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消防法違反で罰則命令が下された事例

消防法違反にも罰則
もちろん消防法違反にも罰則ありますよ‥!

月刊フェスク2020年4月号に「改善命令に従わず、火災発生!死者1名!告発して起訴、所有者と法人に罰金命令!」という大変刺激的なタイトルがあり、実際に大変悲惨でしたので消防設備士として書評をば‥。📖(´∀`*)ウフフ

 

消防法違反で是正の “命令” も無視していた建物で、火災が発生して人命が亡くなったという想像しただけで絶望的な話です。💔

 

消防法って罰則が未だ緩くて、刑事告発される事例も少ない為、起訴にまで至った本件はモデルケースともいえるでしょう。💡

 

しっかり警察と連携すれば超スムーズに指導が通るので、消防用設備点検結果報告書を参考に火災を予防しようって話です。👮💨

◎ 立入検査9回を無視し続けた所有者‥


所轄消防署予防課による立入検査
所轄消防署予防課による立入検査‥。

立入検査9回・文書による指導6回(立入検査通知書など)・電話などによる指導31回を行っても金銭的な理由を言い訳に、以下の不備事項フルコースを全く改善しなかったと報告されています。📞

 

①防火管理者未選任 / ②消防計画未作成 / ③消防訓練未実施 / ④消防用設備点検未報告 / ⑤自動火災報知設備の受信機の電源遮断 / ⑥消防機関へ通報する火災報知設備の電源遮断 / ⑦防火戸前・階段室・渡り廊下内の物品の除去 / ⑧感知器未警戒区域がある / ⑨誘導灯不点灯箇所がある / ⑩消火器の一部未設置 / ⑪カーテン防炎性能を有するラベル無し‥orz

 

特に、警報設備が全く機能していないのは大変危険かと‥!🚨💦


 

違反処理は “警告” ⇒ “命令” と前に進んでいき、それでも無視し続けられたので所轄消防署さんは以下の2つ措置を検討しました。🎯

  • ☑ 刑事告発(警察に言って処罰を求める)
  • ☑ 防火対象物の使用禁止命令

その施設には西成の簡易宿泊所みたいな人が暮らしてる系のホテル部分もあり、使用禁止命令をすると日常的に生活している方が困る恐れもあるという事で、まずは刑事告発を優先するという判断のもとで準備されていました。🏢🏩🏨

◎ 火災発生、死者1名。


消防法違反の建物で火災
消防法違反の建物で火災が起こったら…。

消防法違反の為、告発の準備が進められていた状況下で何と実際に火災が発生して死者が1名出るという最悪の事態が‥。🔥

 

所轄消防署の予防課の方と市の顧問弁護士さんが相談して、後は警察・検察と話すだけ‥となった4日後に火災発生というタイミングであったと報告されています。📅(;´Д`)💦

 

そして、この様な事態が起こった為、流石に改善されるだろう‥と思ったら甘いんです。🔨👷💭

 

火災発生で実際に人命が亡くなっても所轄消防署の方が刑事告発したことを伝えても、この所有者は改善しなかったのです。💔


 

そんな舐めクサっている所有者が是正に向かって動き出すキッカケとなったのは、警察本部の捜査(ガサ入れ)がされたことでした。👮✨

 

警察本部の捜査員さんの調査に所轄消防署予防課の方が同行して、自動火災報知設備受信機の主電源がOFFになっている事等を確認し、違反処理時の “命令” で指摘されていた消防法第17条の4〔消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置維持命令〕第一項の違反が立証されました。📝

 

‥なんと、午前中に実施されたガサ入れ当日の午後には、弊社の様な消防用設備等の施工業者に行って、整備の依頼をしたとの事。👛

 

『なんやねん、オマエ‥。』

 

所轄消防署予防担当者さまも、きっと思ったでしょう。((((;゚Д゚))))💡

◎「お金が無い」という言い訳はムリ


おカネ タマスケ
もし「お金が無い」なら借りましょう…。

これまで、消防法違反についての度重なる所轄消防署予防課の方々の指導をシカトし続けて是正しなかった言い訳は、『金銭面が‥』という所有者の決まり文句でした。💰(´_ゝ`)💨

 

これに対して所轄消防署予防担当者さんは「消防用設備等の設置に係る金融上の措置について」という制度の活用を指導されたとの事で、管理人『ソンナン、アルンカイナ‥⁉』状態です。🛸‼

 

制度内容確認しますと、中小企業者に対して低金利で貸し付け可能となっています。コレ、もっと知れ渡ってもいいかなと。🏧✨

 

それでも所有者(この段階では被疑者)は言い訳を続けます。💬


 

『消防と金融機関がグルになっている』と被疑者が言っているのですが、本当ですか?‥という質問が担当検察官からあったとの事。💡

 

‥いや、ンなわけあるかい!😲

 

コレ、もし仮に、グルになるとしたら消防設備士と金融機関でしょ!‥って思いますよ。だって消防用設備等を施工して対価を受け取るのは弊社の様な防災屋ですから。🔗

 

それを思うと、貰える給料が増えるわけでもない所轄消防署の予防課さん達って凄いなぁ‥って改めて感謝の気持ちが溢れます。😿💦

◎ そして起訴‥罰金◯◯万円


略式起訴は被疑者の身柄は釈放
※略式起訴は被疑者の身柄は釈放されます。

警察によるガサ入れ直後に不備事項是正しましたが、時すでに遅しであり、被疑者は検察庁に起訴されました。🚓💨

 

その後、簡易裁判所において所有者と法人それぞれに罰金10万円の命令が下されたとの事です。💸💸

 

え⁉罰金、安っすぃすねぇ~ッ⁉‥って思いませんでしたか?🤑

 

罰金の額も消防法で規定されていて、今回の場合だと消防法第17条の4における維持命令に違反しているので消防法第44条第十二号の「30万円以下の罰金または拘留」が適用されたのではないかとみています。📂


 

しかし、侮るなかれ‥新宿歌舞伎町ビル火災を契機に法改正されて消防法第5条第一項や消防法第5条の2第一項に基づく命令(例えば使用禁止とか)に従わなかった場合、最高で1億円の罰金が科せられる事となっています。((((;゚Д゚))))💴💦

 

『いや1億円て、千葉ジェッツの富樫の年俸かよ‥!』って思わずツッコミを入れたくなりますよね。🏀笑

 

他人の命を奪わない為にも、そして自分の人生オワタにならない為にも消防法を遵守しましょう。🧫

◎ 消防用設備点検・報告の重要性


警察と仲良くするタマスケ広報課長 消防法
警察と仲良くするタマスケ広報課長(5)‥。

この悲惨な話の教訓に、以下の二点が挙げられています。📝

  • ☑ “刑事告発” ⇒ “ガサ入れ” の力が強いので頼るべき

今回、命令違反から起訴の手続きが進められていましたが、自動火災報知設備の “未設置” には該当しなかった為、違反対象物の公表制度の対象とはなっていませんでした。💻💦

 

しかし、火災が起こって人命が犠牲になる事態が起こってしまった。消防法を遵守していれば救われた命だったかもしれない。🔥


 

消防用設備等の “未設置” 等の表面化されてきやすい重大違反ばかりに気を取られず、消防用設備点検・報告という制度で危険な建物を吸い上げて火災予防をしていく事も大切だと締められています。📖

 

弊社の生業の一つである消防用設備点検・報告が、結果的に人命を救うことに繋がるんです。💪( `ー´)ノ✨

 

ンなわけで、消防用設備点検・報告お願い致します、警察のお世話にならない為にも…。👮💭

◎ まとめ


大阪市消防局には “トクサ(特別査察隊)”
大阪市消防局には “トクサ(特別査察隊)” が‥!
  • 金銭的な理由を言い訳に、消防法違反是正の “命令” も無視していた建物で、火災が発生して人命が亡くなっていた。
  • 火災発生で実際に人命が亡くなっても所轄消防署の方が刑事告発したことを伝えても、この所有者は改善しなかったが、警察本部の捜査(ガサ入れ)是正に向かって動き出すキッカケとなった。
  • 消防法を遵守していれば救われた命を守る為にも、消防用設備点検・報告という制度で危険な建物を吸い上げて火災予防をしていく事も大切だった。✅

◎ 参考資料


ダウンロード
消防用設備等の設置に係る金融上の措置について(情報提供).pdf
PDFファイル 196.2 KB
ダウンロード
罰金最高一億円リーフレット.pdf
PDFファイル 584.0 KB
ダウンロード
消防法の命令違反概要・罰則規定一覧.pdf
PDFファイル 759.4 KB

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コメント: 2
  • #1

    イッパチ (金曜日, 03 4月 2020 01:53)

    とあるマンションの実話。

    リフォーム業者「すいません火報切っちゃいました!」
    管理員「え、鳴らなかったよ切ったの本当に火報?」

    (本当に火報が切れている→修理させる)

    管理員「何で鳴らなかったんだろう、今週ガス漏れ感知器の更新だしそこにお願いするか」

    ガス感業者「ここ1系統しかないです」
    管理員「え、どゆ事」
    ガス感「東京電力から来てますよね、そこからブレーカーに行って、インターホンに行って、そこからガスや火報に行く。普通は火報だけ別系統で東電から直で引くんですけど」
    管理員「じゃあリフォーム業者ブレーカー落としてたから鳴らなかったのは」
    ガス「そういう事です」
    管理員「え、じゃあ居住者いる部屋で真火災あっても熱でブレーカー融け落ちちゃったら鳴らないって事」
    ガス「そうです」
    管理員「!これ居住者に何て説明したら良いんだよ!…これウン千万だよね」
    ガス「まあ百…じゃ無理ですねえこの規模だと」
    管理員「いやカネならあるんだよこの前の大規模修繕で億浮いたから。でも何かのついでに居住者にバレないようにコッソリやるのは無理だよねえ」
    ガス「各部屋天井開けますしねえ」
    管理員「参ったなあ、何だよこのマンション」

    フロントに報告したら絶句したと(無理もない)

  • #2

    管理人 (月曜日, 06 4月 2020 09:52)

    >イッパチさん
    コメント有難う御座います!

    要は、自火報の電源が専用回路になっていなかったというお話って解釈で宜しかったでしょうか?

    普通、自火報の“電線”が切られたら以下のトラブル音響が鳴る様になっています

    ・☑ “警報線”を切った時の断線表示及びトラブル音響
    ・☑ 電源のAC100Vの電線が切られてバッテリーに切り替わった後、それが容量不足になった際のトラブル音響

    リフォーム時に部屋の分電盤の“主幹”を落とした際に、マンションであれば部屋にあるGP型3級のインターホンに何らか表示と警告音が鳴るようになっているはずで、それを聞き逃したかバッテリーが切れていたかどちらかの可能性も、頂いている条件であれば考えられそうです。

    あと、主幹を落とした際には管理人室にある共同住宅用の受信機などでも表示が出ているはずなので、リフォーム時に火報屋さんが何かしらの操作をしたor管理人さんが音がうるさいのでストップさせた等の可能性も‥。

    消防設備士に、要 相談!案件かと。
    今後とも、何卒宜しくお願い致します!!_(._.)_