“区分鳴動” と “一斉鳴動” について

非常放送設備は主に収容人数で設置義務が発生
非常放送設備は主に収容人数で設置義務が発生する。

 

タイトルの“区分鳴動” と “一斉鳴動” というのは、火災報知設備の地区音響、つまりベルや非常放送の音のなり方を示しています。

 

まず、一斉鳴動はその名の通り火災信号が入った場合に建物すべての音響が一斉に鳴る方式です。

 

次に、区分鳴動について簡潔に言いますと出火階およびその直上階に限り警報音が鳴動する方式」となります。

 

しかし区分鳴動に関して、いくつかルールがありますので、それについて以下に記させていただきたいと思います。………

区分鳴動と一斉鳴動について


冒頭にも述べさせていただきました通り、防火対象物が高層化・大規模化すると、自火報や非常放送の音響の鳴り方が変わります。

 

区分鳴動が適用される防火対象物


高層ビルでは一斉鳴動すると混乱
高層ビル等では一斉鳴動すると混乱を招く恐れがある。

区分鳴動は消防法にて明記されています。

 

「地階を除く階数が5以上で、延べ面積が3,000 ㎡を超える防火対象物」に適用することとされています。

 

(´-`).。oO(ただし、“消防署の指導” や “条例適用状況” によっては上記の対象外でも区分鳴動にする防火対象物もあるので注意が必要です。。)

 

今回実際現場にて対応し、紹介させていただきます区分鳴動の状況は、3階建てで延べ面積が3,000㎡以上の防火対象物のケースです。

(´-`).。oO(つまり、法的には一斉鳴動でも良かったんだナァ‥)

 

しかし、5階以上の場合にも同じようなノウハウが適用可能です。

(´-`).。oO(つまり参考になりますので、ご覧ください。。)


区分鳴動のルール


次に区分鳴動の具体的なルールについて、消防署に提出した書類と、実際に設定した非常放送設備の写真と共に記します。

区分鳴動のマトリックス表


区分鳴動のマトリックス表
区分鳴動のマトリックス表。※クリックで拡大します。

これは「マトリックス表」といい、区分鳴動方式の場合は設備施工の際に、これを消防署に提出します。

 「●」が出火階、「〇」が出火階以外の音響が鳴動する場所を表しています。

マトリックス表の見方について、簡潔に説明します。

 

1階が出火階●の場合に注目すると、3階以外に音響連動階〇の印がついているのがわかりますか?

(´-`).。oO(1階に●があるとき、3階にのみ何も記号がありません。。)

 

つまり、これは1階で出火した場合、3階で音響は鳴らないということを示しています。

(´-`).。oO(3階の人は危険度が低いから、ちょっと待ってもらいます。。)


非常放送設備の写真


マトリックス表だけではわかりづらいと思いますので、以下に写真を用いて簡潔に説明させていただきます。

 

ちなみに、堅穴区画(たてあなくかく)とは “エレベーターの昇降路” や “階段・パイプシャフト” などの建物の上下階を、文字通り縦(竪)に貫く穴の事です。

また、堅穴区画は、火災の際にの通り道になることから、危険度が高い空間であるとされています。

 

自動火災報知設備も、煙感知器を設けてフロアとは別の警戒区域に設定します。

出火階が1階の場合は、直上階と堅穴区画に警報鳴動。※3階は無し

出火階が1階の場合
出火階が1階の場合

出火階が最上階の場合、出火階の堅穴区画のみ鳴動。※下の階は無し

出火階が最上階
出火階が最上階の場合

出火階が堅穴区画の場合、その堅穴区画のみ鳴動。※他は無し

出火階が堅穴区画の場合
出火階が堅穴区画の場合

区分鳴動の例外


地階では区分鳴動の仕方が変化
地階では区分鳴動の仕方が変わる。

今回の例に挙げさせていただきました防火対象物には “地階” はありませんでしたが、地階複数階ある場合でも、すべての地階が鳴動 します。

つまり、地階が出火階の場合は「出火階とその直上階及びその他の地階」が鳴動することとなります。

 

以下に、例を挙げます。

  • B1Fが出火階の場合「1Fと地階すべて」が鳴動します。
  • B3Fが出火階の場合「B1F・B2F,そして出火階のB3Fすべての地階」が鳴動します。

要するに、地階区分鳴動の出火直上のルールにB1F以外は当てはまらないということです。


時間経過による放送内容の変化


6型ベル
音響鳴動に用いられるベル、非常放送連動はサイレンが鳴動。

また、非常放送設備の音響に関してですが、火災信号が入ってからの経過によって音声と、その鳴動箇所が違います。

以下にその “文言” と “鳴動の仕方” について記します。

 

火災信号が入った最初の警報音は 「○○階の火災報知器が作動した、現場を確認せよ」 という文言で、区分鳴動方式に則って放送されます。これを「発報放送といいます。

 

発報放送から5分後に、「火事です、火事です。」という文言がサイレンと共に放送されます。これも区分鳴動方式に則って放送されます。これを「火災放送」といいます。

 

そして、“火災放送から” 5分後に「火事です、火事です。」という文言が、全館に放送される一斉放送になります。

 

つまり、発報放送から10分後に、「一斉火災放送」になるということです。


まとめ


一斉鳴動と区分鳴動の違い
一斉鳴動と区分鳴動の違いを知っておこう。

区分鳴動方式は、いくつか消防法にて定められたルールがあります。

 

階数が5以上で延べ面積が3,000 ㎡以上など規模の大きい防火対象物で火災が起こった場合の避難時に、パニックを起こさないよう危険度の大きい階数から、順番に分けて火災を報知するためであると考えられます。



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コメント: 3
  • #1

    長谷川 (水曜日, 11 10月 2017 16:41)

    五階未満3000以下では、区分鳴動にしてはダメなんですか?

  • #2

    管理人 (水曜日, 11 10月 2017 17:27)

    >長谷川様
    コメント有難う御座います!
    むしろ区分鳴動の方が安全性は高いので推奨したいところですが、受信機のベル端子が多いものを採用する必要がある他、配線工事も各警戒で別に設ける必要がある為、コスト面で不利になってきます。
    本件も、一斉鳴動でよい現場でしたが、非常放送があったため、設定のみで区分鳴動に出来たことから、自主的に区分鳴動にしたといえます。

  • #3

    長谷川 (木曜日, 12 10月 2017 10:24)

    ありがとうございました。勉強になりました。