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"発信機"の種類と設置基準

"発信機"とはベルを鳴らす押し釦(ボタン)
"発信機"とはベルを鳴らす押し釦(ボタン)のこと…。

火災報知器と言えば…で一番に思い出されるのが、この "発信機" である方々も少なくないでしょう。🔘☜(´∀`*)ウフフ

 

現在は「総合盤」なる機器収容箱にベル&表示灯と三位一体になって設置されていることが殆どですが、その理由に設置基準があります。📝

  • ☑ 発信機 ⇒ “歩行距離” 50m以下🚨
  • ☑ 音響ベル⇒ “水平距離” 25m以下🔔

同様に、表示灯は消防法施行規則第24条にて『発信機の直近の箇所に設けること』とされている為、総合盤という機器収容箱でセット物として設置できるワケです。📦(´∀`*)ウフフ♪

 

◇ 発信機の"設置基準"


発信機も法令遵守
よく見る発信機も法令遵守されています…。

発信機の設置基準は大まかに以下の通りです。💡

  • 各階毎に、その階の部分から一つの発信機までの歩行距離50m以下となるように設ける。
  • 防火対象物の通路の壁面など、比較的人目につきやすい箇所に設ける。
  • 発信機の設置高さは、押し釦が床面から0.8m以上1.5m以下の範囲になるように設ける。
  • 赤い色である。

また、地区音響(ベル)が各階毎に、その階の部分から一つのベルまでの水平距離が25m以下となるように設置基準が定められている為、迷路でもない限り、ベルと同じ位置であれば、法令に則ることができます。🔔


✘ NG集


0.8m以下の位置に発信機
床面から0.8m以下の位置に発信機が…。
発信機を白で塗った
なぜ発信機を白で塗ってしまったのか…。

◇ 発信機の"種類"


☜(´-`).。oO(これはどれだろう…、、ってな具合で触りすぎて押さないようにして下さいね…。。)笑

 

◎ P型の発信機


P型1級の発信機には"電話ジャック"
P型1級の発信機には"電話ジャック"が…。

どうせ全部一緒でしょ…と思っている皆様、種類があります。💡

  • ☑ P型1級の発信機

⇒P型1級の自動火災報知設備(警戒区域数5回線以上)に取付られる発信機で、受信機と通話できる電話ジャックがある。📞

 

  • ☑ P型2級の発信機

⇒P型2級の自動火災報知設備(警戒区域数5回線以下)に取付られる発信機。

 

上記はいずれも屋内だけでなく "屋外" にも設置される可能性があるので、防雨型というパッキンが付いているだけで価格が吊り上げられている代物もあります。☔(;´Д`)👌

 


◎ "T型" 発信機の "T" ってまさか‥☎


非常電話の受話器を取ると火災信号
非常電話の受話器を取ると火災信号が…。
  • ☑ T型発信機

⇒電話タイプ(telephone)の発信機で、受話器を取ると火災信号が送られる。🚥

 

つまり、受話器を取るだけで音響鳴動&受信機と相互通話ができるのです。

 

※画像の非常電話は非常放送設備の起動装置であり、T型発信機と機構は同じですが自動火災報知設備と通話できない点で異なります。

 

現場でT型発信機と遭遇することは殆どありません。

  

また、昔は "M型発信機" という所轄消防署に直通の発信機が街中にあったそうですが、イタズラ通報が多く絶滅した模様…。💔


【補足】非常電話の設置基準


発信機の下に非常電話
発信機の下に非常電話があるけど…。

非常電話の設置基準は、防災センター及び総合操作盤の有無や用途によって異なりますが、新築施工に携わる際は概ね以下の条件となる場合に留意しておくと良いでしょう。📞(´∀`*)ウフフ♪

  • ☑ 11F以上かつ10,000㎡以上
  • ☑ 5F以上かつ20,000㎡以上
  • ☑ 50,000㎡以上

特に、非常放送設備の設置義務が生じている防火対象物については消防法施行令第24条に規定によって、上記の階数及び延べ面積以上となれば設置義務が生じるので注意です。⛔(;´Д`)💨

参考:防災センター・総合操作盤・非常電話早見表


◎ "ガード"は無いとダメ?


DIYで発信機に付けられたカゴ
DIYで発信機に付けられたカゴ…。

体育館や倉庫など、モノが当たるリスクがある箇所にある発信機や表示灯には "ガード" が設けられていることが多いです。🏀💨

 

これを「つけなさい!」という法的な根拠は無いですが、「つけてもいいですよ。」という商品はあります。🏪

 

ガードにも型式と機器図があり、製品とピッタリ合うものが売られていますので、そちらを使用することをお勧めします。💯✨

 

たまに、DIYでカゴのようなものが貼りつけられていることがありますが、施工時に "着工届" を提出した際に証明している "型式認定品" である機器を触りすぎると "改造" に該当して不適合…というような解釈にもなりかねませんので注意です。🚫


 

【※補足】

  • ☑ 現行品の “リング型” 表示灯であれば、出っ張ってないのでモノが当たった衝撃で破損しにくくなってます!🚨(´∀`*)ウフフ♪

◎ 貴様…さては◯◯タイプだな…!!


以前、消火栓ボックスを仕入れて関東に送るという機会がありまして、製作所さんに『関西タイプと関東タイプどっちにしますか?』と聞かれたことがありました。🚨

 

どちらもお馴染みの形でしたが、まさかエリアで分かれているとは思いませんでした。((((;゚Д゚))))🗾笑

 

値段も同じで、どちらも勿論 ”合法” なので、お客様に『関西タイプと関東タイプ、どちらにしますか?』と一応聞いてみましたところ…、『どっちでもええわい!!』とのお返事を頂いたことを覚えています。📝💦笑

 

発信機の位置は関東と関西
発信機の位置は関東と関西で変わる。
衝撃から発信機や表示灯を守る"ガード"
衝撃から発信機や表示灯を守る"ガード"

◎ まとめ


  • 発信機の設置基準は、その階の部分から一つの発信機までの歩行距離50m以下で押し釦が床面から0.8m以上1.5m以下の範囲になるように目立つ箇所に設けた。✅
  • 塗装やDIYでカゴをガード代わりにつけると、施工時に "着工届" を提出した際に証明している "型式認定品" である機器を触りすぎると "改造" に該当して不適合…になりかねなかった。
  • 消火栓ボックスの発信機の位置には、関西タイプと関東タイプがあった。

◎ 参考資料


ダウンロード
防災センター・総合操作盤・非常電話早見表.pdf
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コメント: 5
  • #1

    点検太郎 (月曜日, 16 8月 2021 09:12)

    いつもブログを興味深く拝見させて頂いております。
    今回本ブログで気になる内容がありコメントさせていただきます。
    非常電話はT型発信機ではありません。
    T型発信機は自動火災報知設備の設備の一部ですが、非常電話は非常放送設備の起動装置です。
    T型発信機は
    【火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令】
    (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=356M50000008017)
    第三十四条第三号に「受信機との間で、同時通話をすることができる装置を有すること。」
    とありますが、非常電話の子機は自動火災報知設備の受信機と同時通話をすることは出来ません。

  • #2

    管理人 (木曜日, 19 8月 2021 10:26)

    >点検太郎 様
    いつもご拝読頂きまして、有難う御座います!
    コメントおよび、ご指摘有難う御座います!
    ほんとですね、修正させて頂きました。
    今後共、何卒宜しくお願い致します。

  • #3

    点検太郎 (木曜日, 19 8月 2021 18:44)

    早速修正、ありがとうございます。
    もう1つ、「非常放送設備のある建物に設置可能な発信機。」の文書も消していただけると・・・。

  • #4

    管理人 (木曜日, 19 8月 2021 20:15)

    >点検太郎 様
    引き続き有難う御座います!すみません!
    修正しました!!
    今後ともよろしくお願いいたします!!

  • #5

    点検太郎 (金曜日, 20 8月 2021 09:10)

    再度の修正ありがとうございます。
    今後もブログ、楽しみにしております。