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複合受信機の連動制御盤側が0Vだったトラブルと解決方法

防火戸ラッチ交換時に複合受信機
防火戸ラッチ交換時に複合受信機を見ると‥⁉

複合受信機ってのは「自動火災報知設備の受信機と防排煙設備連動制御盤が合体したヤツ」を指します。✒🍍🍎✒

 

今回、防火戸を固定・有事の際にリリースして閉鎖させる為の "防火戸ラッチ" の交換案件で(7)項 学校に入ったのですが、連動制御盤の電圧が0Vで「早速トラブル発生」という状況でした。🕶💦

  • ☑ 携わっている現場で同じ現象が起こっている

上記の読者を想定して、記事を書き進めていきます!📋✨

◎ (7)項 学校の防火戸ラッチ交換にて‥


壁面に固定できず閉まりっぱなしの防火戸
壁面に固定できず閉まりっぱなしの防火戸‥。

昨今、(7)項 学校の屋内階段に設置されている防火戸は、児童侵入防止の為や防犯?も兼ねてか、放課後に閉められることが多くなりました。🏫( `ー´)ノ🚪

 

一般的な防火戸は頻繁に開閉されることを前提として設計されていない為、それを固定しておく「ラッチ」という部分が繰り返しの脱着でワヤになってしまいます。🤖💦

 

今回もまた同様の現象で「ラッチ」を新しいものに交換するといった "あるある" の案件であり、いつも通り大元の「防排煙設備 連動制御盤」にて動作を停止して作業開始‥と思いきや早速トラブルが発生しやがりました。💔(;´Д`)💨


◎ 防排煙操作部の電源が入ってない!


受信機の場所 自動火災報知設備
いや受信機の場所も見つけにくい位置やナア!
防排煙側の電圧計が0V
防排煙側の電圧計が0Vを指している‥⁉

自火報側の電圧計は正常な値
自火報側の電圧計は正常な値‥。
受信機内にはAC100Vの端子台が各々
受信機内にはAC100Vの端子台が各々‥。

現行の複合受信機については、AC100V端子台1つのみ備えられており専用ブレーカーには「自動火災報知設備 専用」のラベルを貼って表示します。📛

参考:Panasonic施工説明書 P型1級複合受信機

 

◎ パッと脳裏によぎった原因3つ


キュービクル内の専用ブレーカー
キュービクル内に専用ブレーカーある場合も…!

『えッ‥何で!?』と焦る気持ちを落ち着かせて、防排煙側電圧計が0Vな原因について以下のパターンを思いつきました。🧠✨

  • ①電圧計が故障している
  • ②ヒューズがとんでいる
  • ③ブレーカーが落ちている

とりあえず、ブレーカーは見りゃすぐ原因かどうか判断できる為、まずブレーカーを‥と思いきやブレーカー設置場所も不明!🔌💦

 

💡(´-`).。oO(屋上のキュービクル内にあるパターン‥、、だったのかも知れませんが確認する前に解決しました‥。。)


◎ 気になる結果は‥◯◯◯◯!?


渡り線で自火報から防排煙端子台へ電源供給
渡り線で自火報から防排煙端子台へ電源供給‥!

この前の現場から同じく(7)項 学校へ馳せ参じた義平社員に『防排煙側の電圧0Vなんやけど何コレ‥』と伝えたところ、ズンズンと受信機前に向かって到着した瞬間に以下の発言が。👣

  • 👷:『これ "接 触 不 良" ですね。』

AC100Vの端子台に刺さっている電線を見ると、自火報側から防排煙側に「渡り線」で電源供給していることが分かりました。⚡

 

つまり「自火報側が活きているのであれば、そこから防排煙側に渡っている線に不具合がある」ことが自明となのですッ!🧩

 

端子台ネジの増し締めで、電圧が復旧して即解決しました。💯✨


 

ちなみに "接触不良" のトラブルは「無駄に太くて硬い耐火電線と使用していたから」ということが原因として挙げられます。🍌💦

 

自火報の電源及び防排煙の電源に使用するケーブルは一般配線(600Vビニル絶縁電線または同等以上の絶縁性能を有する電線)でよく、耐火電線ましてや1.6~2.0mmより太い電線を使用するのは過剰なのです。💸(;´Д`)💨

参考:防排煙設備における耐熱配線と一般配線の選定

 

このカチコチな電線が曲がり切らず端子台に上手く固定できない(できても浮いてしまう)為、接触不良の原因となっていました。💔

 

法的には一般配線でも良い部分に "耐火" を用いても問題はありませんが、施工上ワルさをする可能性もあるっぽいんで『とりあえず "耐火" 使っときゃ間違いないっしょ!』みたいな思考停止は費用的にも仕上がり的にも不具合アリって話かと。🗿🗿🗿

 

‥ンなわけで、消防法や消防用設備等にハチャメチャ詳しい消防設備士ってのが必要になってくるんです。🧯(´∀`*)ウフフ♪

◎ まとめ


  • "防火戸ラッチ" の交換案件で大元の「防排煙設備 連動制御盤」にて動作を停止して作業開始‥と思いきや電圧が0Vで早速トラブルが発生となっていた。✅
  • 前の現場から同じく(7)項 学校へ馳せ参じた義平社員に『防排煙側の電圧0Vなんやけど何コレ‥』と伝えたところ、ズンズンと受信機前に向かって到着した瞬間に『これ "接 触 不 良" ですね。』と言い放ち、端子台ネジの増し締めで、電圧が復旧して即解決した。✅
  • "接触不良" のトラブルは「無駄に太くて硬い耐火電線と使用していたから」ということが原因として挙げられ、法的には一般配線でも良い部分に "耐火" を用いても問題はありませんが、施工上ワルさをする可能性もあるっぽいんで『とりあえず "耐火" 使っときゃ間違いないっしょ!』みたいな思考停止は費用的にも仕上がり的にも不具合アリって話だった。✅

◎ 参考資料


ダウンロード
Panasonic施工説明書P型1級複合受信機.PDF
PDFファイル 761.8 KB
ダウンロード
防排煙設備における耐熱配線と一般配線の選定.pdf
PDFファイル 553.5 KB

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コメント: 2
  • #1

    りゅう (木曜日, 27 8月 2020 06:42)

    端子のゆるみ、、、危ない

    事故がなくてよかった。

    お時間ある時に
    1つ教えてください。

    例により
    消防試験研究センターのHP
    →ホーム→消防設備士の過去に出題された問題

    →甲種試験

    そこの問7 (特類)

    正しいものいくつあるか?

    答えは1つなんですが

    ア〜エのどれが正しいのか

    また誤りの3つはどうして誤りか
    分かりません(・_・;)

    分かれば教えてくださいm(_ _)m

  • #2

    管理人 (木曜日, 27 8月 2020 11:31)

    >りゅう さん
    コメント有難う御座います!!�✨

    以下、特類の問7です。
    ア 特殊消防用設備等の認定を受けようとする者は、日本消防検定協会または法人であって総務大臣の登録を受けたものが行う性能評価を受けなければならない。
    ⇒○

    イ 特殊消防用設備等の性能評価を受けたものは、評価の基準に従い、設備等設置維持計画を作成しなければならない。
    ⇒✕‥消防法第17条より「防火対象物の関係者」が設備等設置維持計画を作成するとされている。

    ウ 特殊消防用設備等は通常用いる消防用設備等と同等以上の性能を有するものとして、消防長または消防署長が指定したものをいう。
    ⇒✕‥消防法第17条より、同等以上の性能を有するものとして「総務大臣の認定を受けたもの」と謳われています。

    エ 日本消防検定協会または総務大臣の登録を受けた法人は、申請に係る性能評価を行った場合、その性能評価の結果を総務大臣に通知しなければならない。
    ⇒✕‥消防法第17条の2の2より、総務大臣ではなく関係消防長又は関係消防署長に通知しなければならないとされています。

    【参考URL】
    消防法17条

    https://www.aokibosai.com/%E6%B6%88%E9%98%B2%E9%96%A2%E4%BF%82%E6%B3%95%E4%BB%A4%E9%9B%86/%E6%B6%88%E9%98%B2%E6%B3%95/%E7%AC%AC%EF%BC%91%EF%BC%97%E6%9D%A1/

    消防法第17条の2の2

    https://www.aokibosai.com/%E6%B6%88%E9%98%B2%E9%96%A2%E4%BF%82%E6%B3%95%E4%BB%A4%E9%9B%86/%E6%B6%88%E9%98%B2%E6%B3%95/%E7%AC%AC%EF%BC%91%EF%BC%97%E6%9D%A1%E3%81%AE%EF%BC%92%E3%81%AE%EF%BC%92/

    そういえば、特類の勉強していたときに手前味噌ですが青木防災㈱の法令集メッチャ多用しました。
    検索性良くて、タイトルも大きく書かれているので名に書かれているか分かりやすいんですよね。�(´∀`*)ウフフ♪

    今後共、何卒宜しくお願い致します!!