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自動火災報知設備の配線工事方法 ~受信機編~

自動火災報知設備の受信機配線工事
自動火災報知設備の受信機配線工事について‥!

“受信機” は、自動火災報知設備における「大元の制御盤」であり、脳ミソみたいな部分になります。( `ー´)ノ🧠

 

前回より “自動火災報知設備の配線工事方法 ~感知器編~” や “自動火災報知設備の配線工事方法 ~総合盤編~” というブログを寄稿してきましたが、それらは “受信機” 無しには全く機能しないので、この記事が一番大事であるとも言えますね。🤖‼

 

なお、受信機にはP型という一般的なタイプと、R型という大型施設等に設置されるシステムの2種類がありますが、ここではP型の受信機について言及していきます。🍒

 

ご不明な点等あれば、コメント下さいね~!📝✍(´∀`*)ウフフ♪

◎ 受信機の外観


左:いつかの受信機、右:弊社の受信機
左:いつかの受信機、右:弊社の受信機

受信機の外観も大きさによって色々ですが、自動火災報知設備で監視するエリアである “警戒区域” が5つ以下の一般的なP型2級受信機の外観が写真のような感じです。🕵✨

 

感知器や発信機に『火事かッ⁉』と判断されたエリアが、受信機上の地区窓点灯により特定できるようになっています。🔍(;´Д`)👌

 

よって、消防設備士以外の方も「火災報知器が鳴った場合は、まず受信機で場所を確認する。」事を覚えておいてほしいです。🚨

 

また、消防設備士以外の方々が受信機に “触れる” 場合としましては「誤作動時の音響をストップさせる」時もありますね。🚫


◎ 受信機周り全体の配線経路


自動火災報知設備の系統図
自動火災報知設備の系統図(概略)‥!

自動火災報知設備の受信機を含む全体の配線は、系統図の様な感じで、大きく分けると以下の3つの配線工事が必要になります。👷

  1. 分電盤ー受信機 間
  2. 受信機ー総合盤 間
  3. 総合盤ー感知器 間

なお “総合盤ー感知器 間” の配線は、まず幹線ケーブルと繋がっていて、それが受信機まで結線されている為、どこの感知器が発報したかが分かる仕組みになっています。💡

 

あ、イキナリ図面記号を使ってしまってますが、消防設備士及びその界隈の皆さまは実務で必要です、この際に覚えて下さいね。🧠♪


①分電盤から⇒受信機へ電源供給


分電盤 専用回路
分電盤のフタを取るとこんな感じ…!

まず、自動火災報知設備の電源回路は他の機器と道連れになってショートしない様に “専用のブレーカー” にする必要があります。🔌

 

新築工事時には専用ブレーカーが設計時点で含まれていることが多いですが、既設の建物だと分電盤上でブレーカーの空きが無い場合も多々あります。💔(;´Д`)💡💦

 

よって、初めにブレーカーの増設から始めなければならないケースもあるので、現地調査時にも必ず確認すべき箇所の一つです。🔍

 

分電盤上の専用ブレーカーから、なるべくVVFケーブルを天井裏や壁の内側に隠す “隠ぺい配線” で受信機まで敷設します。👥


受信機上の天井に設けた点検口
受信機上の天井に設けた点検口‥。
切り欠いた天井でフタ 点検口
切り欠いた天井でフタを作ります…!

点検口を覗いて、そこから壁と壁の “すき間” が見えれば、そこから電線を繋げたチェーン等を『ぶら~ん』と落として受信機を設置する壁面に到達させます。⛓\(゜ロ\)(/ロ゜)/⛓

 

受信機本体には配線ケーブルを入れる為の穴が空いているので、それに合わせて設置する壁面に罫書きを入れて電線を出してくる箇所を切り欠いておきます。✂

 

その切り欠いた穴から、落としてきたチェーン等を引っ張れば “分電盤ー受信機 間” の配線敷設が完了となります。🥊

 

✍(´-`).。oO(なお工事中は管理人も作業に従事している為‥、、切り欠いた部分の写真とか気の利いたものが見つからなかったので今度撮り次第すぐ載せますね…。。)

 

壁面から出てきた電線を受信機に入れて結線
壁面から出てきた電線を受信機に入れて結線‥!

やむを得ず露出配線になる場合は、壁面に電線モールやCD管を敷設し、その中に電線を通し、ひたすら “分電盤ー受信機 間” に固定していく作業となります。💿(;´Д`)💦

 

面倒な上に見栄えも宜しくないので、できるだけ隠ぺい配線を試みますし、そこが腕の見せ所でもあります。💪

 

✍(´-`).。oO(既設の一戸建てだと‥、、隠ぺい配線が困難な場合も多々ありますが‥。。)

 

自動火災報知設備の電源工事が必須な為、全弊社員甲種4類消防設備士だけでなく電気工事士の免状をも取得しているんです。🎫


【補足】自火報のケーブルを一目瞭然にする方法


弊社の頼れるベテラン “石崎部長” が新築の現場等で、被服が赤色のVVFケーブルを使って防災屋の電線がどれかを視覚的に一瞬で判断可能にするという方法をとっています。🍅👀❕

 

コレ、超便利なので新築の現場等で自火報の配線を敷設される防災屋さんは、是非マネされる事をオススメします。💯( ´∀` )👌✨

 

新築の現場はVVFケーブル 自動火災報知設備
新築の現場はVVFケーブルだらけ‥。
色違いのケーブルを用いれば一目瞭然 自動火災報知設備
色違いのケーブルを用いれば一目瞭然です…!

②総合盤とー受信機の間の幹線


奥:火通と受信機、右手前:総合盤
奥:火通と受信機、右手前:総合盤

“分電盤ー受信機 間” のVVFケーブル敷設と同様に “総合盤ー受信機 間” には幹線ケーブルを敷設します。🐍

 

幹線ケーブルは自動火災報知設備で監視するエリアである警戒区域が多いほど、電線の本数が多くなって太くなる為、こちらもまた余計に隠ぺい配線で施工したいですね。🐉💦

 

総合盤編” でも言及していますが、幹線には表示灯音響ベル等の「耐熱電線」でなければならない電線も含むので、ケーブルは必ず “HP” と記載された耐熱仕様の物を使用します。💮(´∀`*)ウフフ

 

熟達した職人さんほど、カラフルな電線の繋ぎが綺麗です。🌈✨


天井裏に敷設された幹線ケーブル 自動火災報知設備
天井裏に敷設された幹線ケーブル‥。
受信機の機器左に幹線の通り道 自動火災報知設備
受信機の機器左に幹線の通り道アリ‥!

電線を端子台に接続 自動火災報知設備
役割分担された電線を端子台に接続‥!

“総合盤ー受信機 間” の幹線ケーブル内に収まっている電線は、以下の機器を繋ぐ役割のものです。🎨\(^o^)/🚨

  • 音響ベル(Bc、BL)
  • 表示灯(U+、U-)
  • 感知器(L、C)
  • 発信機(A)
  • 電話(T ※5回線以上のP型1級のみ)

加えて受信機内には火災発報と連動して、他の機器にも信号を送る “移報” 用の端子台があり、消防用設備等であれば誘導灯信号装置火災通報装置、それ以外であればパニックオープン(自動ドアや電気錠)や警備システムの電線が繋がる可能性があります。📞👮✨


【補足】消防検査時に確認される “HP”


消防検査用に施工時に切った被覆を準備 耐熱
消防検査用に施工時に切った被覆を準備‥!

施工後の消防検査時に適切なケーブルが使用されているかどうかを予防課の方が確認するのですが、その際にケーブルの “HP” の文字が確認しづらい場合があります。👓(;´Д`)🕶

 

ケーブルを引っ張ったり、捻ったりして『ハイ‥!HPって書いてありますッ‥!💦』って必死にならずに済む方法があります。💡

 

施工時に切った被覆の “HP” って書いてある場所を残しておけばいいんです。消火ポンプなら耐火電線って分かる部分ですね。🔥

 

まあ、自分で考えた!‥みたいに紹介してますけど、これも石崎部長がやってたのをパクってるだけなんですけどね。🎲(´∀`*)ウフフ


③いざ、電源ON‥!


受信機の電源を入れた時はドキドキ
受信機の電源を入れた時はドキドキ‥!

全ての配線敷設・繋ぎ込みが終わって電源をONにする時が超ドキドキである理由として、もし電源を入れた際に “断線” や “発報” 等の表示が出ると何かをミスっている事が発覚するからです。🎯

 

あの冷静沈着で寡黙な松本部長も、以下の様に言ってました。

  • 『悲しいときー(悲しいときー)、受信機の電源入れたら断線出てたときー!』

もし断線とか発報の表示が出ていたら、その原因箇所を特定して正常にするまで “帰れま10” が始まります。🌆(;´Д`)💔笑

 

自分が付けた感知器が原因だと、メンバー全員のため息を受け取ることになります、しっかり施工していきましょう!👷💨笑


◎ まとめ


手を拭くタオルも交換
手を拭くタオルも交換しましょうね…!
  • “受信機” は、自動火災報知設備における「大元の制御盤」であり、脳ミソみたいな部分であり “受信機” 無しには全く機能しないので、この記事が一番大事であるとも言えた。✅
  • 自動火災報知設備の電源回路は他の機器と道連れになってショートしない様に “専用のブレーカー” にする為、初めにブレーカーの増設から始めなければならないケースもあるので、現地調査時にも必ず確認すべき箇所の一つであった。✅
  • もし電源を入れた際に断線とか発報の表示が出ていたら、その原因箇所を特定して正常にするまで “帰れま10” が始まった。✅