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“排煙口”のオペレーターについて

排煙口が開いているとき
天井に設けられた排煙口が開き、煙が排煙風道を通って外に出される。

排煙口とは、火災時に煙を逃がすための排出口を指します。💡

 

火災発生時には有毒な煙が伝搬することで被害が拡大する為、効果的に煙を外へ逃す措置も取られます。🔧

 

防火区画と組み合わせて、この排煙口を設置することで13条区画というスプリンクラー設備が免除される防火対象物とみなされることもあります。🏠( ゚Д゚)👌✨

 

今回その排煙口オペレーターの手動起動ボタン移設工事を行いました。👷‼

✍(´-`).。oO(以下に詳細を記していきます…。。)

排煙口の動作スキーム


✍(´-`).。oO(以下に、この火災時の危険なを逃がすための排煙設備が、どのように作動するのかを記させていただきます…。。)

 

動作方法には自動と手動の2パターンがあります。💡

 

①自火報連動による排煙口の開放


まず、自動火災報知設備との連動による自動開放が挙げられます。💡

 

✍(´-`).。oO(自動火災報知設備のことを、、自火報と略しています…。。)

 

自火報の感知器が熱や煙を感知し、火災信号を受信機に送ります。🚥

 

すると、電気的に接続されている各防排煙設備が連動し、自動的に排煙口が作動します。⚡


防排煙と連動した“3種の煙感知器”


3種の煙感知器は防排煙用
防排煙用の3種の煙感知器は中央に赤い〇の印が。

また、自火報の受信機による連動ではなく、防排煙設備が独立した操作盤で管理されている場合もあります。

 

その場合、防排煙用の“3種の煙感知器” が設置されています。

 

3種の煙感知器は誤報防止の為、火災を感知する感度が通常の2種の煙感知器と比べて鈍く設定されています。

 

✍(´-`).。oO(自火報と3種の煙感知器が併設されている場合、、3種の煙感知器が作動しても火災信号はでません…。。)


天井内に設けられた排煙口ラッチ(電磁弁)


排煙口
天井に設けられた排煙口は、普段は閉じている。
排煙口のラッチ
自火報と電気的に連動している排煙口ラッチ。

②排煙口開放ボタンによる手動開放


排煙口には “手動開放ボタン” も設けられています。✋(・ω・)

 

有事の際は、自火報による自動的な動作を待たずとも、ヒトの判断にて排煙設備を作動させることができます。💡

 

また、排煙口本体にも実は手動開放用の丸いボタンが設けられており、それを押すことでも動作させることが可能です。🔘❕

 

✍(´-`).。oO(ただし天井にありますので、、ボタンを押すには脚立 or 巨人が必要です…。。)

 


排煙口手動開放ボタンの位置


✍(´-`).。oO(いい写真が無くて、、困った困った…。。)

 

排煙口開放用ボタン
よく見ると排煙口本体に開放用ボタンも。
消火設備ダンパー起動装置
手動起動ボタンは手が届く位置にもあります。

手動排煙口開放用ボタンの内部


開放用ボタンワイヤー
開放用ボタン内部にワイヤーがある。

上記の手動開放ボタン内部には、排煙口と繋がったワイヤーがあります。💡

 

排煙用ボタンを押すことで、ギリギリギリとワイヤーが伸びて排煙口が開放します。🚪

 

✍(´-`).。oO(このワイヤーが切れたり、、中で挟まったりするなどのトラブルが発生することが多いです…。。)

 

ちなみに、この写真を撮った際の工事は、この排煙口手動起動ボタンの移設でした。📷

 


排煙スイッチの移設


☜(´-`).。oO(幾つか覚えておくべきことがあります…。。)

 

"排煙口開放函"のBEFORE
"排煙口開放函"のBEFORE…。
排煙口開放スイッチのAfter
After…。✨

排煙口スイッチの配線の数は…5本⁉


🌈(´-`).。oO(線が5本要りますので…、、3P(ペア)をご用意くださいませ…。。)

 

あと、今回の排煙スイッチは電線を外すのに "精密ドライバー" というアタマの小さいドライバーが必要でした…!!

 

排煙スイッチ線が5本と渡り線
排煙スイッチを外すと線5本と渡り線が…。
導通をあたってから結線
導通をあたってから結線しました…。

排煙スイッチの"固定"


🍉(´-`).。oO(間違えてスイッチを押して…、、天井が "パカッ" と開いて "ビュー―" と空気を吸い込まないように…。。)

 

挟み込み金具
電気のスイッチで御馴染み"挟み込み金具"で…。
カバーをつける前の排煙スイッチ
カバーをつける前の排煙スイッチ…。

ボードの穴を"埋め戻し"


🔩(´-`).。oO(元の "穴" は…、、綺麗に埋め戻してクロス屋さんに引き継ぎましょう…。。)

 

スイッチ穴の内側に"木"を固定
まず内側に"木"を固定してから…。
穴の形に切った石膏ボードをビス止め
固定した木に穴の形に切った石膏ボードをビス止め。

煙の恐怖


よく、“煙の方が怖い”と言われるのを聞いたことないでしょうか。💭

 

これは、火災による死亡原因の多くは、火炎に包まれ火傷を負うことではなく、煙を吸い込んでしまったことによる一酸化炭素中毒などで無くなる方が多い為です。☠

 

✍(´-`).。oO(一酸化炭素が血中のヘモグロビンと結合し、、体内の酸素が減少して呼吸困難になり死に至ります…。。)

 

移動式の消火設備も 煙が充満する箇所” には設けられない理由に、消火活動中に煙を吸い込んで死に至る可能性が高いことが背景にあります。🔥

 


加圧防排煙装置


また、“加圧防排煙設備” なるものもあります。💡

 

 

防煙区画に設けられた旧機構より加圧給気することで、排煙口に煙が押し出されてぐんぐん抜けていくような仕組みです。(;´Д`)💭

 

✍(´-`).。oO(点検時にむやみに作動させると、、石膏ボードを吸い込んでしまうくらいの勢いがあるので細心の注意を…。。)


まとめ


排煙口ラッチに接続されたワイヤーと電線
排煙口ラッチに接続されたワイヤーと電線
  • 排煙口は、火災の際に死因となる危険な煙を外に出す重要な設備であった。✅
  •  排煙口の作動方法は、自動と手動によるものがあった。✅

  

✍(´-`).。oO(火災で煙が発生した場合は口を布で塞いで、直ちに逃げることが一番大事であることを覚えておきましょう…。。)


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コメント: 3
  • #1

    伊藤建設㈱ 真下 (木曜日, 19 12月 2019 11:43)

    古い建物で排煙口開放函の高さが高いので下げたいとのことですが、御社での対応は可能か連絡しました。一度写真を送りたいのですがお願いできますか?
    伊藤建設㈱ 真下、 三重県松阪市より  Eメール:mashita@ito-hinoki.jp
    宜しくお願いします。

  • #2

    管理人 (木曜日, 19 12月 2019 13:22)

    >伊藤建設㈱ 真下 様
    コメント有難う御座います、メールを送信させて頂きます。

    引き続き宜しくお願い致します。

  • #3

    あおん (木曜日, 14 10月 2021 21:50)

    排煙口手動開放ボタンの写真ですが、ガス消火の手動起動装置の写真になってますよ�