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音声誘導・点滅機能付き誘導灯停止用の蓄積型煙感知器設置基準

閃光と音声で非常口の位置を知らせる誘導灯
閃光と音声で非常口の位置を知らせる誘導灯を設置する場合…。

大阪府建築基準法施行条例 第8条の2にて指定された用途の建築物については、「消防法施行規則 第28条の3に掲げる避難口誘導灯は、点滅機能及び音声誘導機能を備えたものでなければならない。」と謳われています。👮💭

 

その “点滅機能及び音声誘導機能” を備えた誘導灯を「音声誘導・点滅機能付き誘導灯」といいますが、コチラの点滅・誘導音を停止させるための煙感知器があります。🚨✨

 

✍(´-`).。oO(停止用煙感知器の設置場所については上述した消防法施行規則 第28条の3運用基準に記されていますが…、、その解釈が所轄消防署によって異なることもありますので、しっかり把握しておきましょう…!!)

停止用の蓄積型煙感知器って…?


自動火災報知設備が火災を感知すると、それと連動して音声誘導・点滅機能付き誘導灯が “ピカッ、ピカッ” と光って『非常口はコチラです。ピンポーン、ピンポーン。Here is emergency exit...』と鳴り響きます。📣

 

感知器中央の青い◎が蓄積型煙感知器の目印
感知器中央の青い◎が蓄積型煙感知器の目印…!

しかし火災が起こっている方向へ音声や光で合図してはならんという事で、消防法施行規則 第28条の3第4項六のハにて「避難口から避難する方向に設けられている自動火災報知設備の感知器が作動したときは、当該避難口に設けられた誘導灯の点滅及び音声誘導が停止すること。」と定められています。📝

 

その『合図やめ!』の信号を送るのが、この蓄積型煙感知器というわけです。✋

 

まだ火災が起こった初期段階の逃げれる状況で『合図やめ!』をしてしまうのを防ぐ為、“蓄積型” という感知器自体に煙を感知してから一定時間経過後に発報(信号を出す)仕様のものが使用されています。⏰


停止用煙感知器の設置場所


音声・点滅機能付き誘導灯の系統図
音声・点滅機能付き誘導灯の系統図…。

音声誘導・点滅機能付き誘導灯の結線について、大阪市では消防用設備に係る運用基準に記されています。📃

 

上述した通り「避難する方向に設けられている自動火災報知設備の感知器が作動したとき」に停止信号を発する必要があります。📡

 

例えば3Fで火災が起こっていれば、その上階である4階以上の階の方が “避難する方向” である3階へ行かないよう、4階以上の階の音声誘導・点滅機能付き誘導灯の誘導音とフラッシュが消えるように接続されます。💡

 

🚥(´-`).。oO(一つ下の階に停止用煙感知器が設置されるイメージです…、、1階の  “避難する方向” については建物の「外」とかになるのでありませんね…。。)


音声誘導・点滅機能付き誘導灯作動スキーム


✍(´-`).。oO(ググってみると流石Panasonicさん…、、大変分かり易い “誘導灯用信号装置の動作について” というPDFファイルがアップロードされておりましたので以下にて参考させて頂く事とします…。。)

 

音声・点滅機能付き誘導灯の信号装置動作スキーム

 

3階で火災が発生し、その煙は右側の階段にて感知された結果、4階以上の音声誘導・点滅機能付き誘導灯の「点滅・誘導音が止まる」旨が記されており、4階以上の階の棒人間がくるっと引き返して反対方向に避難していく様子が分かります。🎓

所轄消防署によって異なる指導も…


上の音声誘導・点滅機能付き誘導灯と停止用煙感知器の作動スキームをご覧頂きますと分かる通り、出火階については点滅・誘導音が継続して発せられます。⚡

 

音声誘導・点滅機能付き誘導灯
大きい音声と眩しいフラッシュで避難方向を示す…。

出火階が最も避難に際して急を要しますから、鳴り響かせるべきだと一見思われますよね。💬

 

しかし、防火について真剣に考えられた結果、それとは異なる解釈で指導がされている所轄消防署さんも御座います。🚒💨

 

例えば弊社の隣町にある大阪府内のM消防本部さんでは『出火階の点滅・誘導音も停止して下さい』という旨を以前、実際に指導頂いた事がございました。👮♪

 

これは出火階にある音声誘導・点滅機能付き誘導灯付近で火災が起こっていた場合に、そちらへ避難してしまうことを防ぎ、他の経路もしくは避難器具での避難を促すための指導かと思います。💡


 

🍒(´-`).。oO(機器の性能上、一つの蓄積型煙感知器で制御できる音声誘導・点滅機能付き誘導灯が一つまでなので…、、蓄積型煙感知器だけで2個もあるフロアが生じる事となっておりました…。。)

風除室に停止用煙感知器を設置したワケ


また、弊社の隣町にある大阪府内のY消防本部さんでは『風除室にも停止用の煙感知器を入れて下さい』という指導がされておりまして、そこの解釈について実際に熱意に溢れる予防担当者さまより直接お聞きしたことがありました。🎩

 

左上:自火報の煙感知器、右下:停止用の煙感知器
左上:自火報の煙感知器、右下:停止用の煙感知器

“風除室” とは建物内に風が直接吹き込まないよう、例えば自動ドアが開いた先にショッピングカート等が置いてある空間があって、その先の自動ドアが開けば店舗の売り場へ…という僅かな空間のことを指しており、皆様も出入された事があるかと思います。🏪

 

そして上述していた通り、消防法施行規則 第28条の3にて「避難する方向に設けられている自動火災報知設備の感知器が作動したとき」には、点滅・誘導音を停止させる必要があります。🔕

 

この “避難する方向” について、建物外であるという解釈ではなく『誘導灯が設置されているのは風除室の前、つまり未だ建物内である』という見方で、運用されているとの事でした。💡


✍(´-`).。oO(例えば設計届を作成する際にも…、、この様に所轄消防署さんによって解釈が異なるという事を根拠法令も併せて把握しておけば理解が深まって業務により関心を持って意欲的に取り組めますね…!!)

まとめ


  • 設計届を作成する際に根拠法令も併せて把握しておけば理解が深まって業務により関心を持って意欲的に取り組めた。✅

参考資料


ダウンロード
誘導灯及び誘導標識_福岡市.pdf
PDFファイル 1.1 MB
ダウンロード
誘導灯用信号装置の動作について.pdf
PDFファイル 114.5 KB
ダウンロード
光電式スポット型感知器 2種ヘッド(蓄積型)_BV454728.PDF
PDFファイル 104.9 KB
ダウンロード
大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン.pdf
PDFファイル 482.0 KB