ホーチキ製の無線感知器取付工事について

無線感知器受信機はP型
無線式感知器設置時も、P型受信機を使用した施工が可能であった。

現在設置されている感知器のほとんどは、有線タイプのものであると言えます。 

感知器を設置したい箇所まで電線を引っ張っていき、受信機から電力を供給するものです。

 

今回の工事では、ホーチキ社製の “無線式感知器” を設置しましたので、その模様について簡潔にではありますが記事に起こしておきたいと思います。

その施工方法はいくつか特異な点がありますが、いざ施工を終えてみると覚えることもそれほど多くないのではと感じます。

 

受信機は通常のP型受信機です。以下にその他について記します。…

無線式感知器の特徴


http://www.hochiki.co.jp/business/kahou/kahou07.php

今回設置した無線式感知器は “MAG-DSAA-2RLY” という型番の無線式感知器差動式スポット型感知器(2種・非防水型)です。

また、受信用中継器の型番は “MAG-CPAB” です。 火災受信機は10回線の通常のP型でホーチキ製のものを使用しました。

http://www.hochiki.co.jp/business/kahou/data/kahou07-5.php

 以下に無線感知器と通常の感知器との違いを記します。

 

ここで言いたいことが2つあります。

まずは①無線式とは言っても、中継器までは有線で配線しなければならない。

そして②中継器用にVSという役割の線を受信機から持ってくる必要がある。

この2点は注意が必要です。

 

有線の感知器と、無線の感知器は併用することができます。電波が届きにくい箇所などは本工事でも有線で施工しました。

ただ、通常のC線(共通線)とL線(電圧線)で回している回路に無線を導入しようと考えた際は、1本増えた計3心の配線工事が受信機から中継器の位置まで生じます。

ご注意を。

 

無線感知器の外観
①無線感知器の外観。確認灯のLEDは2つ。
中継器の端子
②中継器の端子。VS, C, Lの3本が必要。(写真は隣の中継器に渡っています))
有線感知器用ベース
③通常の有線感知器用ベース。青い端子に電線を挿す。

無線感知器用ベース
④今回の無線感知器用ベース。端子がないので平べったい。
感知器ベースと本体
⑤有線の感知器ベースと本体ヘッドのセット。最も多い品。
無線感知器の裏側
⑥無線感知器の裏側。電池が入っているとともに、感知器に振った番号を記入。

中継器の操作


実際に行った中継器の操作概要を以下に記します。

中継器1台につき、8個まで無線感知器を登録できます。

8個以上感知器が必要な場合は、以下のように渡り線を使用してもう一台中継器を接続しなければなりません。

電波中継器
電波中継器の外観、渡り線で2台使用。
ボタン3つ
“選択” “登録” “表示・更新” のボタン3つで操作。
“登録” を1回押す
“登録” を1回押すと現在感知器が登録されている番号が点灯する。
“選択” ボタン
“選択” ボタンを押して、感知器を登録する番号を選ぶ。
[登録]の黄色が点滅
選択後 “登録” を長押しすると上部の[登録]の黄色が点滅し、1番が点滅します。

Mマークに磁石
[登録] が点滅中に感知器のMマークに磁石をつけると、火災信号が送られます。
確認灯もつきます。
確認灯が点灯し、中継器を介して受信機にも火災信号がいきます。
中継器の[試験]のランプ
ただし、磁石で試験をした場合は中継器の[試験]のランプが点灯します。
“表示・更新” を長押し
“登録” 長押しで感知器登録を終了後、“表示・更新” を長押しします。
LEDの点灯や点滅がすべて消えて完了。
LEDの点灯や点滅がすべて消えて完了。

以上が大まかな中継器への感知器登録の流れです。

無線感知器は磁力を用いて試験ができることも一つの特徴ではないでしょうか。

 

また、今回は登録の際に感知器から火災信号を出して中継器に入れましたが、感知器の電池が入っていない状態から電池を挿入することでも登録の信号を飛ばすこともできます。

無線式感知器の設置場所


配線作業を省略
配線作業を省略したい場合、無線式感知器は手段の一つである。

無線式感知器は、通常時も受信用中継器と接続を保っています。

つまり、その電波による接続が切れた場合、有線と同様に “断線” の信号が受信機にいきます。

 

このような電波障害による断線を回避するため、電波強度が一定値以上確保されるような位置に設置しなければなりません。

 

その電波の強度を測定する機器ですが、市販品ではなく、メーカーが施工する場合に使用するものしかないため、今回メーカー様にお借りして施工しました。

その測定器で電波が一定値以上確保されない場合、そこには無線式は設置できないため、無線と併用した有線での施工になります。

 

また、無線式感知器施工後に設置場所の荷物などのレイアウトが変わるとそれによる電波障害の可能性も生じてくるので注意が必要です。


まとめ


・ 受信用中継器までは受信機から有線3心を引っ張ってくる必要がありました。

 

・ 感知器に磁石を近づけると火災信号を出すことができました。

 

・ 中継器と感知器の電波通信が確実に行われる箇所のみに設置可能でした。

施工後レビュー


天井の配線を省略したい場合は、有効な手段となると思う(露出配線になってしまう場合など)。

 

気になるのは、設置場所のモノのレイアウト(積荷など)が変わるとその影響で電波による通信が遮断されて断線になる恐れがあることだ。

前回施工・点検後数日してから、断線の表示が出たと連絡を受けたことがあった。

その当初電波状態が良好であった場所は、確かに電波状態に変化があった。そして、その場所の感知器は有線による施工に変更した。

 

特定小規模用など、無線化による施工の簡略化の流れは確かにあると感じる。

このホーチキ社製の “エアシリーズ” も選ばれて使われるようになる日が来ると思う。

電波面と、価格面が何とかなればもっと普及すると予想される。

http://www.hochiki.co.jp/business/kahou/kahou07.php

【追記】


無線式感知器設置・試験後、現場に行くと、受信機の障害のランプが点灯し、 “断線” の表示が出ていた。

中継器を確認したところ、[定期] のランプが点灯していた。

この[定期]のランプは、感知器からの信号が中継器に48時間届いていないことを示すとのことで現場を確認した。

すると、施工時に中継器の空き回線を設定した後に、新たにつけずに省いた無線式感知器があったことが発覚した。

そのため、中継器は設置されていない無線式感知器の信号を待ってたこととなり、その結果障害表示がされていた。

そして、無線式感知器が登録されていない番号を空き回線に設定したことで、受信機の表示も消え、中継器も復旧した。

今回のトラブルは、中継器を設定した私が、設置省略された感知器の分を空き回線にしていなかったために起こった。

改善方法として、ヘッドの下から見てもわかる位置に番号を記入した。

中継器にいくつ感知器が登録されているかもチェックすることで、今後は同様のトラブルを回避したい。

中継器の“定期”
中継器の“定期”の表示が点灯し、該当回線番号が示されている。
“定期”の表示
“定期”の表示は、感知器からの信号が48時間ない場合に点灯する。