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レオパ◯スの消防法違反について解説

消防法違反 レオパレス 解説
一体どの様な事が起こって消防法違反になったのか…。

以前より、株式会社レオパ◯スさんが所持される何万という物件の内、多数が建築基準法違反であったという報道は各マスメディアより大々的にされており、管理人の耳にも否応なしに入ってくる程でした。📡

 

そして先日、続いて消防法にも違反していたという報道がされ『建築基準法の時点でブログ記事にしようとしていたのに、消防法について言及されていればこれは書かずにはいられない…!』というワケです。📖✍(´-`).。oO ♪

 

ニュースにはなっているものの何をどう違反していたのか分からん!…という方々の為に消防法に基づいて、現役バリバリの消防設備士である管理人が解説させて頂きますのでご確認下さい!🐈

話題になったニュース


 

【以下、本文中より引用】

賃貸アパート大手のレオパレス21は12日、建築基準法違反の疑いがある施工不良物件について、消防法などにも違反している可能性があると発表した。

 

不備が見つかった約2万棟のうち267棟で違反する恐れがあると確認された。同社は必要な補修工事を急ぐとともに、工事完了までの間、消火栓設備を置くなどの安全対策を講じる。

 

消防法や自治体の火災予防条例は、一定規模以上の共同住宅に対し、屋内消火栓自動火災報知器の設置を義務付けている。

 

耐火構造基準に適合すれば要件が緩和されるが、レオパレスの施工不良のアパートは基準を満たせず、消防法に抵触する可能性が出てきたという。

参考:時事通信社

📰(´-`).。oO(多くのメディアがそれぞれ若干異なった内容で記事にされていましたが…、、こちらの記事には “耐火構造” 基準に適合すれば…の文言があった為、これについて解説すれば話が早いと思い参考にさせて頂きました…。。)

 

では、消防用設備等のプロである管理人のフィルターを通した情報を、続きに書いていきますのでご確認下さいませ。🕵💨


以前から建築基準法に違反していた建物


ブログ記事を書こうと机にメモ レオパレス
ブログ記事を書こうと机にメモをしてました…。

 

テレビの番組などでも一時期、大々的に取り上げられておりましたから「屋根裏がスッカラカン」であった事は、映像と共に強く記憶に残っています。((((;゚Д゚))))📺💦

 

建築基準法施行令第114条〔建物の界壁、間仕切壁及び隔壁〕の条文にて「長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。」と謳われている為、“スッカラカン” の状態一つとっても建築基準法に違反していたと言えます。🚫

 

また、図面上では界壁があるという記載がされていたと報道されており、どこかの段階で “不正” な変更がされた様でした。👮


“消防同意” と “建築確認” について


消防法 第7条〔建築許可等についての消防長又は消防署長の同意〕にて 、下記のルールが定められています。📝

 

確認申請 消防同意のスキーム

 

まず、建物を新設する際には建築主(建物を建てたい人)が “①確認申請” を特定行政庁の建築主事(俗に言う “ギョーセー” )宛に行います。

 

そして行政側から『こんな建物つくるんすけど、消防OKすか…?』と消防長・消防署長に “②同意を求める” スキームがあり、消防長・消防署長側は『ふぅ~ん、この条件なら良いじゃん。』と “③消防同意” を行政側に返して、その後 “④建築確認” しましたと行政側から建築主に『消防法的にも問題ないっすわ』と伝えられます。🚒✨

 

つまり、建築主事に提出していた書類に偽りがあれば、消防側も共倒れになる可能性の高い仕組みであり、例えるならばキューティーなハニーちゃんの写真を見せられて『…この子で!』と “同意” した上で指名していたのに、実際に見たらゴンザレスで『同意時の条件と違う!これは認められない…違反だ!』となっているワケです。💡

屋内消火栓の “倍読み” というルール


通常、(5)項ロ 共同住宅延べ面積700㎡以上で屋内消火栓の設置義務が生じる消防法施行令第11条〔屋内消火栓に関する基準〕にて定められています。⛲

 

建物の主に言い渡された屋内消火栓設置の条件
建物の主に言い渡された屋内消火栓設置の条件とは…。

ところが、同政令の第2項に以下の様な文言があります。💭

「延べ面積又は床面積の数値は、“主要構造部を耐火構造とし、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料” にすればの3倍の数値、“主要構造部を耐火構造としたその他の防火対象物” 又は “建築基準法第二条第九号の三イ若しくはロのいずれか(準耐火構造)に該当し、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料” にすれば当該数値の2倍の数値を適用する。」

防火対象物の構造 延べ面積・床面積の基準
耐火構造 2倍読み(1,400㎡)
準耐火構造+内装制限
耐火構造+内装制限 3倍読み(2,100㎡)

 

よって今回、上記の前提に基づいた “倍読み” の規定を利用していた延べ面積700㎡以上の建物について、主要構造部等の条件を満たせなくなり、屋内消火栓の設置義務が生じる為、消防法違反となるわけです。🏢

“無窓階” では延べ面積150㎡で設置義務が…⁉


上述した延べ面積700㎡より屋内消火栓の設置義務が生じるという規定ですが、地階・無窓階または4階以上の階については、延べ面積150㎡で設置義務が生じます。⚠

 

無窓階 消火栓 猫
消火活動上有効な開口部を有しない“無窓階”では…。

つまり “倍読み” の規定も下記の数字が適用されます。🚥

防火対象物の構造 延べ面積・床面積の基準
耐火構造 2倍読み(300㎡)
準耐火構造+内装制限
耐火構造+内装制限 3倍読み(450㎡)

無窓階” とは「避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階」を指すのですが、それに該当する建物は数多くあります。🌆

 

例えば、無窓階の(5)項ロ 共同住宅で2倍読みの規定が適用されていた延べ面積150㎡以上の建物であれば、建築基準法違反に伴い消防法も…という可能性は十分考えられます。🚨


火災予防条例における自動火災報知設備の付加設置基準


条例で自動火災報知設備の設置義務
条例で自動火災報知設備の設置義務が生じるケースとは…。

消防法施行令 第21条〔自動火災報知設備に関する基準〕の第1項の四では(5)項ロ 共同住宅について、延べ面積500㎡以上のものに設置義務が生じると謳われています。📁

 

ところが、大阪市火災予防条例の第42条〔自動火災報知設備に関する基準〕の⑵にて「令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物(準耐火構造に該当するものを除く。)延べ面積が200㎡以上のもの」には設置義務が生じるとされています。🏮

 

その為、自動火災報知設備も建物の構造に変更が生じる事に伴って未設置扱いとなり、消防法違反に該当してきます。👼


その他、消防用設備等の設置義務が生じるケース


建物の完成後に条件が変わる事 屋内消火栓
建物の完成後に条件が変わる事も…。

では、後々に屋内消火栓自動火災報知設備の設置義務が生じるケースは珍しいかと言えば、残念ながら結構あったりします。💔

 

その理由は様々で、 “リノベーション” や “2つであった建物を一つにする” 等の「勝手な増改築」工事を行ってしまい、耐火構造や内装制限の条件が崩れたりして新設時に適用されていた条件から変わってしまうが挙げられます。🔨

 

これは他のブログ記事でも度々言及しておりますが、後々に非常に厄介な状態にならずに済ませる為にも、建物に何かする際は事前に所轄消防署に相談して、適切な状態を維持する為の指導を仰がれる事が推奨されます。👥


パッケージ型消火設備という代替設備


既設の建物に屋内消火栓を設置しようとすると「消火水槽を設置して、消火ポンプ室に消火ポンプを据えて、そこから各階の消火栓まで配管をする」という大掛かりな工事をしなければなりません。👷🔧

 

パッケージ型消火設備は納入時に薬剤充填
パッケージ型消火設備は納入時に薬剤充填…。

コスト面をみても黒塗りの高級車が買える程になる他、そもそも消火ポンプ室や消火水槽を設置する場所が無い!…という状態が充分に発生し得ます。🕶💦

 

そこでパッケージ型消火設備という屋内消火栓の代替設備があるのですが、設置条件が「耐火建築物以外では “地階を除く階数が3以下でかつ延べ面積が2,000㎡以下”」と限定されています。🚫

 

値崩れしており、1台当たり大卒初任給+α位で設置できます。💸

 

🏢(´-`).。oO(イメージですがレオパ◯スさんの場合は…、、3階以下の建物が多そうですから設置可能ではないかと…!!)


この件に関して思う事


なぜレオパ◯スさんの件が大々的にニュースになっているかと考えれば、一つは大企業が持つ日本中の何万という建物が対象に長い期間に渡って、組織的に不正に該当する事が故意に行われており、その規模がシャレにならんという事が挙げられるかと思います。🗾

 

氷山の一角 消防法違反
厳密に調べられれば氷山の一角としか…。

建物オーナーや株主等、その利害関係者の数が半端ない為、当事者的にも世間的にも放っておけない一大事となっております。📰

 

勿論とてもアカン事です。ですが、例えば(5)項イ 民泊への用途変更に際して既設建物の不備等を調べてみますと、これが違法建築であったり、消防法違反であったりというケースは現時点でザラにあるので本件ばかり叩いても “木を見て森を見ず” かと思います。🌱

 

法令を遵守した上でのコスト削減、費用面ばかり重視すると現場に嘘をつかせる不都合な事になりますし、法令順守という絶対的であるはずの基準が上手く運用されていない部分があると「暗黙のルール」という勝手な判断の温床になりそうです。🔍


 

起こってしまっていることに対して、何とかならないかという気持ちと共に、この件を機にこれからもっといい方向に状況を運ぶ為にはどうすればいいのか等、色々な事を考えています。皆様はどう思われますでしょうか?🍧

まとめ


  • レオパ◯スさんの消防法違反が大々的に報道されているが、何をどう違反していたのか分からん!…という方々の為に消防法に基づいて、現役バリバリの消防設備士である管理人が解説した。✅
  • 建築基準法に違反していた場合、消防同意時に建築主事からもらっていた情報の条件も変わってくることから、消防法上も共倒れで違反になる可能性が高かった。
  • 主要構造部等の条件を満たせなくなり、“倍読み” の規定を利用していた延べ面積700㎡以上(無窓階なら150㎡)の建物について屋内消火栓の設置義務が生じる他、条例にて自動火災報知設備の設置義務も生じる可能性がある為、消防法違反となっていた。

参考資料


ダウンロード
株式会社レオパレス21が施工した共同住宅における消防法令等への不適合.pdf
PDFファイル 419.9 KB

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コメント: 3
  • #1

    ミニクロ (火曜日, 23 7月 2019 11:30)

    見えないところが、たくさんスッカラカンなんですね。
    そういう建物で火災があったら、保険も下りなさそうです。(燃えつきてしまえばわからないかもしれない?)
    あら探ししたら、もっとでてきそう。

    先日の京アニでの火災、「消火器などが設置され、消防計画の届け出もあった。らせん階段には、火災時に煙の広がりを防ぐ防煙垂壁が取り付けてあった。」とのことですが、ガソリンを巻くなんて想定はないですもんね。
    (そんなこと想定してるのはガソリンスタンドくらい?)
    あまりに多くの犠牲者で、頭から離れず、ついニュースを追ってしまいます。

  • #2

    管理人 (水曜日, 24 7月 2019 08:38)

    >ミニクロさん
    コメント有難う御座います!
    本件だけでなく、あら捜しという行為が始まったら色々な所が指摘され始めますから中々その泥沼から逃れるのは難しそうだなと思っています。

    京都の放火テロの件については、私も非常に心苦しく、何かできる事は無いかと動いている所です。

    ミニクロさん、今後ともよろしくお願いいたします。�

  • #3

    ミニクロ (木曜日, 25 7月 2019 14:16)

    放火テロに心を痛めている矢先に、ニュースで知った、守口市のウレタン工場火災。
    密接する住宅が18棟も延焼する大惨事に驚いています。
    けが人がいないのは幸いですが、住宅の被害がすごいですね。
    ああいう場合は、避難するしか、、、。それにしても、影像で見た感じ、かなり工場に密接して住宅があり、驚きました。
    出火原因は調査中のようですが、工場の火災報知器や、スプリンクラーは?と思ってしまいました。
    最近、大きな火事が多く、被害も尋常じゃないですね。