第31条〔連結送水管に関する基準の細目〕


連結送水管の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。

 

一 送水口のホース接続口は、連結送水管の立管の数以上の数を地盤面からの高さが0.5m以上1m以下の位置に設けること。

 

二 放水口のホース接続口は、床面からの高さが0.5m以上1m以下の位置に設けること。

 

三 送水口及び放水口の結合金具は、差込式又はねじ式のものとし、その構造は、差込式のものにあっては消防用ホースに使用する差込式又はねじ式の結合金具及び消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令に規定する呼称65(フォグガン等を使用するものとして消防長又は消防署長が指定する防火対象物にあつては、当該フォグガン等に適合する呼称として消防長又は消防署長が指定する呼称とする。以下この号において同じ。)の差込式受け口及び差込式差し口に、ねじ式のものにあつては同令に規定する呼称六十五のしめ輪のめねじ及びおねじに適合するものであること。

 

四 送水口及び放水口には、見やすい箇所に標識を設けること。

 

四の二 送水口及び放水口は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

 

五 配管は、次のイからチまでに定めるところによること。

  • イ 専用とすること。ただし、連結送水管を使用する場合において、当該連結送水管の性能に支障を生じない場合においては、この限りでない。
  • ロ 日本工業規格G3442、G3448、G3452、G3454若しくはG3459に適合する管又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有する管を使用すること。ただし、配管の設計送水圧力(ノズルの先端における放水圧力が0.6メガパスカル(フォグガン等を使用するものとして消防長又は消防署長が指定する防火対象物にあつては、当該フォグガン等が有効に機能する放水圧力として消防長又は消防署長が指定する放水圧力とする。)以上となるように送水した場合における送水口における圧力をいう。以下この号において同じ。)が1メガパスカルを超える場合には、日本工業規格G3448若しくはG3454に適合する管のうち呼び厚さでスケジュール40以上のもの若しくはG3454に適合する管のうち呼び厚さでスケジュール10以上のものに適合するもの又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有する管を用いなければならない。
  • ハ 管継手は、次の表の上欄に掲げる種類に従い、それぞれ同表の下欄に定める日本工業規格に適合し、又はこれと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有するものとして消防庁長官が定める基準に適合するものとすること。ただし、配管の設計送水圧力が一メガパスカルを超える場合に用いる管継手には、フランジ継手にあっては日本工業規格B2239若しくはB2220に適合する管継手のうち呼び圧力十六K以上のものに適合するもの、フランジ継手以外の継手にあつては日本工業規格B2312若しくはB2313(G3468を材料とするものを除く。)に適合する管継手のうち呼び厚さでスケジュール40以上(材料にG3454を用いるものは、呼び厚さでスケジュール十以上)のものに適合するもの又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有する管継手を用いなければならない。
種類
日本工業規格
フランジ継手
ねじ込み式継手
B2220又はB2239
溶接式継手
B2220
フランジ継手以外の継手
ねじ込み式継手
B2301、B2303又はB2308のうち材料にG3214(SUS F304又はSUS F316に限る。)又はG5121(SCS13又はSCS14に限る。)を用いるもの
溶接式鋼管用継手
B2309、B2311、B2312又はB2313(G3468を材料とするものを除く。)
  • ニ バルブ類は、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。

(イ) 材質は、日本工業規格G5101、G5501、G5502、G5705(黒心可鍛鋳鉄品に限る。)、H五一二〇若しくはH五一二一に適合するもの又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有するものとして消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

(ロ) 開閉弁、止水弁及び逆止弁にあっては、日本工業規格B2011、B2031若しくはB2051に適合するもの又はこれらと同等以上の性能を有するものとして消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

(ハ) 開閉弁又は止水弁にあつてはその開閉方向を、逆止弁にあってはその流れ方向を表示したものであること。

  • ホ 配管の管径は、水力計算により算出された配管の呼び径とすること。
  • ヘ 加圧送水装置の吐出側直近部分の配管には、逆止弁及び止水弁を設けること。
  • ト 加圧送水装置の吸水側直近部分の配管には、止水弁を設けること。
  • チ 配管の耐圧力は、当該配管の設計送水圧力の1.5倍以上の水圧を加えた場合において当該水圧に耐えるものであること。ただし、次号イの規定により加圧送水装置を設けた場合における当該加圧送水装置の吐出側の配管の耐圧力は、加圧送水装置の締切圧力の1.5倍以上の水圧を加えた場合において当該水圧に耐えるものであること。

六 地階を除く階数が11以上の建築物に設置する連結送水管については、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 高さ70mを超える建築物にあっては、連結送水管を湿式とし、かつ、加圧送水装置を第十二条第一項第七号ハ(ハ)から(チ)まで、ニ及びトの規定の例によるほか、次に定めるところにより設けること。

(イ) ポンプの吐出量は、隣接する二の階に設けられる放水口の設置個数を合計した個数のうち最大となる当該設置個数(設置個数が三を超えるときは、三とする。)に800ℓ 毎分(前条第一項の指定を受けた防火対象物にあつては、水力計算に用いた量)を乗じて得た量以上の量とすること。ただし、連結送水管の立管ごとに、加圧送水装置を設ける場合におけるポンプの吐出量は、それぞれ1600ℓ 毎分(前条第一項の指定を受けた防火対象物にあつては、水力計算に用いた量に二を乗じて得た量)以上の量とすること。

 

(ロ) ポンプの全揚程は、次の式により求めた値以上の値とすること。

H=h1+h2+h3+h4

Hは、ポンプの全揚程(単位 メートル)

h1は、消防用ホースの摩擦損失水頭(単位 メートル)

h2は、配管の摩擦損失水頭(単位 メートル)

h3は、落差(単位 メートル)

h4は、ノズルの先端における放水時の水頭 六十(消防長又は消防署長が指定する場合にあつては、当該指定された水頭とする。)(単位 メートル)

 

(ハ) 起動装置は、直接操作できるものであり、かつ、送水口の直近又は中央管理室に設けられた操作部から遠隔操作できるものであること。

 

(ニ) 加圧送水装置は、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に、送水上支障のないように設けること。

  • ロ 令第二十九条第二項第四号ハの放水用器具は、長さ20mのホース4本以上及び筒先2本以上とするほか、消防庁長官の定める基準に適合するものであること。
  • ハ ロに規定する放水用器具を格納した箱は、一の直通階段について階数三以内ごとに、一の放水口から歩行距離5m以内で消防隊が有効に消火活動を行なうことができる位置に設けること。
  • ニ ロに規定する放水用器具を格納した箱には、見やすい箇所に標識を設けること。

七 非常電源は、その容量を連結送水管の加圧送水装置を有効に二時間以上作動できる容量とするほか、第十二条第一項第四号の規定の例により設けること。

 

八 消防用ホース及び配管の摩擦損失計算は、消防庁長官が定める基準によること。

 

九 第十二条第一項第八号の規定は、連結送水管について準用する。

 

十 貯水槽等には第十二条第一項第九号に規定する措置を講じること。

 

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