第32条の6〔移動タンクの基準〕


移動タンクにおいて少量危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合における貯蔵及び取扱いの技術上の基準は、第32条の4第1項の規定の例によるほか、次のとおりとする。

 

(1) 移動タンクから危険物を貯蔵し、又は取り扱う他のタンクに液体の危険物を注入するときは、当該他のタンクの注入口に移動タンクの注入ホースを緊結すること。ただし、注入ホースの先端部に手動開閉装置を備えた注入ノズル(手動開閉装置を開放の状態で固定する装置を備えたものを除く。)により引火点が40度以上の液体の危険物を注入するときは、この限りでない。

 

(2) 移動タンクから液体の危険物を容器に詰め替えないこと。ただし、安全な注油速度で前号に定める注入ノズルにより引火点が 40 度以上の法別表第1第4類の危険物を容器に詰め替える場合は、この限りでない。

 

(3) 静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物を移動タンクに入れ、又は移動タンクから出すときは、当該タンクを有効に接地すること

 

(4) 静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物を移動タンクの上部から注入するときは、注入管を用いるとともに、当該注入管の先端を移動タンクの底部に着けること

 

(5) 移動タンクにより危険物を運ぶ者は、その開始前に、弁、マンホール及び注入口のふた等の点検を行うこと

 

(6) 移動タンクにより危険物を運ぶ場合で、休憩等のため車両を一時停止させるときは、安全な場所を選ぶこと

 

少量危険物を貯蔵し、又は取り扱う移動タンクの位置、構造及び設備の技術上の基準は、第32条の4第2項第3号の規定の例によるほか、次のとおりとする。

 

(1) 移動タンクは、火災予防上安全な場所に常置すること

 

(2) 移動タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で気密に造るとともに、圧力タンクを除くタンクにあっては70kPaの圧力で、圧力タンクにあっては最大常用圧力の1.5 倍の圧力でそれぞれ10分間行う水圧試験において、漏れ、又は変形しないものであること

 

(3) 移動タンクは、U ボルト等で車両のシャーシフレーム又はこれに相当する部分に強固に固定すること

 

(4) 常用圧力が20kPa以下の移動タンクにあっては 20kPaを超え 24kPa以下の範囲の圧力で、常用圧力が 20kPaを超える移動タンクにあつては常用圧力の1.1倍以下の圧力で作動する安全装置を設けること

 

(5) 移動タンクには、その内部に4,000リットル以下ごとに厚さ3.2mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造られた間仕切を設けること

 

(6) 前号の間仕切により仕切られた部分には、それぞれマンホール及び第4号に規定する安全装置を設けるとともに、当該間仕切により仕切られた部分の容量が2,000リットル以上のものにあつては、厚さ1.6mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造られた防波板を設けること

 

(7) マンホール及び注入口のふたは、厚さ3.2mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造ること

 

(8) マンホール、注入口、安全装置等の附属装置がその上部に突出している移動タンクには、当該タンクの転倒等による当該附属装置の損傷を防止するための防護枠を設けること

 

(9) 移動タンクの下部に排出口を設ける場合は、当該タンクの排出口に、非常の場合に直ちに閉鎖することができる弁等を設けるとともに、その直近にその旨を表示し、かつ、外部からの衝撃による当該弁等の損傷を防止するための措置を講ずること

 

(10) 移動タンクの配管には、先端部に弁又はふたを設けること

 

(11) 移動タンク及び附属装置の電気設備で、可燃性の蒸気が滞留するおそれのある場所に設けるものは、可燃性の蒸気に引火しない構造とすること