第19条〔不活性ガス消火設備に関する基準〕


令第十六条第一号の総務省令で定める防火設備は、防火戸とする。

 

2 全域放出方式の不活性ガス消火設備の噴射ヘッドは、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

 

一 放射された消火剤が防護区画の全域に均一に、かつ、速やかに拡散することができるように設けること。

 

二 噴射ヘッドの放射圧力は、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち、高圧式のもの(二酸化炭素が常温で容器に貯蔵されているものをいう。以下この条において同じ。)にあっては1.4MPa以上、低圧式のもの(二酸化炭素が零下18度以下の温度で容器に貯蔵されているものをいう。以下この条において同じ。)にあっては0.9MPa以上であること。
  • ロ 窒素、窒素とアルゴンとの容量比が五十対五十の混合物(以下「IGー55」という。)又は窒素とアルゴンと二酸化炭素との容量比が五十二対四十対八の混合物(以下「IG―541」という。)を放射する不活性ガス消火設備にあっては1.9MPa以上であること。

三 消火剤の放射時間は、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を放射するものにあっては、第四項第一号イに定める消火剤の量を、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる時間内に放射できるものであること。
防火対象物又はその部分 時間
通信機器室  3.5分
指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分

7分

その他の防火対象物又はその部分 1分
  • ロ 窒素、IG―55又はIG―541を放射するものにあつては、第四項第一号ロに定める消火剤の量の10分の9の量以上の量を、1分以内に放射できるものであること。

四 消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

 

3 局所放出方式の不活性ガス消火設備の噴射ヘッドは、前項第二号イの規定の例によるほか、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 防護対象物のすべての表面がいずれかの噴射ヘッドの有効射程内にあるように設けること。

 

二 消火剤の放射によって可燃物が飛び散らない箇所に設けること。

 

三 次項第二号に定める消火剤の量を30秒以内に放射できるものであること。

 

四 消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

 

4 不活性ガス消火剤の貯蔵容器(以下この条において「貯蔵容器」という。)に貯蔵する消火剤の量は、次の各号に定めるところによらなければならない。

 

一 全域放出方式の不活性ガス消火設備にあっては、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を放射するものにあっては、次の(イ)から(ハ)までに定めるところにより算出された量以上の量とすること。

(イ) 通信機器室又は指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、若しくは取り扱う防火対象物又はその部分にあっては、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、当該防護区画の体積(不燃材料で造られ、固定された気密構造体が存する場合には、当該構造体の体積を減じた体積。以下この条、次条及び第二十一条において同じ。)1㎥につき同表下欄に掲げる量の割合で計算した量

防火対象物又はその部分 防護区画の体積1㎥当たりの消火剤の量
通信機器室  1.2kg
指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分 綿花類、木毛若しくはかんなくず、ぼろ若しくは紙くず(動植物油がしみ込んでいる布又は紙及びこれらの製品を除く。)、糸類、わら類、再生資源燃料又は合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずに限る。)(以下「綿花類等」という。)に係るもの

2.7kg

木材加工品又は木くずに係るもの 2.0kg
合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずを除く。)に係るもの 0.75kg

(ロ) (イ)に掲げる防火対象物又はその部分以外のものにあっては、次の表の上欄に掲げる防護区画の体積に応じ、同表中欄に掲げる量の割合で計算した量。ただし、その量が同表下欄に掲げる量未満の量となる場合においては、当該下欄に掲げる量とする。

防護区画の体積 防護区画の体積一立方メートル当たりの消火剤の量 消火剤の総量の最低限度
 50㎥未満 1.00kg  
50㎥以上150㎥未満 0.90kg 50kg
150㎥以上1500㎥未満 0.80kg 135kg
1500㎥以上 0.75kg 1200kg

(ハ) 防護区画の開口部に自動閉鎖装置を設けない場合にあっては、(イ)又は(ロ)により算出された量に、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる量の割合で計算した量を加算した量

防火対象物又はその部分 開口部の面積一平方メートル当たりの消火剤の量
 (イ)に掲げる防火対象物又はその部分  通信機器室

10kg 

指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分 綿花類等に係るもの 20kg 
木材加工品又は木くずに係るもの 15kg 
合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずを除く。)に係るもの 5kg 
(ロ)に掲げる防火対象物又はその部分 5kg 

ロ 窒素、IG―55又はIG―541を放射するものにあつては、次の表の上欄に掲げる消火剤の種別の区分に応じ、同表下欄に掲げる量の割合で計算した量とすること。

消火剤の種別 防護区画の体積1㎥当たりの消火剤の量
窒素

 ㎥(温度二十度で一気圧の状態に換算した体積)

0.516以上0.740以下

IG―55 0.477以上0.562以下
IG―541 0.472以上0.562以下

二 局所放出方式の不活性ガス消火設備にあっては、次のイ又はロに定めるところにより算出された量に、高圧式のものにあっては1.4を、低圧式のものにあっては1.1をそれぞれ乗じた量以上とすること。

  • イ 可燃性固体類又は可燃性液体類を上面を開放した容器に貯蔵する場合その他火災のときの燃焼面が一面に限定され、かつ、可燃物が飛散するおそれがない場合にあっては、防護対象物の表面積(当該防護対象物の一辺の長さが0.6m以下の場合にあつては、当該辺の長さを0.6mとして計算した面積。次条及び第二十一条において同じ。)1㎡につき13kgの割合で計算した量
  • ロ イに掲げる場合以外の場合にあつては、次の式によって求められた量に防護空間(防護対象物のすべての部分から0.6m離れた部分によつて囲まれた空間の部分をいう。以下同じ。)の体積を乗じた量

Q=8-6a/A

Qは、単位体積当りの消火剤の量(単位 キログラム毎立方メートル)

aは、防護対象物の周囲に実際に設けられた壁の面積の合計(単位 ㎡)

Aは、防護空間の壁の面積(壁のない部分にあつては、壁があると仮定した場合における当該部分の面積)の合計(単位 ㎡)

 

三 全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備において同一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合には、それぞれの防護区画又は防護対象物について前二号の規定の例により計算した量のうち最大の量以上の量とすること。

 

四 移動式の不活性ガス消火設備にあっては、一のノズルにつき90kg以上の量とすること。

 

5 全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。

 

一 駐車の用に供される部分及び通信機器室であつて常時人がいない部分には、全域放出方式の不活性ガス消火設備を設けること。

 

一の二 常時人がいない部分以外の部分には、全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備を設けてはならない。

 

二 不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素(日本工業規格K1106の二種又は三種に適合するものに限る。以下この号、第二号の三及び次項第一号において同じ。)、窒素(日本工業規格K1107の二級に適合するものに限る。

以下この号において同じ。)、窒素とアルゴン(日本工業規格K1105の二級に適合するものに限る。以下この号において同じ。)との容量比が50:50の混合物又は窒素とアルゴンと二酸化炭素との容量比が52:40:8の混合物とすること。

 

二の二 全域放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、次の表の上欄に掲げる当該消火設備を設置する防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる消火剤とすること。

防火対象物又はその部分 消火剤の種別
鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する部分、ガスタービンを原動力とする発電機が設置されている部分又は指定可燃物を貯蔵し、若しくは取り扱う防火対象物若しくはその部分  二酸化炭素
その他の防火対象物又はその部分 防護区画の面積が1,000㎡以上又は体積が3,000㎡以上のもの
その他のもの 二酸化炭素、窒素IGー55又はIG-541

二の三 局所放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とすること。

 

三 防護区画の換気装置は、消火剤放射前に停止できる構造とすること。

 

四 全域放出方式の不活性ガス消火設備を設置した防火対象物又はその部分の開口部は、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を放射するものにあつては、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。

(イ) 階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所に面して設けてはならないこと。

 

(ロ) 床面からの高さが階高の三分の二以下の位置にある開口部で、放射した消火剤の流失により消火効果を減ずるおそれのあるもの又は保安上の危険があるものには、消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設けること。

 

(ハ) 自動閉鎖装置を設けない開口部の面積の合計の数値は、前項第一号イ(イ)に掲げる防火対象物又はその部分にあっては囲壁面積(防護区画の壁、床及び天井又は屋根の面積の合計をいう。以下同じ。)の数値の1%以下、前項第一号イ(ロ)に掲げる防火対象物又はその部分にあっては防護区画の体積の数値又は囲壁面積の数値のうちいずれか小さい方の数値の10%以下であること。

  • ロ 窒素、IG―55又はIG―541を放射するものにあつては、消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設けること。

五 貯蔵容器への充塡は、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を消火剤とする場合にあつては、貯蔵容器の充塡比容器の内容積の数値と消火剤の重量の数値との比をいう。以下同じ。)が、高圧式のものにあっては1.5以上1.9以下、低圧式のものにあっては1.1以上1.4以下であること。
  • ロ 窒素、IG―55又はIG―541を消火剤とする場合にあっては、貯蔵容器の充塡圧力が温度35℃において30.0MPa以下であること。

六 貯蔵容器は、次のイからハまでに定めるところにより設けること。

  • イ 防護区画以外の場所に設けること。
  • ロ 温度四十度以下で温度変化が少ない場所に設けること。
  • ハ 直射日光及び雨水のかかるおそれの少ない場所に設けること。

六の二 貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置(容器弁に設けられたものを含む。第十三号ハ、次条第四項第四号イ及び第六号の二並びに第二十一条第四項第三号ハ及び第五号の二において同じ。)を設けること。

 

六の三 貯蔵容器の見やすい箇所に、充塡消火剤量、消火剤の種類、製造年及び製造者名を表示すること。ただし、二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器にあっては、消火剤の種類を表示することを要しない。

 

七 配管は、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 専用とすること。
  • ロ 配管は、次の(イ)又は(ロ)に定めるところによること。

(イ) 二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備にあっては、次のとおりとすること。

 

(1) 鋼管を用いる配管は、日本工業規格G3454のSTPG370のうち、高圧式のものにあっては呼び厚さでスケジュール80以上のもの、低圧式のものにっては呼び厚さでスケジュール40以上のものに適合するもの又はこれらと同等以上の強度を有するもので、亜鉛メッキ等による防食処理を施したものを用いること。

 

(2) 銅管を用いる配管は、日本工業規格H3300のタフピッチ銅に適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、高圧式のものにあつては16.5MPa以上、低圧式のものにあっては3.75MPa以上の圧力に耐えるものを用いること。

 

(ロ) 窒素、IG―55又はIG―541を放射する不活性ガス消火設備にあっては、次のとおりとすること。ただし、圧力調整装置の二次側配管にあっては、温度40℃における最高調整圧力に耐える強度を有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。)又は銅管を用いることができる。

 

(1) 鋼管を用いる配管は、日本工業規格G3454のSTPG370のうち、呼び厚さでスケジュール80以上のものに適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、亜鉛メッキ等による防食処理を施したものを用いること。

 

(2) 銅管を用いる配管は、日本工業規格H3300のタフピッチ銅に適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、16.5MPa以上の圧力に耐えるものを用いること。

 

(3) (1)及び(2)の規定にかかわらず、配管に選択弁又は開閉弁(以下「選択弁等」という。)を設ける場合にあつては、貯蔵容器から選択弁等までの部分には温度四十度における内部圧力に耐える強度を有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。)又は銅管を用いること。

  • ハ 管継手は、次の(イ)又は(ロ)に定めるところによること。

(イ) 二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち、高圧式のものにあっては16.5MPa以上、低圧式のものにあっては3.75MPa以上の圧力に耐えるもので、適切な防食処理を施したものを用いること。

 

(ロ) 窒素、IG―55又はIG―541を放射する不活性ガス消火設備にあっては、ロ(ロ)の規定の例によること。

  • ニ 落差(配管の最も低い位置にある部分から最も高い位置にある部分までの垂直距離をいう。次条第四項第七号ホ及び第二十一条第四項第七号トにおいて同じ。)は、50m以下であること。

八 二酸化炭素を常温で貯蔵する容器又は窒素、IG―55若しくはIG―541を貯蔵する容器には、消防庁長官が定める基準に適合する容器弁を設けること。

 

九 二酸化炭素を零下十八度以下の温度で貯蔵する容器(以下「低圧式貯蔵容器」という。)は、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 低圧式貯蔵容器には液面計及び圧力計を設けること。
  • ロ 低圧式貯蔵容器には2.3MPa以上の圧力及び1.9MPa以下の圧力で作動する圧力警報装置を設けること。
  • ハ 低圧式貯蔵容器には、容器内部の温度を零下20℃以上零下18℃以下に保持することができる自動冷凍機を設けること。
  • ニ 低圧式貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する破壊板を設けること。

十 低圧式貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する放出弁を設けること。

 

十一 選択弁は、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合において貯蔵容器を共用するときは、防護区画又は防護対象物ごとに選択弁を設けること。
  • ロ 選択弁は、防護区画以外の場所に設けること。
  • ハ 選択弁には選択弁である旨及びいずれの防護区画又は防護対象物の選択弁であるかを表示すること。
  • ニ 選択弁は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

十二 貯蔵容器から噴射ヘッドまでの間に選択弁等を設けるものには、貯蔵容器と選択弁等の間に、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置又は破壊板を設けること。

 

十三 起動用ガス容器は、次のイからハまでに定めるところによること。

  • イ 起動用ガス容器は、24.5MPa以上の圧力に耐えるものであること。
  • ロ 起動用ガス容器の内容積は、1ℓ以上とし、当該容器に貯蔵する二酸化炭素の量は、0.6kg以上で、かつ、充塡比は、1.5以上であること
  • ハ 起動用ガス容器には、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置及び容器弁を設けること。

十四 起動装置は、次のイ又はロに定めるところによること。

  • イ 二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備にあっては、手動式とすること。ただし、常時人のいない防火対象物その他手動式によることが不適当な場所に設けるものにあつては、自動式とすることができる。
  • ロ 窒素、IG―55又はIG―541を放射する不活性ガス消火設備にあっては、自動式とすること。

十五 手動式の起動装置は、次のイからチまでに定めるところによること。

  • イ 起動装置は、当該防護区画外で当該防護区画内を見とおすことができ、かつ、防護区画の出入口付近等操作をした者が容易に退避できる箇所に設けること。
  • ロ 起動装置は、一の防護区画又は防護対象物ごとに設けること。
  • ハ 起動装置の操作部は、床面からの高さが0.8m以上1.5m以下の箇所に設けること。
  • ニ 起動装置にはその直近の見やすい箇所に不活性ガス消火設備の起動装置である旨及び消火剤の種類を表示すること。
  • ホ 起動装置の外面は、赤色とすること。
  • ヘ 電気を使用する起動装置には電源表示灯を設けること。
  • ト 起動装置の放出用スイッチ、引き栓等は、音響警報装置を起動する操作を行った後でなければ操作できないものとし、かつ、起動装置に有機ガラス等による有効な防護措置が施されていること。
  • チ 起動装置又はその直近の箇所には、防護区画の名称、取扱い方法、保安上の注意事項等を表示すること。

十六 自動式の起動装置は、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 起動装置は、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動するものであること。
  • ロ 起動装置には次の(イ)から(ハ)までに定めるところにより自動手動切替え装置を設けること。

(イ) 容易に操作できる箇所に設けること。

 

(ロ) 自動及び手動を表示する表示灯を設けること。

 

(ハ) 自動手動の切替えは、かぎ等によらなければ行えない構造とすること。

  • ハ 窒素、IG―55又はIG―541を放射する不活性ガス消火設備にあっては、起動装置の放出用スイッチ、引き栓等の作動により直ちに貯蔵容器の容器弁又は放出弁を開放するものであること。
  • ニ 自動手動切替え装置又はその直近の箇所には取扱い方法を表示すること。

十七 音響警報装置は、次のイからニまでに定めるところによること。

  • イ 手動又は自動による起動装置の操作又は作動と連動して自動的に警報を発するものであり、かつ、消火剤放射前に遮断されないものであること。
  • ロ 音響警報装置は、防護区画又は防護対象物にいるすべての者に消火剤が放射される旨を有効に報知できるように設けること。
  • ハ 全域放出方式のものに設ける音響警報装置は、音声による警報装置とすること。ただし、常時人のいない防火対象物にあっては、この限りでない。
  • ニ 音響警報装置は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

十八 不活性ガス消火設備を設置した場所には、その放出された消火剤及び燃焼ガスを安全な場所に排出するための措置を講じること。

 

十九 全域放出方式のものには、次のイ又はロに定めるところにより保安のための措置を講じること。

  • イ 二酸化炭素を放射するものにあつては、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。

(イ) 起動装置の放出用スイッチ、引き栓等の作動から貯蔵容器の容器弁又は放出弁の開放までの時間が二十秒以上となる遅延装置を設けること。

(ロ) 手動起動装置には(イ)で定める時間内に消火剤が放出しないような措置を講じること。

(ハ) 防護区画の出入口等の見やすい箇所に消火剤が放出された旨を表示する表示灯を設けること。

  • ロ 窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものにあつては、イ(ハ)の規定の例によること。

十九の二 全域放出方式の不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するものに限る。)を設置した防護区画と当該防護区画に隣接する部分(以下「防護区画に隣接する部分」という。)を区画する壁、柱、床又は天井(ロにおいて「壁等」という。)に開口部が存する場合にあっては、防護区画に隣接する部分は、次のイからハまでに定めるところにより保安のための措置を講じること。ただし、防護区画において放出された消火剤が開口部から防護区画に隣接する部分に流入するおそれがない場合又は保安上の危険性がない場合にあっては、この限りでない。

  • イ 消火剤を安全な場所に排出するための措置を講じること。
  • ロ 防護区画に隣接する部分の出入口等(防護区画と防護区画に隣接する部分を区画する壁等に存する出入口等を除く。)の見やすい箇所に防護区画内で消火剤が放出された旨を表示する表示灯を設けること。
  • ハ 防護区画に隣接する部分には、消火剤が防護区画内に放射される旨を有効に報知することができる音響警報装置を第十七号の規定の例により設けること。

十九の三 全域放出方式のものには、消防庁長官が定める基準に適合する当該設備等の起動、停止等の制御を行う制御盤を設けること。

 

二十 非常電源は、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備によるものとし、その容量を当該設備を有効に一時間作動できる容量以上とするほか、第十二条第一項第四号ロ、ハ、ニ及びホの規定の例により設けること。

 

二十一 操作回路、音響警報装置回路及び表示灯回路(次条及び第二十一条において「操作回路等」という。)の配線は、第十二条第一項第五号の規定の例により設けること。

 

二十二 消火剤放射時の圧力損失計算は、消防庁長官が定める基準によること。

 

二十二の二 全域放出方式の不活性ガス消火設備(窒素、IG―55又はIG―541を放射するものに限る。)を設置した防護区画には、当該防護区画内の圧力上昇を防止するための措置を講じること。

 

二十三 第十二条第一項第八号の規定は、不活性ガス消火設備について準用する。

 

二十四 貯蔵容器、配管及び非常電源には、第十二条第一項第九号に規定する措置を講じること。

 

6 移動式の不活性ガス消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、前項第五号イ、第六号ロ及びハ、第六号の二、第六号の三(窒素、IG―55及びIG―541に係る部分を除く。)、第七号(同号ロ(ロ)及びハ(ロ)を除く。)、第八号(窒素、IG―55及びIG―541に係る部分を除く。)並びに第二十二号の規定の例によるほか、次のとおりとする。

 

一 移動式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とすること。

 

一の二 ノズルは、温度二十度において一のノズルにつき毎分六十キログラム以上の消火剤を放射できるものであること。

 

二 貯蔵容器の容器弁又は放出弁は、ホースの設置場所において手動で開閉できるものであること。

 

三 貯蔵容器は、ホースを設置する場所ごとに設けること。

 

四 貯蔵容器の直近の見やすい箇所に赤色の灯火及び移動式不活性ガス消火設備である旨及び消火剤の種類を表示した標識を設けること。

 

五 火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所以外の場所に設置すること。

 

五の二 道路の用に供される部分に設置する場合にあつては、屋上部分に限り設置できること。

 

六 ホース、ノズル、ノズル開閉弁及びホースリールは、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

 

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【過去問】甲種3類 消防設備士の実技試験に出題された “過去問” と解答例

消防設備士3類の実技試験に出た問題を解説
消防設備士3類の実技試験に出た問題を解説ッ‥!

前ブログ “青木防災㈱創業物語” のコメント欄に、りゅう様より『甲種3類の消防設備士受けてきました、山田バイトが受験するときの参考に‥』といった具合で何と実際に出た問題を書き込んで下さいました!💯\(゜ロ\)(/ロ゜)/📃✨

 

また、Twitter上にてカミユ様(@prelude125612)より『受験した甲種2類 消防設備士の実技で青木防災㈱さんのブログに載っていた問題がかなり出ていたので、甲3も作って下さい!』と同様のタイミングで指名頂いておりました。👉🐈♪

 

よって『こりゃ‥りゅう様が提供下さった出題情報を元に管理人加筆修正して解答例ページを作るっきゃないな!』と踏み切るに至りました‥メチャ手間かけたので必読です!😭笑💦

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二酸化炭素消火設備の撤去

二酸化炭素消火設備
屋外で老朽化した二酸化炭素消火設備。

3類に該当する消防用設備である “二酸化炭素消火設備” の撤去工事を行いました。🔧👷✨

 

現場の概要は以下の通りです。📝

  • 以前は “危険物貯蔵所” として運用されていた。
  • 現在は大きい水槽が置いてあるのみ。
  • 二酸化炭素消火設備の設置義務は無し。
  • お客様が屋外の老朽化したボンベを恐れていた。

写真と共に詳細と工事の模様を記させて頂きますが、確かにCO₂ボンベの発錆が酷く、危険なものとなっていました。☠💦

✍(´-`).。oO(時の流れが 消防設備を 危険物品に…。。)

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