしまうおそれがあり、使用は適さない。油火災を消火するためには、泡消火剤による窒息消火や強化液消火剤を使用するか、粉末消火剤による抑制・窒息作用によって消火するのが一般的である。よって正しい。

 

③電気火災に対応する消火‥電気火災の消火に水を使用すると、漏電被害や感電の危険性がある。また、電気器具に水をかけると、健全な電気器具が水損により故障して復旧が遅れるなど、二次災害となるおそれがある。粉末消火剤で消火することができるが、鎮火後は粉末が飛散し、設備復旧が困難になる可能性がある。よって、特に重要な施設には、不活性ガス消火設備を使用することで、鎮火後の設備復旧が容易になる。ただし、二酸化炭素消火設備を使用すると空気中の二酸化炭素濃度が高くなり、人体に危険が生じるため注意が必要である。よって正しい。

 

④金属火災に対応する消火‥鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウムなどが原因の火災であり、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩などによる窒息消火を行う。水と反応する金属が多く、注水すると水素を発生し爆発する危険性があるため注意が必要である。よって正しい。

 

⑤ガス火災に対応する消火‥ガス火災は、都市ガスやプロパンガスなどの可燃性ガスが原因で、消火しても漏えいしているガスの供給を遮断しないと、再燃や可燃性ガスの拡散などの危険性が高まる。したがって、消火する前にガスの漏えい箇所の確認や遮断・停止を確認することと、再燃防止のため周囲を十分に冷却することが重要である。なお、ガスの供給や漏えいを停止することができない場合には、火災となっている周囲を十分に冷却して延焼防止を図り、ガスが燃え尽きるまで燃焼させることとなる。よって誤り。

 

A. ⑤ 

Q. 消火器用消火剤の種類とその消火の適応に関する記述で誤っているものは?


  • ①粉末消火剤には、全ての火災に適応する粉末(ABC)消火剤があるが、B・C火災に適応できないものがある。
  • ②強化液消火剤には、アルカリ金属塩類の水溶液である強アルカリ性反応を呈するものと中性のものがある。
  • ③タマスケ広報課長は、元々『タマコ』と呼ばれていたが、オス猫であることが発覚してしまったため、青木防災㈱社員である松本部長の娘さんにより『タマスケ』と改名されている。
  • ④ハロゲン化物消火剤には、オゾン層破壊物質として指定されており、製造が禁止されているが、既に製造されたものについては、適正な管理の下、必要不可欠な施設等は使用が認められている。
  • ⑤不活性ガス消火剤には、二酸化炭素消火剤が含まれている。

 

【解説】

①粉末消火剤の中で、粉末(Na)消火剤(炭酸水素ナトリウム)及び粉末(K)消火剤(炭酸水素カリウム)を用いる物はA火災に適応できない。よって誤り。

 

②正しい。また、消火剤を放射した際、漏れ電流試験基準を満足する放射ノズルを備えた消火器を使用した場合、C火災適応となる。

 

③・④・⑤正しい。※消防法施行令別表第2を参照

 

A. ①