第4 特例基準


消火器具を設置しなければならない防火対象物又はその部分のうち、次のいずれかに該当するものについては、令第32条又は条例第47条の規定を適用し、それぞれ当該各項に定めるところによる。

1 劇場及び映画館の客席等で、規則第6条第6項の規定によることが困難な場合にあっては、次によることができる。 

 

(1) 客席部分の周壁又は客席等に最も近い廊下の出入口部分に消火器を分散配置すること 

 

(2) 当該客席等の内部に配置した場合に必要とされる消火器の所要数の20パーセント増しとした個数を設置すること 

 

2 冷蔵室又は冷凍室の収容室で、規則第6条第6項の規定によることが困難な場合にあっては、次によることができる。 

 

(1) 収容室の出入口部分に消火器を分散配置すること 

(2) 当該収容室の内部に配置した場合に必要とされる消火器の所要数の20パーセント増しとした個数を設置すること 

 

3 次の(1)から(4)までに適合するアンプル入り水を、(5)により設置するものについては、令第7条第2項第1号イに規定する水バケツに代えて用いることができるものとする。 

 

(1) 液の容量は、1個600立方センチメートル以上であること 

 

(2) 液の比重は、液温17度から23度までにおいて1.1以上であること 

 

(3) 液の成分は、アンモニウム、アルカリ金属類又はアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩類、炭酸塩又はリン酸塩類を液100立方センチメートル当たり25グラム以上含むものであること 

 

(4) 容器又は投てきに容易な大きさ及び形状のガラス製アンプル(ガラスの平均厚さは1.2ミリメートル以下で、かつ、容器として安全な厚みを有するもの)であること 

 

(5) 設置及び維持に関する技術上の基準は、令第10条第2項並びに規則第6条第6項及び第9条の規定の例によるほか、次によること 

  • ア アンプル入り水の消火効果は、主として投てきによりアンプルが破壊し、水が放射することによるものであるので投てきによって確実、かつ、有効な破壊が期待される場所に設置すること
  • イ 加熱源のある場所以外の場所に設置すること
  • ウ 規則第6条第1項に規定する能力単位の数値は、アンプル入り水6個と水バケツ8リットル以上のもの3個を同一とし、アンプル入り水の消火の適応性は、令別表第2に規定する水バケツの適応性と同一とすること
  • エ アンプルには、使用方法、適応火災、設置すべき場所及び液の内容を簡明に表示すること 

4 令第10条第1項第5号の規定により設置しなければならない階が、住宅(個人の住居の用に供されるもので共同住宅等を除く。以下同じ。)の用途に供される部分のみである場合は、消火器具を設置しないことができる。 

 

5 規則第6条第1項及び第6項の規定に基づき設置する建築物その他の工作物の消火に適応する消火器のうち、同条第2項の規定の適用を受ける電話局等の通信機器室に設けるものについては、電気設備に適応する消火器を同条第4項及び第6項の基準に従い設置した場合は、「建築物その他の工作物」に適応する消火器を設置しているものとみなすことができる。 

 

6 長屋住宅のうち、その一部を令別表第1各項に掲げる用途(同表(2)項に掲げる用途に供する部分を除く。)として使用するものであって、次に適合する場合にあっては、住戸ごとにそれぞれ別の防火対象物とみなし令第10条及び条例第38条の規定を適用することができる。 

(1) 所有権原又は管理権原は住戸ごとに分かれていること 

 

(2) 同一棟内に階段、廊下等の共用部分を有しないものであること 

 

(3) 各住戸は直接道路に面しており、避難上支障がないものであること 

 

(4) 各住戸は開口部のない防火構造(建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「建基法」という。)第2条第8号に規定する防火構造をいう。)の界壁で区画されており、かつ、給水管、配水管及び換気、暖房又は冷房設備の風道が当該界壁を貫通していないものであること 

 

(5) 令別表第1(16)項に掲げる防火対象物(延べ面積が1,000平方メートル未満のものに限る。)のうち、住宅の用途に供される部分の床面積の合計が、当該防火対象物の延べ面積の2分の1以上のものであること 

 

7 次に適合する場合は、規則第9条第4号に規定する消火器の標識を設置しないことができる。 

 

(1) 消火器を直接視認することができる状態で設置すること 

 

(2) JISZ8210に定める消火器のピクトグラム(大きさは、一辺の長さがそれぞれ9センチメートル以上に限る。)を設けること(図1-1-1) 

(3) 第10章に定める消火器の使用方法を併記すること。