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“長屋”に適用される消防法

トラディショナルハウスとして特区民泊化される長屋
トラディショナルハウスとして特区民泊化される長屋も多い。

特区民泊の消防用設備施工・申請を多数受けるにあたり、消防法についてだけでなく、関係法令についても多くの絡みがあります。✅

長屋” を特区民泊にするという案件も、かれこれ十件ほどは担当させて頂きました。🏠(;´∀`)👌✨

 

この“長屋” は、単純に長さのある建物の事を指している訳ではなく、法に基づいた分類であります。💡

 

そして 長屋” に適用される消防法が、その条件によって変わることがあります。📝|д゚)‼

 

✍(´-`).。oO(続きに詳細を記していきます。…)🏡🏡🏡

 

“長屋”の定義


長屋の一形態である“重層長屋”
長屋の一形態である“重層長屋”

長屋” の定義は、大まかに以下の通りです。🏡

  • 2以上の住戸又は住室を有する。
  • 隣接する住戸又は住室が開口部のない壁又は床を共有する。
  • 廊下、階段などの共用部分を有しない。
  • 各戸の主要な出入口が道路又は有効幅員3m以上の敷地内通路に面している。

2世帯以上が生活するであろう長屋は、集合住宅の一形態に分類されますが、共同住宅とは異なる為、建築基準法における “特殊建築物” には該当しません。

 

また、それぞれの玄関が “道路” に面していなければならないというのも、長屋に分類されるかどうかの大きなポイントです。✅

参考:大阪市建築基準法取扱い要領


長屋と共同住宅における消防法の違い


左:長屋  右:共同住宅
左:長屋  右:共同住宅

長屋と共同住宅は、どちらも集合住宅で使用上は同じでありますが、建築関係の法令及び消防法などの扱いが異なります。💡

 

共同住宅は令別表第1上で、(5)項ロの防火対象物に分類されるため、消防用設備の設置が必要な建築物となります。🚒💦

 

しかし、長屋防火対象物に分類されず、戸建て住宅と同じ扱いになる為、消防用設備の設置義務はありません。🏡

 

その為、長屋で特区民泊福祉施設を営業する際は、新たに消防用設備をインストールする必要が生じます。‼(;´∀`)💰

 

参考:長屋と共同住宅の規制の違いが地域環境に与える影響


“2項道路”と長屋


長屋は各玄関が“道路”に面する
長屋は各玄関が“道路”に面する必要がある。

長屋の定義で既述の通り、長屋に分類される為には道路に面している必要があります。🚙💨

 

ここで、建築基準法における “道路” の定義についてですが、幅員4m以上であることが前提となります。🎳(;´∀`)

 

ただし、幅員4m未満であっても、建築基準法の施行以前から既に建物が立ち並んでいて、特定行政庁が指定したものは、“道路” とみなされます。🏮|д゚)‼

 

これを42項の 2項道路” といい、「みなし道路」のような扱いとなります。🗿♪

✍(´-`).。oO(長屋のような構造をした建築物は、前の道路幅が4mあるか若しくは “2項道路” かを調べましょう…。。)

参考:2項道路


長屋における消防法上の特例


⚠️以下の京都市のページは、誤解を招く図であることがわかりました。

 

実際には住居と民泊が混在する建物で、民泊部分が半分以下の場合は “民泊部分のみ” に消防用設備を設置することで足りるとされています。🙆♫

 

🏯( ´ ᵕ`).。oO(別記事の“特区民泊で消防用設備が免除されたケース”にて‥、、項判定フローチャートという運用基準について言及している箇所もご参照くださいませ‥。。) 

長屋の一部で特区民泊等を営業
長屋の一部で特区民泊等を営業する場合。

長屋の一部に、特区民泊福祉施設等が入居する場合、消防法上は長屋全体を一つの防火対象物((16)項イ 複合用途防火対象物)として扱うことになる為、長屋全体に消防用設備等の設置が必要になる場合があります。💸(;´∀`)💔💦

 

特に、長屋全体での延べ面積が300㎡以上の場合は、棟全体に自動火災報知設備の設置義務が生じるので注意して下さい。🚫‼

 

特区民泊等で使用する部分には、300㎡以下でも特定小規模施設用自動火災報知設備(ワイヤレスの火災報知機)” の設置が必要です。👤💬

参考:京都市


 

ただし、次の措置を行った場合、住宅部分には自動火災報知設備を設置しなくてもいいという特例基準が設けられています(長屋特例)。

特区民泊等の部分が区画されていることによる長屋特例


⚠️上でも述べましたが、以下の京都市のページは誤解を招く図であることがわかりました。

 

実際には住居と民泊が混在する建物で、民泊部分が半分以下の場合は “民泊部分のみ” に消防用設備を設置することで足りるとされています。🙆♫

 

🏯( ´ ᵕ`).。oO(別記事の“特区民泊で消防用設備が免除されたケース”にて‥、、項判定フローチャートという運用基準について言及している箇所もご参照くださいませ‥。。) 

 

既存の壁が“耐火構造”かを確認
既存の壁が“耐火構造”かを確認。※大阪市の場合

以下の要件に適合する場合、消防用設備の要否判定は “長屋全体” で算定しますが、消防用設備の設置に関しては “特区民泊等部分のみ” を単体の防火対象物とみなすことができます。(;´∀`)👌

  • 各住戸が開口部のない耐火構造又は防火構造の界壁で区画されており、かつ、給水管、配水管及び換気・冷暖房設備の風道が当該界壁を貫通していないこと。
  • 所有権限又は管理権限が各住戸ごとに分かれていること。
  • 延べ面積が1,000㎡未満であること。

※大阪市における長屋特例の場合👣


 

また、以下のような、長屋の定義もここで再度謳われています。🏡

  • 各住戸は直接道路に面しており、避難上支障がないものであること。
  • 同一棟内に、階段・廊下などの共用部分を有しないものであること。

京都市の長屋特例を見ると、準耐火の区画でもよさそうであったので、詳細は所轄消防署の予防課にご相談ください。👮✨

 

※上記の大阪における長屋特例条件は、正式に通達されたものではなく大阪市内の消防署予防課の指導内容を元にしています。🎪

まとめ


  • 長屋” の定義は、建築基準法で定められており、各戸の主要な出入口が道路に面している事などが条件として挙げられた。✅