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東京と大阪の“設計届”を比較して分かること

日本一の都市である東京と大阪の設計届
日本一の都市である東京と大阪の設計届は結構違う…。

設計届とは、消防用設備等に該当する設備の中で、消防設備士でなくても工事ができる設備の施工に際して提出する書類です。📝

 

国家資格である消防設備士には独占業務が設定されていますが、全ての消防用設備等ではなく、例えば誘導灯連結送水管等の施工はそれに該当しない為、消防法上で定められている甲種消防設備士が提出する着工届を必要とするものの対象となっておりません。💯(´∀`*)ウフフ♪

 

その代わりに、条例にて着工届ではなく工事設計書として “設計届” という書類を消防署に届け出ることが定められているのですが、根拠法令が条例ですから所轄によって様式が結構異なっております。続きを確認していきましょう…!🔍

 

設計届とは…


設計届について 消太くん

設計届” とは何かと少し詳しく述べますと「消防法施行令 第7条で謳われている消防の用に供する設備の中で、消防法施行令 第36条の2 の消防設備士でなければ行ってはならない工事または整備の対象でない為に、消防法 第17条の14で定められた甲種消防設備士が着工の10日前に所轄消防署に提出する消防法施行規則 第33条の18にある工事整備対象設備等 着工届” の提出が不要である代わりに、大阪市火災予防条例 第61条の2 に基づいて作成・提出する工事設計書」の事です。📃

 

この設計届の様式ですが、各市町村条例に基づいて規定されている為、例えば大阪市と東大阪市でも火災予防条例は若干異なりますから、様式も若干異なるものになります。👮

 

✍(´-`).。oO(根拠法令が条例でも…、、日本全国で大体同じ様な書類の提出が必要になると思われるので統一されていても良いのかなと…。。)


様式が定められている根拠法令


大阪市の設計届表紙の右上を見ると「第16号様式(第9条の2関係)」という表記がされているのですが、この “第9条の2” というのは大阪市火災予防条例施行規則という大阪市火災予防条例の詳細が定められている省令になります。

 

大阪市火災予防条例施行規則 消太くん

ですから『電子消防関係法令集を作ったぞ!』と豪語されていた弊サイトに、設計届の様式が定められている省令のページが無いというのマズいと思ったので大阪市火災予防条例施行規則のページも作りました。🧠(´∀`*)ウフフ

 

毎度の事ですが、それなりに時間がかかっていますので使ってやって下さいね!📲♪

 

✍(´-`).。oO(ちなみに消防関係法令上では「消防法=“法令”」「消防法施行令=“政令”」「消防法施行規則=“省令”」「火災予防条例=“消防庁長官が…”」等という呼ばれ方がされていますので頭に入れておくと便利です…!!)


トーキョーの“設置計画届出書”


ここで本ブログの題名でもあります “東京の設計届” の様式を確認してみましょう。🗼

参考:東京消防庁

 

東京 設置計画届出書 消防用設備等 日本産業規格

 

左上には “第8号様式(第14条の2関係)” と記されており、大阪市の設計届とは数字が異なる為、根拠法令も違うと分かるんです。💡

 

そして、設計届ではなく “設置計画届出書” と上品に略さず記されている箇所からも東京らしさが感じられますね。🗼(´∀`*)ウフフ

※決して大阪がガサツだと言っているわけではありません。

 

…というワケで、続いて弊社が主に提出させて頂いております大阪市の設計届の様式は以下の通りです。🔍

参考:大阪市

 

大阪市 設計届 日本産業規格

 

大阪市や周辺地域の設計届には消防設備士の免状の種類及び指定区分を記入する欄がありますが、東京ではそれが無いからも、消防法上は誘導灯連結送水管等の設計届については消防設備士の免状が無くても提出可能であると判断できます。🙆♪

 

ただ、ここで補足しておきたい所として大阪市では “消防設備業の届出番号” を表紙に記入しなければならず、例えば大阪市火災予防条例 第61条にて「消防用設備等(令第7条に規定する簡易消火用具、非常警報器具、非常警報設備、誘導標識、消防用水、非常コンセント設備、排煙設備及び無線通信補助設備を除く。)の工事、整備又は販売を業として営もうとする者は、住所、氏名(法人にあっては所在地及び名称)その他必要な事項を消防長に届け出なければならない」と謳われています。🚒💨

 

つまり、消防設備士の免状の有無に加えて設備業の届出というハードルも設けられいる為「ド素人では無理なルール」となっており、お客様の中でも『設備業の届出番号が無いから消防署に書類提出できへんかってん…、代わりに出して?』お問い合わせ頂く事がありますが、届出のみの場合は “丁重にお断り” させて頂いております。🚫

 

ハイつまり、ここで分かった点ですが大阪市の設計届には “工事責任者又は消防設備士” と “設備業の届出番号” の記入欄が設けられているが、東京の設計届では代わりに “防火安全技術講習修了者” という見たことない人の名前を書く場所がある」という事です。📝

防火安全技術者ってなんなん


防火安全技術者 東京都火災予防条例

防火安全技術技術者とは「東京都火災予防条例第63条の 2 に定める防火安全技術講習の全課程を修了した第1種防火安全技術講習修了者をいう。」とのことです。🗼

 

防火安全技術者が消防法令の適合状況の調査又は防火安全に対する助言を行った場合は、消防用設備等の適正な工事を確保できることから、工事に係る届出(設計届)の省略ができる等の緩和規定が東京都では設けられているようです。💬

 

✍(´-`).。oO(また講習ってワイの名刺入れ…、、もう他の免状でパンパンやて…。。)

参考:東京消防庁から防火安全技術者を活用した届出の省略等のお知らせ


東京と大阪は結構違いました


タマスケと猫の人形

これまで漠然と『誘導灯とか連結送水管は消防用設備等に該当するから勿論、設計届消防設備士が…』の様な感じで思っていた所の “もや” が少し晴れたかと思います。🌅✨

 

弊社は大阪市を拠点に “業” を営む為、関東圏の届出類の事情は全然知りません。🗼💦

 

✍(´-`).。oO(東京では随分前から “防火安全技術者” のルールは設けられていたようですが、実際のところ受講していて当たり前の講習なのか、それとも届出時は空欄になっているのか、トウキョーの皆さま宜しければ是非ともコメント下さいませ…。。


まとめ


  • 大阪市の設計届には “工事責任者又は消防設備士” と “設備業の届出番号” の記入欄が設けられているが、東京の設計届では代わりに “防火安全技術講習修了者” の名前を書く場所があった。✅

参考資料


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消防用設備等設計届出書_大阪市.pdf
PDFファイル 101.2 KB
ダウンロード
設計届_東大阪市.pdf
PDFファイル 99.7 KB
ダウンロード
消防用設備等(特殊消防用設備等)設置計画届出書_東京都.pdf
PDFファイル 229.6 KB
ダウンロード
東京消防庁から防火安全技術者を活用した届出の省略等のお知らせ.pdf
PDFファイル 129.5 KB